「NOWAR」 ロシア政府系テレビで異例の“抗議” ロシア軍全勢力投入も目立った前進見られず

「NOWAR」 ロシア政府系テレビで異例の“抗議” ロシア軍全勢力投入も目立った前進見られず

「NOWAR」 ロシア政府系テレビで異例の“抗議” ロシア軍全勢力投入も目立った前進見られず

ウクライナをめぐる反戦デモを厳しく取り締まるロシアの政府系テレビで異例の抗議の動きです。ニュースの生放送中にスタッフが「戦争反対」と書かれたプラカードを掲げて画面に映り込み、その後、拘束されました。

ニュースを読む女性キャスター。その後ろに突然。

女性スタッフ
「戦争反対!」

女性スタッフが掲げたプラカードには英語で「戦争反対」の文字。ロシア語で、「プロパガンダを信じないで。あなたはだまされている」というメッセージも書かれていました。

これは14日夜、ロシアの政府系テレビ局でニュースの生放送中に起きた出来事です。

マリーナ・オブシャンニコワさん
「残念ながら私はここ数年『第1チャンネル』でプロパガンダを作りながら働いてきました。とても恥ずかしく思います」

ロシアメディアによりますと乱入したのはスタッフのオブシャンニコワさんで、警察当局に拘束されたということですが、事前にビデオメッセージをSNSに投稿していました。

ウクライナに対する激しい攻撃は続いています。ウクライナ南東部、マリウポリの上空からの映像では建物は大きく壊れ黒煙がいくつも立ち上っているのがわかります。国連によるとロシアの侵攻による市民の死者はこれまでに636人にのぼるということです。

一方、アメリカ国防総省の高官は今回の侵攻のために集結していたロシア軍部隊のすべてがウクライナ国内に入り、攻撃力を増強しているものの、大きな前進は見られないと指摘。首都キエフの▼北西15キロ地点と▼北東20キロから30キロ地点に迫っている部隊も、この週末の間ほとんど止まったままで、ウクライナ軍の激しい応戦が大きな要因だと分析しています。

ただ、長距離のミサイルなどによる無差別な攻撃が増えているとの見方を示しています。こうした中、ロシアとウクライナの代表団は14日、オンライン形式で停戦交渉を行いました。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問によりますと今回の交渉では停戦やロシア軍の撤退、安全保障がテーマで、「追加作業や個々の定義を明確にする」として交渉を一時中断し、15日に再開されるということです。

しかし、ロシアのペスコフ大統領報道官は「ロシアの軍事作戦は計画の期間内に遂行される」と主張。そのうえで「人口密集地を支配下に置く可能性を排除しない」と強硬姿勢を示していて、停戦に向けた進展がみられるかは不透明な状況です。

外交の動きでは14日、ロシアのプーチン大統領がイスラエルのベネット首相と電話会談し停戦交渉の状況を伝えました。ウクライナのゼレンスキー大統領はイスラエルに対しロシアとの仲介役としての期待感を示しています。
(15日11:13)

TBS NEWSカテゴリの最新記事