小学生の15人に1人「ヤングケアラー」 孤立する子どもの支援への課題は

小学生の15人に1人「ヤングケアラー」 孤立する子どもの支援への課題は

小学生の15人に1人「ヤングケアラー」 孤立する子どもの支援への課題は

家族の世話や介護などをする「ヤングケアラー」と呼ばれている子どもが小学生6年生のおよそ15人に1人いることが厚生労働省の実態調査でわかりました。支援団体はなかなか声を上げられずに孤立する子どもたちへの支援の強化を訴えています。

東京都内に住む金子萌さん(27)。17歳のころから父親の光寿さん(54)の介護をしています。介護を始めたのは、光寿さんが認知症などを患い、身体が不自由になったことがきっかけでした。

当時、大学への進学を控えていた金子さんは、受験勉強と並行しながら光寿さんのケアをしていたといいます。

金子萌さん
「塾に行ったり勉強しつつも父の病院に付き添ったりだとか、制度の申請だったりとか。症状の介護はもちろんですが、そこに付随する様々な困難が大変でした」

大学生になったころには光寿さんの症状はさらに悪化し、学業の傍ら、介護とアルバイトで家族を支えていました。

金子萌さん
「友達とかには同じような状況の人もいないので誰にも言えずにずっといました。もちろん学校の先生にも言ってないですし、言ってもどうするのというか、言っても仕方ないという」

金子さんのように家族の世話や介護などをする子どもたちは「ヤングケアラー」と呼ばれています。

厚労省がきょう公表したヤングケアラーの実態調査では、「世話をしている家族がいる」と答えた子どもの割合は小学生6年生の6.5%、およそ15人に1人に上りました。

また、そのうちの半数以上が家族の世話などを「ほぼ毎日している」と答えたうえに、「誰かに相談したことがない」と答えたのは7割を超えていました。

ヤングケアラーの支援団体は金子さんのように相談先がわからない子どもや、親に気を遣って声を上げられない子どもたちの孤立を防ぐ支援の必要性を指摘しています。

一般社団法人ヤングケアラー協会 宮崎成悟代表理事
「幼いケースの場合、なかなか自分でアラートを出すことができない。各地方自治体が相談窓口を徐々に設けてきているので、そこと子どもたちが繋がるような仕組みをちゃんと作っていかなきゃいけない」

声を上げられない子どもたちに周りの大人が気づき、どう対応することができるのか。国や自治体、教育現場などを巻き込み、子どもたちが出すわずかなサインも見逃さない仕組み作りが求められます。
(07日16:42)

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