マリウポリ 10秒で9発“爆撃の瞬間”・・・市民3000人超死亡か チェチェン部隊も参戦【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年3月23日)
ロシア軍の包囲が続く、ウクライナ南東部の都市・マリウポリ。マリウポリではこれまで、市内にある住宅およそ8割が破壊され、3000人以上が死亡した可能性があるということです。
■マリウポリ爆撃・・・死者3000人超か
ウクライナ南東部のマリウポリで、激しく燃え上がる、炎と黒煙。22日、ウクライナ軍が公開した工業地帯を次々爆撃するロシア軍の映像です。
10秒足らずの間に、9回の爆発が確認できます。
マリウポリの街中で、ウクライナ軍が反撃する様子では、激しい銃撃戦が行われ、ロシア軍の車両を攻撃しています。
マリウポリの海をパトロールするロシア軍の船に、ウクライナ軍が砲撃する様子もあります。
攻防戦が続くなか、新たにロシア・チェチェン共和国の部隊が、この街に入ったといいます。
22日、CNNの生中継に出演したマリウポリの副市長は、次のように話します。
マリウポリ副市長:「推定インフラの9割が破壊され、3分の1はもはや補修ができません。人道支援物資が受けられないし、食料も水も電気もエネルギーの供給も止まっています。爆撃が継続的に50から100発、毎日ロシアが爆弾を投下しています」
マリウポリの人口は、およそ40万人。国際人権団体によると、これまでに3000人以上の市民が死亡した可能性があり、人口のおよそ半数にあたる20万人が市内に残されているとしています。
マリウポリからの避難者:「私たちは、マリウポリからやってきました。街はもう、90%くらいは破壊されています。家も何も残っていません」
■キエフ周辺に“複数の大砲”・・・避難へ
ウクライナ各地で戦闘が激化するなか、首都キエフに迫るロシア軍の様子が捉えられていました。
21日、キエフ中心部から約25キロの距離にある空港周辺を撮影した衛星写真では、大砲とみられるものが複数並んでいるのが確認できます。
また、キエフ中心部から南東約30キロに位置し、国内最大の国際空港があるボリスピリでは、ロシア軍の攻撃が迫ってきているとして、市長が緊急避難を呼び掛けました。
首都キエフにある集合住宅。窓ガラスはすべて割れた状態で、応急処置を施すしかありません。
住民:「ガスも暖房も電気もない。水だけ。お湯が出るか分からない。全部破壊された」
■2度目の外出禁止令・・・爆発音も
現在、キエフには、攻撃の恐れがあるとして、2度目の外出禁止令が出されています。
フォトジャーナリスト クレ・カオルさん:「先ほど、大きな爆発がありました。車のブザーなども聞こえていると思います。今、外出禁止が発令されていますから、外は歩けないんですけど、状況を確認します」
閑散としている市街地に、サイレンの音が鳴り響いています。
上空に激しく黒煙が立ち上る様子も見られます。外出禁止令が出されているなか、ロシア軍の攻撃は続いています。
キエフにとどまり、取材を続けているのが、香港のフォトジャーナリスト、クレ・カオルさんです。
クレ・カオルさん:「街には誰もいません。きょうも引き続き、ちょこちょこ爆撃音が聞こえてきます。きのうはやっぱり、買い物をする人が多かったですね。ショッピングモールが壊されて、市民たちはちょっと緊張感を持っていますね」
21日夜、爆撃されたキエフ市内のショッピングモール。クレさんが現在滞在している建物の住民が、当時の様子を語りました。
クレさんと同じマンションの住民・イリーナさん:「あまりにも音と衝撃が強かったので、その瞬間は、自分のマンションに命中したんじゃないかと思ったほどでした。ショッピングモールは、近所の人々が集う憩いの場だったので、本当に胸が痛みます」
■商業施設爆撃・・・SNS投稿で男性拘束
一夜明け、クレさんは爆撃された現場を取材。黒煙が上がり、建物は鉄筋がむき出しになるほど、破壊されています。
このショッピングモールへの攻撃を巡り、22日にウクライナ保安庁は、付近の軍用車両の様子をSNSに投稿した男性を拘束しました。
軍の情報を投稿し拘束された男性:「自分の間違いを反省して、被害に遭った皆さんに謝罪したいです。本当にすみません」
当局によると、この男性が投稿した情報を利用して、ロシア軍が攻撃を行ったということです。
これを受け、ウクライナ政府は、市民に対して、軍の情報をSNSに投稿しないよう呼び掛けています。
■ポーランド国境 避難者が抗議デモ
ウクライナから避難した人が200万人を超えた、隣国のポーランド。ベラルーシに続く国境付近で、緊迫したデモが起きました。
トラック運転手:「いい加減にしろよ。もう先週の月曜日から話し合ってきただろう。このデモの責任者は誰なんだ!」
ウクライナから避難してきた人々が、ロシアと同盟関係を結ぶベラルーシへの物流を止めるため、トラックを通さないよう抗議デモを続けています。
暴れるトラック運転手の男性を警察官が制止させようとするも抵抗。すると、催涙スプレーを掛け、地面に押さえ付け、そのまま拘束しました。
デモ参加者:「分かってほしいですが、トラック(商品)がベラルーシに入れば、そのお金がすべて私たち、ウクライナに不利になります。すべて(死者を生み出す)血になるんです。私自身は、最後までここに立ちます。最後まで」
■“アナ雪”少女 避難先で「国歌」
戦火が続くウクライナからポーランドに避難した人の中には、首都キエフの防空壕(ごう)で、ディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌を歌っている動画が話題となった、7歳のアメリア・アニソビッチちゃんがいます。
避難する人々を励ました歌声は、SNSで世界中に拡散されました。
そして、避難先のポーランドで開かれた、チャリティコンサート。数千人の観衆を前に、ウクライナ国家をアカペラで熱唱。会場に美しい歌声が響き渡ります。
会場中に歌声を届けたアメリアちゃんに、大きな拍手が巻き起こりました。
■国営テレビ“拘束女性”「私は愛国者」
世界中で反戦の動きが広がるなか、22日、マリーナ・オフシャンニコワさんが、テレビ朝日の単独インタビューに応じました。
オフシャンニコワさん:「テレビ局はきのう、私に裏切り行為があったとして非難した。“イギリスのスパイだ”と、すごくショックを受けています。だって、私は真の愛国者だから」
ロシアの国営テレビで生放送中に反戦を訴え、一時拘束された女性スタッフです。
オフシャンニコワさん:「いまだに信じられません。まさか成功するとは思わなかった。警備が厳しく、スタジオの入り口には警察官がいます。キャスターのそばには誰も近付けないんです。ディレクターに邪魔されないか心配だったけど、気が付かなかった。そして、キャスターの後ろで、プラカードを掲げました。その後、テレビ局の上層部がやってきました。最初に言われたのが『君がやったのか?』と。『そうです、私です』と答えました」
オフシャンニコワさんは、すでに辞表を提出。今後、刑事罰に問われる可能性もありますが、愛国者としてロシアにとどまり、今は裁判の準備を進めているといいます。
オフシャンニコワさん:「ロシア国民の多くは、戦争に反対していますが、デモに行くのが怖い。彼らは心の中で、この流血に反対しています。これは一人の男の戦争です。プーチンの戦争です」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年3月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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