「大変な道だった」首都キエフから命がけ避難 ウクライナ人親子、日本に住む弟と再会
娘を守るため、銃声と砲撃音が響く故郷を離れたウクライナ人の女性がきのう、日本に到着しました。女性はロシア軍による攻撃をくぐり抜け、祈るような気持ちで終着駅もわからない列車に飛び乗ったといいます。
「ウクライナに平和を」
東京の表参道で行われたロシアの侵攻に対する抗議のパレード。
都内に住む声楽家のデニス・ビシュニャさん(43)の姉家族は首都キエフに取り残されていました。
日本に住むウクライナ人 デニスさん
「ずっとシェルターで生活していて、今、日本に呼びたいですけど」
故郷に突然襲いかかった戦禍の炎。
姉のアンナさん(46)は娘のクリスティーナさん(15)を守るため、今月6日、ロシア軍の砲弾をくぐり抜け、着の身着のまま終着駅の分からない列車に飛び乗りました。
不安な気持ちをおさえ、列車を乗り換え、到着した先はポーランドとの国境。
首都ワルシャワの日本大使館で日本のビザを祈る思いで申請したところわずか1日で取得することができました。
羽田空港で2人を待つデニスさんはウクライナに残る両親に姉の乗った飛行機が無事到着したことを報告しました。
ウクライナにいる デニスさんの母親
「本当に安心しました」
両親が住んでいるのは激しい攻撃を受けているウクライナ中部都市ドニプロの近郊です。
日本に住むウクライナ人 デニスさん
「両親も日本に行きたいですが危ないです。今いろんなところでロケット弾とか。とりあえずシェルターに逃げています」
きのう午後5時半ごろアンナさんたちが入国の手続きを経て到着ロビーから出てきました。
ウクライナから避難した アンナさん
「今は本当に幸せだけどその前は恐ろしい日々でした。夫と両親はまだウクライナにいます。まだ恐怖が続いています」
現在、ウクライナの成人男性は出国が禁止されているため、クリスティーナさんは父親と離ればなれになりました。
ウクライナから避難した クリスティーナさん
「ウクライナのニュースを見るのは本当に辛いけど、たくさん記事を読んだ。私は何が起きているのか知らなくちゃいけないから」
日本に住むウクライナ人 デニスさん
「良かった(2人が)無事に日本に来ました。大変な道だったけど」
クリスティーナさんのようにウクライナから国外に避難できたのはおよそ260万人いますが、今も多数の人々が取り残されているといいます。
(14日15:26)
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