「ロシア軍が白リン弾使用」苦境続く製鉄所の抵抗軍 離れた家族悲痛 (2022年5月16日)

「ロシア軍が白リン弾使用」苦境続く製鉄所の抵抗軍 離れた家族悲痛 (2022年5月16日)

「ロシア軍が白リン弾使用」苦境続く製鉄所の抵抗軍 離れた家族悲痛 (2022年5月16日)

 製鉄所に降り注ぐ花火のような物体を捉えた映像です。マリウポリの市長顧問は「ロシア軍が焼夷(しょうい)弾か白リン弾を使用した」と発表しました。燃焼温度は2000度を超え、人体に大やけどを負わせることから「地獄が地上に降りてきた」などと伝えています。

 “ロシア苦戦”の情報は、相次いでいます。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシアは侵攻が行き詰まりを見せていることをまだ認めようとしない。作戦はすでに失敗している」

 イギリス国防省も、ロシアが地上戦力の3分の1を喪失した可能性が高いと分析しています。

 雨のように降り注ぎ、舞い落ちた瞬間、不気味に光る火花。

 その、行き詰まりを打破する狙いなのでしょうか。

 ロシア軍が新たな兵器を投入したと伝えています。

 マリウポリ市長顧問:「ロシアは、マリウポリに対してきのう初めて焼夷弾もしくは白リン弾を使用した。燃焼温度は、約2000から2500度となり消し止めるのはほぼ不可能だ。地獄が地上に降りてきた」

 専門家は、殺傷能力の高い、焼夷弾の一部ではないかと指摘します。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「消火が難しい、温度が非常に高い。そういう意味で殺傷能力が高い兵器。地下を攻撃する前に地上の建物が邪魔で、地上の建物を少しずつ壊していくために高温の焼夷弾を使ったのでは」

 依然、進展を見せていないのが、そのアゾフスタリ製鉄所です。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「アゾフスタリ製鉄所の人々の救出に向けた複雑で緻密(ちみつ)な交渉は続いている」

 「一刻の猶予もない」状況・・・。立ち上がった人々がいます。

 ウクライナ、アゾフ大隊兵士の家族:「アゾフスタリを救え!」

 製鉄所に今も残される兵士たち。その家族らが、首都キーウでデモを行いました。

 ウクライナ、アゾフ大隊兵士の家族:「ミサイルが飛んでいるし、爆撃が恐ろしい。私たちの兵士を救って下さい。お願いします」

 夫が製鉄所に残る妻。こんな人物にも、救いを求めていました。

 アゾフスタリ製鉄所に夫が残る、ナタリアさん:「中国の習近平国家主席に頼みたいことがあります」

 アゾフスタリ製鉄所に夫がいるという女性に、話を聞くことができました。

 アゾフスタリ製鉄所に夫が残る、ナタリアさん:「夫は、20キロくらい痩せてしまいました。もう泣けない、涙も出ません」

 4月に製鉄所で結婚したナタリアさん。

 製鉄所に残る夫・ボグダンさん31歳。1カ月余りで20キロ痩せ、目は落ちくぼんだようにも見えます。

 アゾフスタリ製鉄所に夫が残る、ナタリアさん:「手や足を失って痛み止めをもらえない彼らは、地下で爆弾を投下されています。ロシアは、あらゆる武器を使用しています。夫は毎回『さようなら』だと告げながらメッセージを書いています」

 その悲痛なやりとりを、SNSで公開しています。

 夫・ボグダンさん:「兵士はおなかの傷で死んでいる」

 妻・ナタリアさん:「ひどい」

 夫・ボグダンさん:「もう自決を命じてほしい。もう終わりだ」

 妻・ナタリアさん:「終わりじゃない。戻って2人の子どもを作りましょう」

 この今月7日のやりとりを最後に、夫とは連絡が取れていません。

 ナタリアさんは、声を上げました。

 アゾフスタリ製鉄所に夫が残る、ナタリアさん:「中国の習近平国家主席に頼みたいことがあります。マリウポリを守っている兵士の救出に協力を」

 中国に、兵士の救出を要請。そしてトルコに行くことも決めました。

 アゾフスタリ製鉄所に夫が残る、ナタリアさん:「トルコのイスタンブールに行き大統領に解決をお願いしに行きます。日本の外交官も交渉に参加し、兵士の命を救うために協力して下さい。世界がこの件に対し沈黙していることが理解できません。もう考えている時間はないんです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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