一時20年ぶり1ドル131円台に…止まらない円安、「介入」「利上げ」は?政府・日銀に打つ手はあるのか|TBS NEWS DIG
28日、20年ぶりに一時、1ドル=131円台まで進んだ円相場。企業や消費の現場が苦しむなか政府・日銀に次の一手はあるのでしょうか?
ゴールデンウィークの初日。海外に向かう人たちからは急速に進む円安を嘆く声が聞かれました。
アメリカへ旅行に行く人
「もうこれだけ円が安くなると海外行って買い物するというふうな気分にはならないですけども」
「もうちょっと円が高いときに(旅行に)行きたかったかなっていう気持ちが正直なところ」
28日、外国為替市場で一時、1ドル=131円台をつけた円相場。29日夕方は130円を挟んだ取引が続いていますが、その負担は家計や中小企業に重くのしかかっています。
自動車部品などを作っている都内の工場です。新型コロナなどの影響で原料のプラスチック樹脂の価格が高騰するなか、円安が追い打ちをかけました。
日進工業 竹元盛也社長
「(円安で)材料は確実に値上がりしますね。輸入するものに限って言えば、円高のほうが当然いいわけですよ」
今後の経営への影響を心配します。
日進工業 竹元盛也社長
「(円安は)現状では悪い影響ですね。利益を圧縮されるということにほかならない」
企業を追い込む円安。背景にあるのが、日本とアメリカの金利の差です。アメリカでは物価の高騰を抑えるための利上げによって長期金利が上昇。
一方、日本では・・・
日本銀行 黒田東彦総裁
「粘り強く金融緩和を続けることによって、経済の回復を助けると」
日銀は大規模な金融緩和策を維持することを決定。金利を低く抑えようという姿勢を鮮明にしました。こうしたことから、投資家の間では金利の低い円を売り、高い利回りが見込めるドルを買う動きが続いているのです。
柳井正会長兼社長
「円安のメリットは全くありません」
経済界からも円安への懸念の声があがるなか、次に打つ手はあるのでしょうか?
政府・日銀ができることの1つに、政府が持つドルを売り、円を買い支える「為替介入」があります。しかし、介入で一時的に円高になっても日米の金利の差が大きい限り、円売りドル買いの傾向は変わらず、効果は限定的だと見られています。
そして、次の選択肢が金利差を抑えるために日銀が「利上げに踏み切る」というものです。ただ、これも企業の業績や家計を圧迫し、景気を冷やすなどの恐れがあるため、簡単には踏み切れないとみられています。
外為どっとコム総研 中村勉調査員
「基本的には円安の流れは変わらないと思います。135円をまず目指して、その上140円という水準がわかりやすい目安かと思います」
打つ手がみえない円安。政府・日銀の難しい舵取りが続きます。
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