事故直前に通信手段“変更”申請・・・なぜ衛星電話から“エリア外”の携帯に(2022年4月29日)

事故直前に通信手段“変更”申請・・・なぜ衛星電話から“エリア外”の携帯に(2022年4月29日)

事故直前に通信手段“変更”申請・・・なぜ衛星電話から“エリア外”の携帯に(2022年4月29日)

観光船『KAZU1』の行方がわからなくなって7日目。

29日午前、海上自衛隊の掃海艇『いずしま』が、ソナーで反応があった地点を水中カメラで調べたところ、船体が見つかりました。船底を海底につけた状態で、倒れたりしておらず、船体に損傷は見つかっていないといいます。

海上保安庁の発表では、場所は知床岬灯台から南西14キロの地点で、最後に連絡があったとされるカシュニの滝1.3キロほどの沖合、水深約120メートルの海底です。
海上保安庁・奥康彦参事官:「海上保安庁の装備では潜れない水深。そういった意味で、きょう直ちに(潜水士が潜る)ということはない」

確実な通信手段がない状態で出航した『KAZU1』。小型船舶の検査機関を所管する国土交通省への取材で、新たな事実が浮かび上がってきました。

今月20日の検査のとき、法令で設置が定められている通信手段を、衛星電話から携帯電話に変更したいとの申請があったことが新たにわかりました。豊田船長への確認、また、漁業関係者からの「つながる」との情報もあったため、変更を認めたうえで、検査は合格としています。全国的に、通信手段の確認は、自己申告を基に行われているため、実際につながるかどうかは確認していないということです。

衛星電話について、27日の会見で桂田社長は、こう説明していました。
知床遊覧船・桂田精一社長:「私は積んでいたと認識していたが、実際は修理に出してると。故障中だったということ」

新たに登録された携帯電話の通信エリアを調べると、ウトロ漁港から半島に沿って北上した場合、すぐに圏外となります。地元で30年以上の経験がある漁師に聞きました。業務連絡は、衛星電話で行うのが当たり前だといいます。
地元漁師:「今時はほとんど積んでいる。漁船は全部積んでる。無線ももちろん使えるが、無線機は、こっちから飛ばしても、受ける方が受信できる所にいなかったら意味がない。だから、やっぱり(衛星)電話を使うよね」

キャリアに関わらず、知床岬付近では携帯電話はつながりづらい状態になるといいます。そのため、通信手段は衛星電話にしていたのですが、なぜか、それを変更しました。
地元漁師:「半島の先に行く便だったから、つながりづらいよね、普通の携帯だと。何かあれば連絡取りようないから、危険といえば危険。(衛星電話を)積んでないのは、ちょっと考えられない」

連絡が途絶える直前、無線でやり取りをしていた人に話を聞くことが出来ました。
連絡が途絶える直前に話した人:「『船の後ろの方しか浮いてない』ということで『この無線でやり取りもバッテリーが浸水すると不通になる』と。船で誰かがドコモなら、携帯の電波があるかもしれないので、電波がある人を誰でも探して、もし電波がある携帯があれば、118番に直接連絡を取り合ってくれということはお願いした。すぐその行動をしたのか、その後の無線は取り合えてない」

そして、午後1時18分の118番通報を最後に『KAZU1』との連絡が途絶えました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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