キーウ州の遺体、うち40人は子ども。相次ぐロシアの民間人殺害

キーウ州の遺体、うち40人は子ども。相次ぐロシアの民間人殺害

キーウ州の遺体、うち40人は子ども。相次ぐロシアの民間人殺害

ロシア軍によるとみられる、民間人殺害が相次いで明らかになっています。ウクライナ側の説明によると、キーウ州では650人の遺体が見つかっていて、そのうち40人は子どもだそうです。他に、避難中に数百人がロシア軍から砲撃を受けたという情報もあります。こうした事に関連し、ドイツメディアはドイツの情報当局が「民間人殺害に関するロシア軍のやりとり」を傍受したとしています。そこには、ロシア軍による民間人殺害の新たな証拠となるような音声が含まれているそうです。ロシア軍の残虐な行為はいつまで続くのでしょうか?専門家にききました。

■ウクライナ侵攻の現状

熊崎風斗キャスター:
首都キーウの周りにはウクライナ軍が反撃したと主張する地域が多いです。
ロシア軍は現在完全撤退しているということで、再び攻撃が始まる可能性は低いとアメリカの戦争研究所は発表しています。ただ、この撤退した軍というのは東部のドンバス地方に再配置される可能性があるということです。

ウクライナの検事総長
「キーウ州では650人の遺体が見つかっている。そのうち40人は子ども」
という発表もしています。

国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、3月6日キーウへ避難中の民間人数百人がロシア軍から砲撃を受け、死者8人、子ども2人が含まれていたという発表もしました。

そして、マリウポリです。
ロシア軍が包囲しています。戦争研究所の発表によれば、今後数日で占拠完了の可能性もあるということです。

マリウポリの市長
「少なくとも5000人が犠牲になり、そのうち約210人が子ども」
という発表もしています。

■ロシア軍 民間人殺害の証拠?

こういったウクライナ側の発表に対してロシア側としては、あくまでウクライナのフェイクニュースだという姿勢は崩していないわけですが、ブルームバーグによりますと、ドイツの有力誌「シュピーゲル」はドイツの情報当局がキーウ近郊での民間人殺害についてロシア軍のやりとりを傍受したと報道しました。その内容です。

▼自転車に乗っていた人を撃ったことについての会話
これについては報道されている遺体と状況が合致しています。
▼「その場にいる民間人はまず尋問し、その後銃撃すべき」と話す声

こういった内容が傍受されたということです。

民間人殺害の新たな証拠となる可能性も指摘されています。

■「嘘が明らかになっていっても、嘘をつき続けると思います」

ホラン千秋キャスター:
こういった無線で傍受された内容などが出てきたとしても、まだロシアは「いや私たちはやっていない」というふうに否定を続けるのでしょうか?

慶應義塾大学 総合政策学部 廣瀬陽子教授:
否定を続けないとロシアは戦闘を続けられないはずです。ですので、もう明らかに嘘ということが国際的にばれてしまっていても、そして今後調査によってさらにその嘘が明らかになっていっても嘘をつき続けると思います。

ホランキャスター:
それはなぜなのでしょうか?

廣瀬教授:
それはやはりこの戦闘の目的を達成していくためでして、やはり最低でも東部2州を解放する、そのためには何が何でも戦闘を続ける。そしてウクライナに勝つというところを目指しているというふうに考えられます。

ホランキャスター:
それが達成されるまでは、停戦、あるいは何かしら停戦に向けた進展というのは、期待できないのでしょうか?

