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原材料価格高騰の裏で進むリサイクル事業 使用済み蓄電池から「レアメタル」抽出の新技術も
ウクライナ情勢の悪化で高騰が続く原油やレアメタルなどの原材料の価格。そんななか、少しでも安く材料を手に入れようと産業界ではリサイクルの動きが加速しています。
きょう、駅構内に設置されたのは、「リサイクル」と書かれた箱。
日用品メーカー「ユニリーバ・ジャパン」は東急電鉄と組み、きょうから使用済み容器を回収しリサイクルする実証実験をはじめました。
対象はユニリーバ製品のプスチック容器。メーカーには欠かせない「容器」が危機に直面しているのです。
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング 繁田知延さん
「プラ容器に関しては原油の高騰により価格が上がってきてしまっている」
そもそも新型コロナの影響でプラスチック容器の主な原料である原油の価格が高騰。容器製造のコストが上がりました。さらにウクライナ情勢の悪化で材料である原油の調達自体が難しくなると考えているのです。
そこで自社でプラスチック容器をリサイクルする仕組みを確立しようというのです。
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング 繁田知延さん
「資源を購入するのではなく、再利用するところで有効活用していきたい」
一方、供給不足が不安視されるのはプラスチックだけではありません。自動車やモバイル機器のバッテリーなどに欠かせない「レアメタル」も価格の高騰や品不足に陥っているのです。
こうした事態を打ち破ろうと開発を急ぐ企業がありました。
エマルションフローテクノロジーズ技術開発部 長縄弘親部長
「リチウムイオン電池の中にレアメタルがたくさん入っている。ここからニッケルとコバルトを高純度で回収する試験を行っている」
取り出しているのは、レアメタルの「ニッケル」や「コバルト」です。これらを自動車のバッテリーなどから取り出し再びバッテリーに利用する“水平リサイクル”の新技術です。
従来の手法に比べ、作業時間を10分の1に短縮し、コストを5分の1以下に抑えました。
ロシアが世界3位の生産量のニッケル。ウクライナ情勢の悪化を受け、国際指標価格は今月、およそ15年ぶりに最高値を更新しました。
そのほとんどを輸入に頼っている日本の現状について社長はこう話します。
エマルションフローテクノロジーズ 鈴木裕士社長
「国内でリサイクルによって、自給自足していくような未来につなぐというところで、できる限り早く実現できるように技術開発等を頑張っていきたい」
モノ作りの現場を襲う危機。企業の試行錯誤が続きます。
(28日15:22)
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