ガソリン税引き下げ効果と課題 トリガー条項凍結解除は?
原油の値上がりに対応するためガソリン税を引き下げるトリガー条項の凍結解除を求める声が与党内でも強くなっています。私たちの生活にとって本当にメリットがあるのでしょうか。
今日の都内のガソリンスタンド。去年6月は1リットル159円だったレギュラーガソリンの価格は179円まで上がっていました。
利用客
「高くて大変ですね、困ります」
「最近(価格が)メチャクチャ上がったなと」
ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で高騰するガソリン価格。こうしたなか、きょう総理官邸では・・・
公明党 山口那津男代表
「特に原油高騰についてはトリガー条項の凍結解除など、さらなる対応が必要です」
公明党の山口代表が岸田総理に、ガソリン税を一時的に引き下げる、「トリガー条項」の凍結解除を直談判したのです。
ただ、政府は原油高対策として、すでに補助金制度を導入。1リットルあたりの上限もトリガー条項を発動した場合と同じレベルの25円まで引きあげています。しかし・・・
公明党 山口那津男代表
「補助金による対応と、税を使った対応と、いずれも必要であると」
なぜトリガー条項の凍結解除にこだわるのか。背景には補助金の仕組みへの不満があります。
利用客
「国民が実感できないというか、なんかもやもやするというか」
現状の補助金は、国から石油元売り会社に支給され、それがガソリンスタンドなどでの価格の抑制につながるという仕組みです。
一方のトリガー条項は消費者がガソリンスタンドなどで払うガソリン税を1リットルあたり25.1円分引き下げる仕組み。消費者が直接、値下げを実感できるメリットがあるのです。
しかし、担当の萩生田経産大臣は・・・
萩生田光一経済産業相
「現行のトリガー制度を発動すればバラ色になる、という制度ではないということは事実だと思います」
トリガー条項は灯油や重油が対象になっていない点や、税収が減り地方自治体の運営に影響が出る点など課題を指摘しました。
また、苦い教訓もあります。
記者(2008年)
「今、時刻は0時半ですが、もうすでにこんなに長い列が出来ています」
かつてガソリン税が一時的に引き下げられた際、引き下げのタイミングでガソリンスタンドに長蛇の列ができるなど大混乱が起きたのです。
財務省の幹部は野党が主張してきたトリガー条項の凍結解除に与党の公明党も賛同し始めたことに不快感を示します。
財務省幹部
「参院選目当てのバラマキ合戦そのものですよ。本当に無責任政治の極みです」
これまで否定的だった自民党内の空気も変わりつつあります。
自民党 高木毅国対委員長
「トリガーというのも、ひとつの選択肢になりうると。大変厳しい生活環境でございますので、そうしたことを解消していくのは、やはり政治としての務めだと思いますので」
茂木幹事長もトリガー条項の対象を重油や灯油にも広げるのか、なども含めて総合的に検討していきたいと話しました。
夏の参院選を前に岸田総理の政治判断が注目されます。
(15日17:04)
コメントを書く