ロシア軍“避難所”爆撃 子どもや女性“生き埋め”か・・・市長「国民へのジェノサイド」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年3月18日)
ウクライナに侵攻したロシア軍の攻撃が、日に日に増しています。南東部のマリウポリでは、子どもや女性が500人以上避難していた劇場が空爆されました。この劇場では、これまでに130人が救出されていますが、多くの人が今もがれきの下敷きになっているということです。
■約800人が建物内に・・・避難できたの約100人
子どもや女性が避難していた劇場に落とされた2発のミサイル。周辺にはがれきが散乱。空爆で建物は大きく破壊されていて、煙が立ち上っています。
舞台の幕でしょうか、紫色の布も確認できます。
避難所の女性:「(Q.避難所の中に何人いましたか?)おそらく800人ぐらいはいました。100人ぐらいは避難できたと思います」「(Q.他の人たちは、まだ建物の下に?)はい。おそらく、建物の下に・・・」
■空爆受けた“劇場”・・・地面に「子どもたち」
ロシア軍に包囲され、激しい攻撃が続いているマリウポリ。空爆で建物が崩れ落ち、ほとんど原型をとどめていません。
ウクライナ当局によれば、空爆を受けたのは、市の中心部にある劇場。建物は住民たちの避難所となっていて、当時、幼い子どもや女性ら約500人が中にいたといいます。
クレバ外相は、劇場の写真と共にSNSで、「市民の避難所だということをロシアが知らないはずはない。ロシアの戦争犯罪者たちを止めろ」と、怒りをあらわにしています。
空爆前の14日に撮影された劇場の衛星写真。建物の両側の地面には、ロシア語で「子どもたち」と書かれています。
避難所の男性:「ご覧下さい。ここでは食べ物を配っていて、人々が集まっています。子ども、女性、高齢者、そして男性の順で配給しています」
ウクライナの国家警備隊が11日に公開した、劇場の様子です。電気はなく、薄暗いなか、多くの人たちが避難している様子が分かります。
避難所の男性:「ここにも人がいますね。座っている人もいれば、立っている人もいます。寝ている人もいます」
兵士に握手を求める小さな男の子の姿もあります。
避難所の男性は、こう訴えていました。
避難所の男性:「ここには1000人以上の人がいます。小さい子どもも、熱を出しています。助けて下さい、お願いです。この状況を止めて下さい。『人道回廊』を作って下さい。女性と子ども、負傷者を避難させて下さい」
■マリウポリ市長「“ジェノサイド”としか」
17日、マリウポリの市長はSNSに動画を投稿しました。
マリウポリ市長:「恐ろしい悲劇が、また起きてしまいました。市民が避難していた劇場が狙われ、破壊されたのです。きょう起きたことは、ウクライナ国民への“ジェノサイド”としか言いようがありません」
ウクライナのメディアによると、がれきの中から、これまでに130人が救出されたといいます。
■“激戦地”マリウポリ・・・民間人に攻撃
ロシア軍の侵攻が始まってから3週間。激戦地となっているマリウポリでは、今週から「人道回廊」が設置されましたが、水も食料もない最悪の状態のなか、いまだに多くの市民が避難できずにとどまり続けています。
激しさを増す、民間人への攻撃。劇場だけなく、同じく避難所として使われていた公共のプールも、ロシア軍から砲撃を受けたといいます。
撮影者:「空爆で何か起こったのか見せます。がれきの下に妊婦がいます。内部はすべて破壊されました」
被害は明らかになっていませんが、この場所も妊娠中の女性や、多くの子どもたちが避難していたといいます。
■連日攻撃で破壊・・・残された病院“限界”
爆音が響き渡るなか、病院に運ばれる負傷者がいます。
医師:「他の病院は、爆破されました。ここが負傷者を受け入れる、唯一の病院になりました」
連日の攻撃で、市内のほとんどの病院が破壊され、残された病院は限界を迎えています。
■バイデン大統領「プーチンは残忍な指導者」
アメリカのバイデン大統領は17日、ワシントンで開かれた式典に出席し、プーチン大統領を残忍な指導者と、厳しく非難しました。
バイデン大統領:「プーチンは侵略のために、大きな代償を払っている。周辺諸国は、ウクライナで新しい世界戦争を繰り広げている。『残忍な指導者』『純粋な凶悪犯』に対して、立ち向かおうとしている」
