説明会に姿なく・・・家族からは怒号も あす社長が会見へ 知床観光船事故(2022年4月26日)
北海道斜里町のウトロ漁港を出発した観光船『KAZU I』の連絡が途絶えて4日目。26日に、新たに発見された人はいませんでした。今のところ、乗員乗客26人のうち、11人が見つかっていますが、全員亡くなっています。
最後に連絡があったとみられる、カシュニの滝の沖合の水深30メートル付近で、捜索に参加する知床丸の魚群探知機に、船体らしき影が映りました。
午後0時半ごろから潜水士が潜りましたが、船体は確認できませんでした。捜索に関わった複数の関係者は「岩だった」と明らかにしてします。一方、他の漁船は、救命胴衣などを回収しました。
捜索に出た漁船の船員:「(Q.何個ぐらい発見した?)救命胴衣が5つあったかな。リュックが2つ、靴が1つ(Q.まとまったところに?)いや点々として」
リュックの中にはお菓子や絵本が入っていたといいます。
捜索に出た漁船の船員:「(Q.救命胴衣はどんな感じ?)オレンジと黄色、子ども用のもあった。『KAZU I』と書いてあるものは『KAZU I』のもので間違いないけど、黄色いものは何も書いていない。場所は知床岬から(事故)現場のカシュニの滝の間。きょうはダイバーを使って、全部陸を歩いてぐるっと回った。(Q.陸の上で見つけた?)そうです。海の上ではない」
天候が悪化したため、26日の捜索は午後で打ち切られました。
捜索に出た漁船の船員:「(Q.明日からの態勢は?)明日からも行きたいんですけど、シケで2~3日は出られないんじゃないか。1人でもあげたいというのが本当の気持ちですよ」
27日は、北海道の北にある低気圧が台風並みに発達して、海上で暴風と高波が予想されます。南寄りの風が、昼ごろには西寄りの風に変わって、午後以降は、さらに風が強まり、波も高くなる恐れがあります。
『KAZUI』の運航会社『知床遊覧船』と同じ観光ルートで営業している地元の社長は、事故の起きた当日、『KAZU I』の豊田船長と話をしていました。
クルーズFOX・渡部健太郎社長:「朝、豊田船長と話して、午後はもう完全に波が出る予報になっていたので、午後2時に運航予定の便があったので『それは完全にダメですね』と話したら、豊田船長の反応があまりなかった。天気予報を見てないという感じは受けた」
豊田船長の操船技術については、こんな場面を目撃していました。
クルーズFOX・渡部健太郎社長:「他の人たちは危ない場面を目撃してる。自分が見たのは、定置網に突っ込む方向で行ってる場面を目撃して、1回指摘したことがあった。定位置にあるので“定置網”なので、GPSを見てればその場所は分かる。それを把握してない感じはあったので、岩とかの場所も把握してない可能性がある」
また、こういった指摘もあります。
地元の漁師:「無線のアンテナが折れているのが分かるかな。テレビのアンテナの右側。(Q.本来はあれの何倍くらいの高さ?)2倍~3倍くらいは高い。(Q.海に出るものとして考えられない?)考えられない。ずさんだなと」
『知床遊覧船』の桂田精一社長に対しては、家族から「納得する説明をしてほしい」との声が上がっています。
渡辺猛之国交副大臣:「きょう実は、ご家族の皆さんからの意見の中でも一番強かったのが、運航会社の代表が出てきて、しかるべき説明を聞かせてという本当に強い要望があった」
斜里町・馬場隆町長:「用意が整っていないというか、いま時間を頂いていると。そんな悠長なことを言っている場合じゃないんだぞと」
26日も3回、説明会が開かれました。1回目は、桂田社長が説明しましたが、電話のスピーカー越しでした。家族からは「資料もなく不十分だ」と怒号が上がったといいます。残る2回、桂田社長は参加しませんでした。家族から、きちんと説明してほしいとの要望が強く、桂田社長は、27日午後1時半から経緯などについて説明し、午後3時半からは記者会見を行う予定です。
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