止まらない民間人の犠牲 プーチン氏は併合正当化 首都キエフなど攻撃続く

止まらない民間人の犠牲 プーチン氏は併合正当化 首都キエフなど攻撃続く

止まらない民間人の犠牲 プーチン氏は併合正当化 首都キエフなど攻撃続く

17日のウクライナの首都キエフ。建物が激しい炎に包まれています。この火災で少なくとも1人が死亡したということです。市民が暮らす家は次々、破壊されています。ウクライナではロシア軍による攻撃で多くの民間人が犠牲になっています。

ロシア プーチン大統領
「あの選択がいかに正しく、タイムリーであったのかはこの数年で確信的に証明された」

8年前のきょう、ロシアはウクライナ南部のクリミアを一方的に併合しましたが、プーチン大統領は改めて併合を正当化しています。

こうした中・・・

アメリカ バイデン大統領
「アイルランドやイギリス、その他の国民が、ウクライナの人々に非道な戦争を行っている真の悪党で人殺しの独裁者に対して団結している」

アメリカのバイデン大統領はプーチン大統領を「人殺しの独裁者」と非難。また国連安保理の緊急会合では。

ウクライナ キスリツァ国連大使
「建物の前後の道路に大きく“子どもたち”と書かれていたのにロシア軍は爆弾を落としたのだ」

ウクライナの国連大使は空爆を受けた、市民の避難先の劇場近くの道路に「子どもたち」と大きく記されていたことに触れ「子どもが故意に標的にされている」と強く批判しました。ロシア側は攻撃対象ではないと否定しています。

何発も銃撃を受けた車。車内では、男女2人が死亡しています。

死亡した男女の友人だというタチアナさん。今月3日、ロシア軍によって制圧された街・ヘルソンに今も残る彼女がJNNの取材に応じました。ヘルソンは制圧後も砲撃などが続いているといいます。

ヘルソン在住 タチアナさん
「ちょうど砲撃が始まっていて、私たちは地下室やガレージにいるんです。降りるための穴があって隠れるのです」

さらに、テレビではロシアによるニュースしか放送されていないと話しました。

ヘルソン在住 タチアナさん
「ロシア軍はテレビを占拠して『ウクライナは降伏した。ウクライナは負けた』と放送しています。私たちはこれが真実ではないとわかっています」

今も夫とヘルソンにいるタチアナさん。

ヘルソン在住 タチアナさん
「私たちは皆、ウクライナの勝利、真実が勝利することを願っています。どこにも行きません」

戦うために街に残ることを決意しています。

一方、ロシア軍の状況について、アメリカ国防総省は首都キエフなど主要都市を巡る戦闘でロシア軍の前進の動きはほぼ見られず「複数の部隊で士気の低下が見られる」と指摘。

また、ウクライナ政府が傍受したというロシア軍兵士の通話音声からは。

「攻撃を受けて車両が1台全焼した。食べ物も水もない。ここにいる理由もない」

現場の兵士からも想定通り侵攻が進んでいない様子がうかがえます。そして、遠く離れたメキシコでは・・・

尾関淳哉記者
「いま私が立っているのがメキシコ側で、こちらの黄色のラインを越えるとアメリカになります。いま徒歩で国境を越えようとしている人たちの中でビザを持っていないロシア人の人たちが待たされています」

アメリカへの難民申請を希望するロシア人たちが、ロシアからビザなしで入国できる“アメリカへの通り道”メキシコに集まっていました。

ロシアから来たアントンさん
「私たちはウクライナで起きていることに非常に明確な(反対)意見を持っていました」

着いて間もないというアントンさん。ウクライナ侵攻後、反戦デモに参加していましたが、身の危険を感じたため、先月、妻とともにロシアを離れました。いつアメリカに入れるか見通しが立たない中、国境で待ち続けています。

ロシアから来たアントンさん
「ロシアの前向きな未来について思い描けることは全部、いまの体制とは逆のことです」

ロシア国内にも大きな混乱を呼んでいるウクライナ侵攻。アメリカのバイデン大統領は今夜、中国が、ロシアへの軍事面を含む支援を検討していると報じられる中、習近平国家主席と電話会談する予定で協議の行方が注目されます。
(18日18:52)

TBS NEWSカテゴリの最新記事