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水深120mに沈む船内の画像10枚を初公開 知床・観光船事故(2022年5月4日)
知床沖の水深120メートルに沈む観光船『KAZU I』の船内の画像が4日夜に公開されました。
船体が大きく傾いているため、左舷側にあるスライドドアから水中カメラが入れられました。その入り口を捉えた画像には、救命胴衣が写っています。客室を捉えた画像では、人影は確認できません。客室後部にあったいすは、背もたれが残っているものの座面がなくなっていたといいます。原因は分かっていません。
公開された、船内の画像は全部で10枚。水中カメラの映像は動画で撮影されていて、そこから切り出したものです。沈没前の船内と見比べてみても画質が荒く、大きな損傷があるのかどうかは分かりませんでした。
船内の画像を見た水難学会・斎藤秀俊会長はこう話します。
水難学会・斎藤秀俊会長:「船室の窓ガラスは、見た感じ特に大きな損傷などは見受けられない。少なくとも内部から見て、船体に大きな損傷がないということで、船体が真っ二つになって沈んだという大きな損傷はなさそう」
これらの画像は、乗客の家族にも示されたといいます。
第1管区海上保安本部・横内伸明次長:「説明させて頂いたが、特異なもの、行方不明者の手掛かりになるようなものはありませんでした」
4日も、海上保安庁や海上自衛隊のカメラによる捜索が行われましたが、不明者は見つかりませんでした。
『知床遊覧船』の桂田精一社長は、乗客の家族に配った文書で「運航管理者としての自覚も足りなかった」などと、自ら運航基準に違反したことを認めています。
別の観光船の運航会社を営む、長谷川さんは、今回の事故についてこう指摘します。
『知床ネイチャークルーズ』長谷川正人安全統括責任者:「俺たちから見てもちょっとひどい。同業者だから悪いけど、通常では考えられないから。(Q.海のことを知ってる人じゃないと運航管理者にはなれない)海を知ってる以前に、基本的なことをやっていれば、ここまで甚大なことにはならなかった」
運航管理者としての役目は、事務所から離れて行うことは難しいと訴えます。
『知床ネイチャークルーズ』長谷川正人安全統括責任者:「いつも(事務所に)いなきゃダメ。本来はここにいる。安全に出て安全に帰ってくる。これが本当の運航管理者の仕事であって基本」
運航管理者とは、海上運送法に基づく運航全般を管理する責任者です。気象情報の収集など、運航が可能かどうかの判断を下します。
その運航管理者になるためには、北海道運輸局によりますと、いくつかある要件のうち、どれかに該当しなければなりません。桂田社長は、このうち「運航管理補助者として3年以上の経験」があるとして届け出ていたことが関係者への取材で分かりました。
桂田社長に、3年もの実績があったのでしょうか。
知床遊覧船の関係者:「事務所に顔を出すことはあっても、働いている姿は見たことない。逆に仕事にならないから『帰ってください』と追い返したこともある。3年以上、運航管理補助者として勤務しているなんてあり得ない」
桂田社長が運航管理者になったのは去年3月のことです。ところが1週間前、会見に臨んだ時には、自身が運航管理者であることすら認識していませんでした。
『知床遊覧船』桂田精一社長:「安全統括管理者は私。運航管理者は豊田(船長)」
運航管理者の登録を受け付ける地方運輸局の担当者はこう話します。
地方運輸局担当者:「届け出に虚偽があっても見抜くのは難しい。もし虚偽申請があるとすれば、さらに裏付けを求めるなど対応を検討しなくてはならない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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