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「大統領指示で何でもできる」9日に“戦争”宣言?特別軍事作戦との違い 専門家解説(2022年5月5日)
ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所について、ロシア国防省は、3日間の一時停戦を発表しましたが、ウクライナ側は『戦闘は続いている』と映像を公開しました。一方、ロシア側は否定しています。防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。
(Q.製鉄所をめぐる状況をどう見ますか)
完全な停戦が実現しないという状況が繰り返されています。その原因は、ロシア側の縦と横の連携が十分ではないのかと思います。縦というのは、プーチン大統領は「停戦を命じた」と言っていますが、現場の部隊が引き続き攻撃している。上下の意思疎通、ロシア軍の指揮命令系統に欠陥があるのではという見方が強まっています。横の連携ですが、ロシア軍だけが闘っているのではなく、親ロ派武装勢力や、チェチェン民兵などがいますので、横の情報共有、認識共有が十分にできていないという見方もできると思います。
『5月9日』について、西側からのある発言が取りざたされています。先月28日、イギリスのウォレス国防相は「プーチン大統領が『ナチスとの戦争のために国民を総動員する』と宣言しても驚かない」と発言しました。これをメディアは“戦争宣言”と捉えましたが、ロシアのペスコフ報道官は「(“戦争”を宣言する)可能性はない」と否定しました。
(Q.これまで“特別軍事作戦”としてきましたが、フェーズが変わるということですか)
“ロシア領内にいるロシア系住民を保護する”という名目で特別軍事作戦を行っていますが、“戦争宣言”となると、ロシア憲法に規定されている、いわゆる戒厳令のようなものを発出するという意味合いになります。これが実現すると、プーチン大統領は、いろいろなことが可能となり、予備役や民間企業など国家総動員という形で戦争に投入する道を開くことになります。ただ、これをやると、ロシア国民の間で反発が広がるし、いままでの特別軍事作戦がうまくいっていなかったことを認めることになりますので、ロシア国内では踏み切れなかったと思います。
「欧米との戦争」という表現は、ロシア国内でも、一部のメディアや討論番組で使われつつあります。欧米諸国から圧力を加えられているので、国内で団結しなければいけないという国内世論づくりが始まっている感じもします。
(Q.5月9日の先はどうなると見ますか)
東部2州に関しては、完全制圧できるまでやり続けるし、南東部全体も軍事的な支配地域の拡大を目指して、そのあとロシア化をやったうえで、住民投票を経て、ロシアへの編入を目指す可能性があります。いまのハイレベルの戦闘を何年もやるというのは、ロシア国内の状況を考えると難しいと思いますが、散発的な戦闘は、何年も続いていくと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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