【解説】オミクロン株”後遺症”の相談増加…「脱毛」などの割合は減少 これまでとの違いは?
新型コロナウイルスのオミクロン株の影響で今、後遺症に悩む人が増えています。そんな中、27日はまん延防止等重点措置が全面的に解除されてから初めての日曜日でした。東京の桜が満開を迎えたこともあり、人出が増えたところもあったようです。
■春休み、花見シーズン 各地で人出が増える
27日午後3時台の人出を1週間前の20日と比べてみると、桜の名所ではかなり増えました。上野公園ではプラス56.9%、目黒川桜並木でプラス73.8%となりました。
また、春休みシーズンということで、羽田空港でも人出が増えていました。羽田空港国内線ターミナル駅では、前の週と比べて16.7%増加しました。航空会社の予約件数は、去年の同じ時期と比べて、日本航空が約1.5倍、全日空が約1.4倍と、どちらも増加しています。
旅行や帰省をする人が増えたこともあり、品川駅、東京駅でも人出が増えている一方、新宿や渋谷などの繁華街では、減少したところもありました。
こうした中、感染者数に変化はあったのでしょうか。
27日の都内の新たな感染者は7844人で、1週間前の20日から1342人増加しました。
年代別でみてみると、幼稚園や保育園での感染も多いことから、10歳未満が全体の19%と1番多くなりました。10代は16%、20代は18%、30代は16%、40代は17%と活動的な世代はみんな同じような割合で満遍なく多くなっています。
都の担当者は、「“まん延防止”が解除になってどうなるか、見守る必要がある」とした上で、「花見や歓送迎会などで感染リスクが高まる時期なので、改めて密になる場所、時間帯を避けることを意識してほしい」と呼びかけています。
■オミクロン株の後遺症 これまでとの違いは?
NNNのまとめでは、これまでに新型コロナに感染した人は638万2412人でした。これを人口で割ると約5%で、20人に1人が感染していることになります。
今主流のオミクロン株はデルタ株の時と比べると、重症化率は低いですが、気になるのは後遺症です。
東京・渋谷の「ヒラハタクリニック」では、2020年10月に新型コロナの後遺症外来を開設し、今月下旬までに約3700人を診察してきました。先月中旬から、オミクロン株とみられる患者の数が増え始めたということです。このうち、1月から今月21日に後遺症があった人は199人で、女性が133人、男性が66人で、女性が約2倍となっています。
後遺症について聞いたところ「倦怠感」が94.9%、「頭痛」が80.2%、「咳」が70.2%で、これまでと比較すると、「倦怠感」(以前は93.1%)と「頭痛」(以前は79.8%)は微増。「咳の症状」は、これまでは56.9%だったにもかかわらず、70.2%と割合が増加しています。
一方、これまで後遺症で多いとされていた「嗅覚」や「味覚の障害」、「脱毛」などはオミクロン株では割合が減っています。
・「味覚障害」36.4%(以前は50.7%)
・「嗅覚障害」34.3%(以前は57.6%)
・「脱毛」24.7%(以前は54.7%)
さらに、後遺症で「寝たきりとなった」「寝たきりに近い状態」の患者は76人と約4割にのぼるということです。
ヒラハタクリニック・平畑光一院長は「コロナで寝たきりなどになるケースは、ほとんどが発症から2か月以内。発症から2か月は“病み上がり期間”として、自分でも疲れやだるさを感じることはしないように徹底しましょう。周りも無理をさせないように、配慮が必要」と話していました。
東京都でも新型コロナの後遺症について周知するため、案内をまとめています。案内によると、後遺症の原因は明確になっていません。また、後遺症の治療には長時間かかる場合もあり、感染から1年経過後も症状がみられる場合があるということです。後遺症かなと思ったら、かかりつけ医や保健所などに相談してほしいということです。
後遺症が出るかどうかは、新型コロナに感染した時の症状が軽い、重いに関係ありません。感染した時に軽かったからといって、後遺症は出ないだろうと甘くみてはいけません。そして、感染した人が療養から回復した後も無理をしないよう、周りの人も配慮してあげたいです。
(2022年3月28日放送「news every.」より)
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