■キエフ在住の日本人「朝から銃声聞こえ・・・」
日本時間17日午後2時、キエフでは、35時間の外出禁止令が解除されました。
キエフ在住・高垣典哉さん:「きょうは、車の通りが少し多いですね。17日、35時間の外出禁止令明けです」
こう話すのは、キエフの中心部で避難生活を続ける高垣典哉さんです。
解除後に高垣さんが立ち寄ったスーパーには、食料品を求める多くの人の姿がありました。
高垣さん:「30分から40分ぐらい待ちました。大量に買ってる方がほとんどです。小さめのスーパーは、中にあるもの全部なくなっているところもある」
ATMで現金を引き出す人や、車にガソリンを入れる人が多かったという外出禁止令解除後のキエフ。17日も、夜明け前からロシア軍による砲撃が行われていました。
高垣さん:「隣のマンションか、自分のマンションに当たったんじゃないかというぐらいの(砲撃音の)大きさでした。びっくりしました、朝5時に。ドーンといったので。朝から銃声が結構聞こえまして。皆さんが活動し始めたころから警報が鳴ってるし、銃声も聞こえた」
■ハリコフ在住日本人「10分に1回」砲撃音
ロシア軍の激しい砲撃にさらされているウクライナ第2の都市・ハリコフ。この激戦地でも、避難生活を送る日本人女性がいます。
ハリコフ在住・いづみさん:「夜9時か10時ぐらいに、ボンボンって2回いつも聞こえて。それから、夜中まで聞こえていますね。30分に1回とか、10分に1回とかの頻度で夜まで」
ウクライナ人の夫と2人の子どもと共に、ハリコフにとどまり続ける、いづみさん。昼夜を問わず、毎日砲撃が続いているといいます。
いづみさんが日本時間17日に撮影した映像では、ロシア軍による砲撃で、空には真っ黒な煙が立ち上っています。
ロシア国境近くにある自宅を離れ、より安全な市内中心部の知人宅で避難生活を続けるいづみさん。侵攻後、街に出掛けたのは、スーパーマーケットに買い物に行った2回だけです。
ロシア軍の侵攻から3週間。夜は地下室に避難していますが、熟睡するのは難しい状況だといいます。
いづみさん:「外の気温は夜はマイナス10度、マイナス18度の日もあったかな。地下にはストーブが1個あるんですけど、それでも底冷えするくらい寒くて。毛布を着て、コートを着て、皆で固まって寝てるって感じですね」
■ロシア兵の通話傍受・・・家族に“弱音”
攻撃が激しさを増す一方で、イギリス国防省の分析によれば、ロシア軍はすべての戦線で、侵攻の勢いを失っているといいます。
ロシア兵の士気の低下を物語る生々しい音声が、ウクライナ側によって公開されました。
ウクライナ保安庁が公開したのは、ロシア兵と本国にいる家族の通話を傍受したとする音声。ロシア兵は、妻とみられる女性と愚痴を言い合います。
ロシア兵:「もう、食料もない。俺たちには何もない。きのうから武器もない。軍用車を動かす燃料もない」
妻とみられる女性:「こっちも、そっちと同じよ。飢餓状態よ」
ロシア兵:「どんなことだ」
妻とみられる女性:「何もない。マクドナルドもないし、お店は閉まっていて、ロシア国内では、何も売っていないのよ」
ロシア兵:「そうか、何てことだ。これが俺たちの戦争ってことか」
妻とみられる女性:「あなた、早く帰って来て。いつまで待っていたらいいの」
ロシア兵:「俺たちも、家に帰れる日を待っている」
さらに、別のロシア兵と妻とみられる女性の通話では・・・。
ロシア兵:「もしもし、俺だ。すべて大丈夫だ」
妻とみられる女性:「何か困っていることない?」
ロシア兵:「いや、いや、いや、大丈夫だ、すべて大丈夫だ」
妻とみられる女性:「帰ってきて。子どもも一緒にいたいのよ」
ロシア兵:「俺もだ」
妻とみられる女性:「頑張ってなんか欲しくないのよ。目標もないわ。見て、子どもたちは怖いのよ。あなたは、何もしていないんでしょ」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年3月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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