胎内で銃撃受けた女性が語る“融和”とくすぶる“火種”「アメリカ史上最悪の暴動」から30年|TBS NEWS DIG
「アメリカ史上最悪の暴動」と言われるロサンゼルス暴動から先月29日で30年を迎えました。当時、出産間近に銃撃された黒人女性がJNNに今の思いを語りました。
記者
「暴動は黒人が多く住む街のこちらの交差点から始まり、一気に広がったということです」
30年前、アメリカで起きたロサンゼルス暴動。黒人男性を暴行した白人警察官への無罪評決をきっかけに始まり、63人が死亡、2300人以上がけがをしました。
暴動には妊婦まで巻き込まれていました。
当時、出産間近だったエルビラ・エバースさんです。
エルビラ・エバースさん
「なんというか最初に(お腹に)違和感を感じました」
知人を迎えようと家から出た際、突然、その腹部を撃たれました。
病院に運ばれ、母子ともに一命をとりとめましたが、銃弾はおなかの中にいた、女の子の右ひじの骨で止まっていました。
「ジェシカ」と名付けられたこの子が、暴動の最年少の被害者です。
ロス暴動で銃撃された エルビラ・エバースさん
「(暴動は)あそこまでする必要はなかったんです。暴力はまったく賛同できません」
あれから30年、ジェシカさんはブティックの経営者になりました。
右ひじには、あの時の傷が残っています。
娘 ジェシカ・エバースさん
「ママとは暴動の話をしません。過去を持ち出して、嫌な思いをさせたくないですから」
互いに暴動を語ることはなくても人種間の憎しみをもう見たくないという気持ちは同じです。
娘 ジェシカ・エバースさん
「白人と黒人、あるいは人種が何であれ、あんな関係にはなってほしくないです」
エルビラ・エバースさん
「いつか皆が団結して、一緒に暮らせるようになるといいと思います。大きな家族のようにね」
娘 ジェシカ・エバースさん
「そうだね」
一方、所得など人種間の格差は残ったままで、異なる人種の接点も、決して多いとは言えません。
暴動があった地区の住民
「お互い同じ人種といた方が居心地がいいからね。(他の人種と)仲良くしたりフレンドリーに振る舞ったりしても、友達になる必要はないと思ってるよ」
5年に一度行われる調査で「再び暴動が起きるかもしれない」と答えた市民は今年68%と、過去最多になりました。
暴動から30年。今も続く融和の呼びかけは、対立の火種がくすぶっていることの裏返しでもあります。
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