「虐殺は捏造」 ロシア主張の矛盾と覆す“証拠” ※動画視聴の際はご注意ください(2022年4月5日)
ブチャでの民間人虐殺について、ロシア側は「欧米諸国によるフェイクニュースだ」としたうえで、映像は捏造（ねつぞう）だと一方的な主張を続けています。ところがブチャがロシアの支配下にあった3月18日に撮影された衛星画像には、すでに遺体とみられる影が映っていることが分かりました。こうした数々の証拠から、ロシア側の主張の矛盾が浮き彫りになっています。
道路に打ち捨てられた民間人の遺体。世界中に衝撃を与えたこの映像に、ロシア側は・・・。
ロシア、ラブロフ外相：「キーウ州ブチャで行われたのはフェイクニュース攻撃だ」
「作り話だ」と否定するラブロフ外相。ロシア側は、これらの遺体について先月末にロシア軍が完全撤退した後に路上に置かれたものだと主張しています。
現地で取材したCNNの記者は・・・。
取材したジャーナリスト：「憤りを覚えた。通りで市民の遺体を目の当たりにした。ラブロフ外相の発言は真っ赤な嘘だ」
こうしたなか、ロシア側の主張を覆す分析結果が・・・。
ニューヨーク・タイムズは「衛星画像」から「ロシア軍が撤退する前から遺体があったことが分かる」としています。
今月2日に撮影された複数の遺体が放置されていた道路。
ニューヨーク・タイムズによりますと、ここはブチャの「ヤブルンスカ通り」で、これをマクサー社が公開した衛星画像から分析すると、ロシア軍がいた先月19日に複数の遺体が見えます・・・。
ニューヨーク・タイムズはロシアが占領した先月11日以降、少なくとも11体がこの通りにあったとしています。
この画像を青山学院大学の古橋大地教授に見てもらうと・・・。
青山学院大学・古橋大地教授：「ブチャの通りに、ご遺体と思われる黒い影が道路沿いに並んでいると確認できる」
また、別の映像では黒とシルバーの2台の車の近くに遺体が放置されています。
これも衛星で見ると、2台の車、そして遺体とみられる黒い影が・・・。この遺体についてもニューヨーク・タイムズは、ロシア軍が撤退する前の先月20日から21日の間に遺体が出現したと、ロシアの主張を否定しています。
ブチャから次々と届く凄惨な映像にロシア国防省は・・・。
ロシア国防省テレグラム：「遺体の手が動いている。バックミラーに見える遺体が起き上がる」
遺体はドラマチックな映像を作るために配置されているとしています。
これについて、報道報調査機関のベリングキャットは「スローにすると、画面上に点か雨粒があり、死体が動いているように見えるだけだ」と、こちらもロシアの言い分を否定しています。
また、衛星画像から街の教会の近くに遺体を埋める溝ができていたことが分かりました。
青山学院大学・古橋大地教授：「今、北が上になっているんですが、ちょうど教会の南のところ」
先月31日の画像には溝がありますが、10日までさかのぼると・・・。
青山学院大学・古橋大地教授：「3月10日に溝はない。数日後ぐらいに掘られているのではないかと想像。21日時点でもう掘られた跡がありますのでその前というような形」
CNNは激しい戦いがあり、少なくとも150人の遺体が埋められたと報道しています。
ロシア軍に夫を殺されたというブチャの女性は・・・。
夫を殺された女性：「すべての妻と母のために地球を平和にして下さい。そうすれば誰もウクライナ人もロシア人も地球上の誰も二度と悲しむことはありません。私は生きたい。皆生きたいだけなのです」
現地から届く悲痛な声。
ジャーナリスト：「大切な人たちをロシア軍によって殺された彼らの声が偽物だと思いますか」
ロシア、ネベンジャ国連大使：「ブチャの映像が演出であることは間違いありません。あす安保理で発言する際にはさらに多くの証拠を提示する予定です」
一方、ウクライナ側もブチャで民間人を虐殺した「犯人の特定」に動いています。
ウクライナ、フェドロフ副首相：「ロシア特殊部隊の将校を紹介します。彼はブチャ、イルピン、ホストメリで市民を殺害し強盗を働いた」
ウクライナのフェドロフ副首相は、ネット上でブチャの住民を殺害した人物の画像投稿を呼び掛けています。
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