廣瀬教授:
なかなか難しいですね。ここはもうプーチン大統領も命をかけて始めている戦闘なので、やはりそれなりの成果が出ない限りは、この戦闘を停められないと思います。

井上貴博キャスター:
その命がけのことがすごく身勝手だと感じますけど、少し思い返してみますと約1か月前の報道で「ロシア兵の士気が下がってきている。民間人に手を下すというのは聞いてない。なんだこれは」というロシア兵の声が多く報道されていました。今まったくありません。そういった躊躇はなくなったと考えるべきなのですか、ロシア兵は。

廣瀬教授:
2つの問題があると思います。まずこの虐殺が組織的に行われているということです。その目的ですが、まずウクライナ人に対して脅迫をして戦意を喪失させるというようなことです。もう1つは非常に嫌な言葉を使わざるを得ないのですが”民族浄化”ということも念頭に置いてやっていまして、そのために組織的に人を殺害したり、またレイプをしたりということをやっているということもあります。

他方で非常に今回若くて、まだ鍛錬のされていない徴兵された兵隊が投入されているということもありまして、そういう若い兵隊というのは「とにかく怖い」ということから動くものは何でも撃つ、人はおろか、猫や犬まで撃ち抜くというようなことで戦闘しているということがあります。そういうようなさまざまなことが相まって躊躇なき残虐行為というところに繋がっていると思われます。

■日本 ロシアへの新たな制裁

熊崎キャスター:
岸田総理の会見の内容を見ていきます。
・ロシアからの石炭の輸入禁止を段階的に行う
・ロシアからの輸入禁止措置の導入、機械類、木材、ウォッカなど
・ロシアへの新規投資の禁止
・ロシア最大手銀行の資産凍結
・資産凍結対象の拡大

■対ロシア“石炭”制裁

熊崎キャスター:
EU(ヨーロッパ連合)と比べていきます。
まずEUですが、ロシアからの石炭輸入禁止で合意をしています。”エネルギー産業としては初の制裁”。日本は石炭輸入を段階的に減らすということが、岸田総理の声からもありました。ロシアに代わる調達先を確保するという状況です。

そして、日本の制裁に対しロシア側です。

ロシア外務省 ザハロワ報道官
「長年にわたって築いた両国間の協力関係を破壊している。日本は外国からの指示に従っているだけ。さらなる対抗措置を取る」

具体的な内容は明らかにしていませんが、このような発言がロシア側から出ています。

■日本に対して”かなり厳しい報復措置を取ってくる可能性”がある

ホランキャスター:
さまざまな制裁を加えていったり、ウクライナ側に国際社会が武器を提供していったりということをどんどん広げていきますと、ロシア側としてはそういうことをするのであれば攻撃対象を拡大していきますという選択を取ることはありうるのでしょうか?

廣瀬教授:
可能性としては否定できません。特に今回の一連の戦闘というのは、もちろんウクライナとロシアの間の戦争であるわけですが、確実にロシアはウクライナの後ろに欧米を見ていまして、特に欧米のウクライナに対する軍事的な供与などは欧米のロシアに対する宣戦布告というふうに見ている要素があります。特にNATOに加盟をしていない国などに対してスピルオーバーのような形で戦闘を広げていくという可能性もありますし、そうなっていきますと非常に考えたくないですが、限定的な戦術核の利用ですとか、生物・化学兵器の利用というところまでちょっと踏み込んで考えていく必要もあると思います。

ホランキャスター:
そこには至って欲しくないという思いがあるわけですけれど、制裁を新たに発表した日本に対して報復措置などロシアは考えてくるのでしょうか?

廣瀬教授:
当然考えてくると思います。特に日本の場合は日米同盟ということで、日本の後ろにアメリカを見ているということがありますので、かなり厳しい報復措置を取ってくる可能性はあります。例えば外交官追放であるとか、これまでの経済活動を中止するというようなことは簡単にやってくると思いますし、また北方領土問題についてはもう既に進展させないということを発表しておりますけれども、これまで日本が投資してきた事業などから日本を締め出すであるとか、また日本に対してのエネルギー供与を行わないなどのさまざまな報復措置が考えられると思います。

井上キャスター:
あくまでもゼレンスキー大統領は経済制裁甘すぎるということで声を上げていますから、その中でエネルギーまで踏み込めるのか。世界中が石油も禁止する、輸入しないというところまで踏み込めるのか。そういったことになるのかもしれません。

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