【ノーベル化学賞】京大・北川進副学長 座右の銘は『勁草』 若い世代へエール『幸運は準備された心に宿る』

【ノーベル化学賞】京大・北川進副学長 座右の銘は『勁草』 若い世代へエール『幸運は準備された心に宿る』

【ノーベル化学賞】京大・北川進副学長 座右の銘は『勁草』 若い世代へエール『幸運は準備された心に宿る』

昨夜、またもや嬉しい知らせが飛び込んできました!
 今年のノーベル化学賞に京都大学の北川進副学長(74)が選ばれました!京都市出身の北川さん、関西各地から祝福の声が続々とあがっています!

 中谷しのぶ キャスター
 「読売テレビの中谷と申します。この度はおめでとうございます。受賞の瞬間というのはどう感じられましたか?」

 京都大学・北川進 副学長
 「まず非常に大きな名誉ある賞だから、信じがたいですよね」

 中谷 キャスター
 「(新しい材料を)発見した瞬間は?」

 京都大学・北川進 副学長
 「それはもうエキサイトですよ。他の材料にないものだから。これが醍醐味ですね、研究の」

 9日朝、京都大学に到着した北川副学長は、職員や学生らに拍手で迎えられました。

 京都大学・北川進 副学長
 「昨日は目がおかしくなるくらい フラッシュ受けて、今日は明るいからちょっとましなんですけど。今までの研究を振り返ったり、感慨に浸るのはだいぶ先かなと。ノーベル賞を発表されると、今までただのおじさんが、急に変わるんですね、取り扱いが。平穏だからこそ、いろんな良いアイデアが浮かんで、私は化学ができる。今年も平穏にと思っていたんですけど、良い意味で平穏ではなくなったのでどうしようかと」

 京都大学の学生
 「またそんなすぐ日本人がとると 思ってなかったんでびっくりしました」
 「やっぱり京大はノーベル賞、ノーベル賞と言えば京大だねと。僕は化学者になりたくて京大を目指したっていう経緯があるんですけれども、より身を引き締めてやらねばならんと思いました」

 嬉しい知らせは8日夜、突如、飛び込んできました!

 「ススム キタガワ」

 今年のノーベル化学賞に選ばれた京都大学の北川進副学長。

 「おお!おっしゃぁ~すげー」

 京都大学の学生
 「本当すごいですよね。全く対等な立場ではないが、勝手に刺激受けています」

 北川さんは、受賞決定の連絡を受けた際には……。

 京都大学・北川進 副学長
 「最近、勧誘の変な電話がよくかかってくるんですよ。私はまたかと思って不機嫌にとったら、アカデミーの選考委員会の委員長を名乗られたのでびっくりしました」

 今後については…。

 京都大学・北川進 副学長
 「(成果を出すために)私は何をしたらいいかというと、まさにキュリオシティ(好奇心)です。非常にいままで出来ないこと、誰も分からないこと、これは絶対無理だということにチャレンジして、それを実現していくことによって、また化学の発展があるのではと思います」

 北川さんは、分子サイズの極めて小さな穴を無数にもつ『多孔性材料』と呼ばれる材料の作製に、世界で初めて成功。

 『多孔性材料』とは、分子サイズの無数の穴を持つ物質で、様々なものが混ざった気体の中から狙った気体だけを取り出すことができます。穴の大きさを変えることで、様々な気体を取り出したり、貯蔵したりすることができ、二酸化炭素といった温室効果ガスの回収など、様々な分野での応用が期待されています。

 京都市内にある化学メーカーでは、北川さんが作製したPCP「多孔性金属錯体」を実用化した製品を開発、販売しています。

 タバコの燃えかすが入った気体を、「PCP」を使った消臭材に通してみると…。

 馬場凪沙 記者
 「においを嗅いでみたいと思います。 タバコの匂いは全くしなくて“無臭”です」

 大原パラヂウム化学・大原正吉さん
 「活性炭とかとは違って、少量で瞬間的にスピーディに(においを)取りきる。臭気、もしくは人体にとって有害性のあるガスを取ることで、 環境保全であったり、産業の維持にもつながると考えています」

