「いちょう並木」どうなる?神宮外苑“1000本伐採”計画・・・「再開発」見直し意見相次ぐ(2022年4月20日)
「いちょう並木」で有名な明治神宮外苑。今、外苑にある樹木およそ1000本が、伐採される可能性があるといます。一体、何が起きているのでしょうか?
■さらなるスポーツ拠点に「再開発計画」
まるで、絵画のような風景。秋になると、見事な黄色いじゅうたんを目当てに、多くの人々が訪れる、明治神宮外苑です。
20代女性:「(Q.神宮外苑の景色は好きですか?)そうですね。都会であんまり、こんなに緑が多い所も少ないので」
大学生(19):「癒やしだね」
大学生(18):「癒やしを求めて(来ました)」
新宿区・港区・渋谷区の3つの区にまたがる、広大な公園は、1926年に完成しました。
緑の森に、国立競技場や神宮球場など、スポーツ施設が集まる憩いの場として歴史を重ねてきました。その神宮外苑で、「再開発計画」が予定されています。
東京都は、神宮外苑をさらなるスポーツの拠点とするため、再開発を計画。老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場は、場所を移して建て替えるほか、ホテルや高さ190メートルの高層ビルなど、商業施設も建設する予定です。
■「暴挙と言わざるを得ない」見直し求め
この計画を巡り、利用者などからは、批判の声が上がっています。
東京都によると、建て替え工事の際、樹木およそ1000本を伐採したり、移植したりする必要があるといいます。
15日、東京都は、この再開発計画について、都民の意見を聞く場を設けました。
都民の意思を聴く会・公述人:「樹木を生き物として見てない事務的な判断によって、樹齢100年を超える木々を1000本近く伐採するのは、暴挙と言わざるを得ません」
参加者からは、計画の見直しを求める意見が相次いだのです。
インターネット上で、計画の見直しを求める署名サイトには、20日未明の時点で、5万8000件を超える署名が集まっています。
■新国立競技場できる前 明治公園は・・・
今回の計画に対し、慎重論を唱えている中央大学の石川幹子教授と、神宮外苑を巡ってみました。
再開発計画では、300メートルにわたって続く、有名な4列のいちょう並木は、保存されるといいます。
しかし、秩父宮ラグビー場に向かって並ぶ、いちょう並木は、どうなるのでしょうか?
中央大学研究開発機構・石川幹子教授:「(Q.この辺りも、いちょうの木が並んでいるが?)計画では、(今、私たちが立っている)ここに野球場が建ちますので。要するに、いちょうは、どこか行かなくちゃいけないんです」「(Q.このいちょうの木、無くなってしまうのか?)移植を検討するというふうに、おっしゃってますが・・・」
木々の移植作業についても、次のように話します。
石川幹子教授:「新国立競技場ができる前の明治公園には、約1750本の木があったのですが、(建て替え当時)こういう美しい形で、移植されて戻ってきた木は、3本だけ。“電信柱”というのは例えが恐縮ではございますけれども、枝を切り落として、持ってくるわけです」
■東京都「極力保存か移植し事業進める」
神宮外苑を訪れていた人たちは、次のように話します。
20代女性:「この辺、きれいになって、整備もされて、スポーツも活気がまた出てくるのかなというのもあるので」
40代女性:「いちょうの色の移り具合で、いつも季節を感じていたので。これが無くなるのは、大反対です」
東京都は、計画の見直しを求める声を、どのように受け止めているのでしょうか?
東京都・担当者からの回答:「様々な方からの意見は、貴重なものとして受け止めている。事業者からは、一本一本の樹木を大切に扱い、樹木医の意見も聞きながら、樹木の状態など詳細な調査を行い、極力保存、または移植し、事業を進めると聞いている」
(「グッド!モーニング」2022年4月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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