高まる警戒・・・京都で“市中感染”大阪の男児も(2021年12月23日)
大阪府は、10歳未満の小学生の男児が、オミクロン株に感染していることを明らかにしました。この男児のほかに、同じ学校に通う3人にも新型コロナウイルスの陽性反応が出ました。3人については、現在、オミクロン株かどうかの解析が行われています。
さらに、京都府でもオミクロン株の市中感染が確認されました。感染が確認されたのは、20代の女性です。19日に発熱などの症状が出たため、病院に行ったところ、新型コロナに感染していることが判明しました。それが23日、感染していたのはオミクロン株だったことがわかったということです。
西脇知事:「いずれ感染者が出ることは、十分認識していたが、今回、ゲノム解析で、オミクロン株感染者が出たことは、非常に重く受け止めている」
いま、急務なのは検査体制の強化です。
岸田総理:「オミクロン株の市中感染が確認された大阪・京都、米軍基地が集団感染が発生した沖縄では不安が広がっている。オミクロン株の封じ込め対策が必要な地域については、不安のあるすべての方への無料検査を実施する」
オミクロン株の市中感染が確認された大阪・京都や、感染者が見つかっている沖縄で、希望者全員がPCR検査か、抗原検査を無料で受けられるようにするそうです。
大阪では24日から薬局や民間の検査機関など、100カ所以上で無料の検査が可能となります。沖縄でも全県民を対象とした無料の検査体制が調整されていますが、観光客などもそこに含めるかは、
これから詰めるということです。
政府分科会の尾身会長は、オミクロン株に関しては、次の段階に来ているとの認識を示しました。
政府分科会・尾身会長:「今のところ、国内でオミクロン株が面的に広がっているとは考えていないが、複数のスポットで、すでに感染が始まっていると考えている」
東京都が23日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は37人で、先週の同じ曜日より7人増えました。
東京都は23日、感染状況を分析する会議を開き、新規感染者数を『増加傾向』と判断しました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師:「一番懸念するのは、新規の変異株であるオミクロン」
先週80人だった入院患者は、155人に増加。ほぼ倍増です。専門家からは、今月に入り“夜の街”に繰り出す人が、大きく増えていることへの懸念も示されました。
東京都医師会・猪口正孝副会長:「(夜の人出が)新型コロナ流行後の最高水準の付近を推移し続けている状況。長時間、大人数、マスク無しでの会食を出来る限り避けることも重要」
東京都内の中学校では、第6波に備えた新たな取り組みが行われています。教員のパソコン画面に表示されているのは、生徒の欠席や体調に関する情報。保護者がスマートフォンのアプリなどで、子どもの症状や体温などを入力すると、そのまま画面に反映される仕組みです。こうした情報は、教育委員会や保健所にも速やかに共有されます。連携して、いち早く対策を取ることで、学校での感染拡大を防ぐ狙いです。
本所中学校・椎野要副校長:「陽性の生徒がいた場合でも、速やかに保健所や教育委員会と情報を共有し、今まで以上に感染症対策をするとともに、アプリを有効に活用しながら、予兆があった場合には速やかに対応していきたい」
万が一、第6波が来たとしても、第5波のときのような事態を起こさないための備えも進んでいます。医療用の酸素ガスを製造する会社では、第5波の際、酸素はあっても、それを詰めるためのボンベが足りない状況に陥りました。会社の前には酸素ボンベを求める消防の車両が列を作ったといいます。
千代田メディカルガスセンター・板井成美センター長:「8月の緊急事態のときには、当日詰めたのは全部配達で残っているのはないが、今は若干緩和されて、第5波のときの余裕をみて容器も増やした。トータルでは200本~250本ぐらい増やした」
また、ボンベに酸素を充填する作業は、密閉した室内で行うことが法律で定められています。
千代田メディカルガスセンター・板井成美センター長:「感染者が出ると濃厚接触者になるので、14日間動けない。これだけの本数やっているところは他にないので、再委託がかけられない。2班に分けて、コロナに片一方がかかっても、片一方が動けるようにはしている」
病床の確保も着々と進んでいます。千葉銀行の研修用スペースとして使われていた場所では、今、臨時医療施設としての稼働の準備が進められています。ここでは、基礎疾患を持つ軽症患者など、重症化のリスクが高い人向けに110床を用意。研修室だった場所にベッドや医療機器が並びます。
千葉県健康福祉政策課・飯田卓也主幹:「病床がひっ迫してからでは遅いと思っている。やはり重症化を防ぐということは、患者の健康を守ることもあるが、重症化を減らすことで、結果的に病床を使わなくなる。病床ひっぱくを未然に防ぐということも狙いとして考えている」
第5波では、自宅療養していた軽症の人が、突然、重症化し、そのまま自宅で亡くなるといった事例も相次ぎました。その反省も生かしたプレハブのような建物もがあります。
千葉県健康福祉政策課・飯田卓也主幹:「宿泊療養施設という目的で、軽症患者を中心に一週間程度、療養で入っていただく施設。看護師が24時間常駐しているので、経過観察の下で療養してもらう」
ただ、最も大切なことは、こうした施設が使われずにすむことです。尾身会長は、感染者の増加傾向を踏まえ、こう警鐘を鳴らしています。
政府分科会・尾身会長:「(感染者の)波の上がりよう。もうここまで来ると、これを止めることは、なかなか難しいと思う。この1週間、10日が非常に重要な時期になる。帰省や旅行は、慎重に検討していただければと思う」
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