 京都大学の教授で、北川さんの教え子でもある古川修平さんは、性格について…。

 京都大学・古川修平 教授
 「ひょうひょうとした人です。いつもあんな感じなんで、いつもフランクで。北川先生は基本的に絶対偉そうぶらないんですよ。俺が教員やからお前ら言うこと聞けっていうのはなくて。集まって北川先生の部屋で飲むときはワインが出てくる。良いワインが」

 京都大学・北川進 副学長
 「私は50歳くらいまではビールしかなかったんですよ。いまはワインなんですよ」

 中谷キャスター
 「 何ワイン?」

 京都大学・北川進 副学長
 「赤ワイン」

 中谷キャスター
 「きょうは赤ワインで祝杯ですかね?」

 京都大学 北川進副学長
 「いやいや、あした朝早いので飲んでられないですよ」

 9日に改めて、お話を伺うと…。

 京都大学 北川進 副学長
 (Q:昨日と今日は怒涛の時間を…忙しいのは好きですか?)
 「どっちかというと嫌いじゃないですね。ただルーティンワークが嫌いなんですよ。同じこと聞かれるとか。もっと新しいことをやっていくことが好きなので。新しいことを聞いてください」

 ということで、普段は、息抜きもかねてよく散歩をしているという北川さんに、おススメの散歩コースを聞いてみると…。

  京都大学・北川進 副学長
 「祇園四条駅から降りて京阪の西へずっと行って、知恩院を通ってずっと上がって、そこから北へ平安神宮に向かって行って、平安神宮の手前で東に行って、蹴上の手前で北に行って、岡﨑神社、金戒光明寺、それでのぼるんですよ。そうすると京都市を見渡せる眺めがあって、会津義士の墓があって、宗忠神社おりて、大文字山の手前から吉田神社。そしてここ(京大)にいくコースが一番好きです」

 長い研究人生を支えてきた座右の銘を伺うと…。

 京都大学・北川進 副学長
 「『勁草』(けいそう)。強風で花は飛び散ってしまうけども、強い草、雑草なんですよね。なびいて、また戻る。常に鍛えておいて、これという時に役に立つことと、もう1つは自分の研究の説を曲げない、維持するということ。『無用の用』は役に立つものはみんな役に立つし、役に立たないのも役に立つんだよと。そういう化学もある」

 北川さんを、近畿大学に助手として招き『多孔性材料』の研究のきっかけとなった恩師は…。

 近畿大学・宗像恵 名誉教授
 「ちょうど彼がD3(大学院生)の時だったと思う。学会でものすごい鋭い質問した。大学院生でこんな質問するのかと。それが印象に残っていて、私のとこに来てくれませんかとお願いした。研究とは新しい分野を開拓する、地下を掘って新しい金鉱を探すようなもの。掘ってみたが何も出てこないのが普通だが、どういう方向に掘っていったら金鉱が出てくるか見分ける能力がないとダメ。北川さんには抜群の見通す能力を持った方だと思っている」

 受賞決定後の会見で、若い世代へのエールとして「困難に挑戦する大切さ」を語った北川さん。母校の後輩たちは…。

  阿部咲良さん
 「すごい驚きでしたね。自分の出身地からそんな素晴らしい人が出ているのは、すごい元気にもなりますし、勉強の糧にもなります」

 中田悠晴さん
 「僕はもともと探求が好きで、大学とかでも研究したいなと思っているので、(北川さんが歩んだ)その道をたどれるように、これからも頑張っていきたい」

 京都大学・北川進 副学長
 「細菌学の父であるルイ・パスツールが『幸運は準備された心に宿る』という名言を残しています。なにかというと、私の流れを見たときに、いい先生にめぐまれて、いい友達に、そして学会でいろんな付き合い、それが実は準備されたことになる。ある日突然、宝くじをひいたから当たるもんじゃない。だからみなさん自分の育っていく過程でいろんな経験するけど、それを大切にして将来花開く可能性がある、ということを言いたい」

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