【万博】運営収支は最大280億円の黒字ですが…”大屋根リング””静けさの森”レガシーをどう残す?

【万博】運営収支は最大280億円の黒字ですが…”大屋根リング””静けさの森”レガシーをどう残す?

【万博】運営収支は最大280億円の黒字ですが…”大屋根リング””静けさの森”レガシーをどう残す?

■京都大学・山極壽一 前総長
「2000メートルの大屋根リングの周遊をできるだけ残して、これまで万博にまだ来ていない人に経験してもらうのは、大阪・関西万博のレガシーを伝える意味で非常に重要なこと ではないかと思っています」

 大屋根リングに関する緊急提言を発表した京都大学の前総長らが8日、会見を開きました。

 建設費約350億円。1周約2キロ、高さ最大20メートルの大屋根リング。世界最大の木造建築物として、ギネス世界記録にも認定されました。

 7日開かれた万博協会の理事会で、リングの北東約200メートルを残し、リングとその周辺を大阪市が市営公園として管理する方針が決まっています。しかし、会見を開いた大学関係者は、『知恵を出し合い、可能な限り多くの部分を残すよう、時間をかけて慎重に判断してほしい』と呼びかけました。

 ■関西大学・芝井敬司 理事長
 「200メートルでは、『大屋根リングの 全体像が十分に体験できるのか』ということには疑問を持たざるを得ないし、『どうしてこういうものが残らな いのか』ということにつても根本的な疑問があります」

 一方、“万博レガシー”として今後のあり方が問われているものは、他にもー。

 ■黒木千晶キャスター
 「この静けさの森の木々の一部が、万博閉幕後もレガシーとして一部残されるということです」

 会場の真ん中にある「静けさの森」。甲子園球場の敷地全体の半分にあたる 2.3ヘクタールほどの広さに約1500本の木が植えられています。

 万博会場では8日、「静けさの森」の設計を担当したデザイナーらが集まり、意見交換が行われました。

 ■宮田裕章 氏
 「万博の後、どうしていくんだということですよね」
 ■忽那浩樹 氏(植栽のデザインを担当)
 「森が、最初は(万博後に)更地にして返す、なくなるといういう情報があって、『木を植えて切ったら、命輝けへんやろ』という義憤に駆られて。ここで籠城して残そうかという話もしていた」

 大阪府・市は今後、跡地開発の事業者を公募で決定しますが、事業者に対し、静けさの森の木々の一部を残して街づくりに生かす案を求めるということです。

 ■来場者
 「虫も好きだし、水も大好きやけん、良いことかなと思います」
 「すごくきれいで、涼しいです。残してほしいです」
 「自然に触れ合う場になったらうれしいです。命が続くのはいいかなと思います」

 大屋根リングに関して、会見を開いた大学関係者は、『静けさの森も併せて残すべき』と話しました。

 ■京都大学・山極壽一 前総長
 「静けさの森が生物多様性の象徴であるならば、大屋根リングは文化的多様性の 象徴であります。そのレガシーを将来に残すために、やはり2つの象徴的な場所は残していかなければならない」

 未来へとミャクミャクと受け継がれるよう、万博のレガシーをどう残すべきか。注目が集まります。

■閉幕まで5日、気になるレガシーとお金について

 ■中谷しのぶキャスター
 VTRにあった大屋根リングについて、北東200メートルを残す案が決まっています。ただ跡地の開発事業者の公募は断念しました。なぜかというと『コストがかかりすぎるから』ということなんです。というのも、10年間でおよそ55億円、維持管理にかかるということで、大阪市が管理するということも8日に決まりました。
 
 8日、関西の7大学からも要望がありました。『大屋根リングは文化的多様性の象徴』としてできるだけ多く残して、何かしら一周回遊できるような状態がいいのではないか?という案が出ているということなんです。

 他にも残すものがありましてこちらです。
『静けさの森、木々の一部を保存予定』
『オランダ館、パソナ、淡路島へ移転』
『ルクセンブルク館』は大阪、交野市で部材が再利用されます。
『ヌルヌル』は一部移設予定で今クラウドファンディングも募集されています。

 大屋根リングの一部木材が、能登半島の復興住宅などに使われる案も出ているということです。

 これから議論がさらに深まっていくことが期待されますが、その気になるお金という意味ではこちら、運営収支の見通しは230から280億円の黒字が出る見込みだということが発表されました。

 その立役者として言われているのが、やはりミャクミャクグッズ、ミャクミャク人気ですよね。押し上げたのが「ミャクミャクマネー」ということでグッズも人気ですし、カチューシャや、いろいろなグッズを買われる方も多かったと思います。公式ライセンス商品総売り上げおよそ800億円ということで、このうち利益として黒字として計上されたのは30億円分だそうです。

 経済波及効果については、会場外でもミャクミャク効果が出ています。駅弁でもよく見かけますこの淡路屋さんの“ひっぱりだこ飯”、ミャクミャクがあしらわれていて、1日数百個の販売予約に3万人以上がアクセスしてサーバーがダウンするほどの人気ぶりだったということなんです。

 担当者の方は、”自称・淡路屋パビリオン”とも言われています、と話しています。他の商品もつられて売り上げが増えていて、まさに”ミャクミャク様だ”と、効果を語っています。

 さらには、こちら『ボールペンスタンド』で、尼崎の町工場で普段は航空機の部品などを製造されている会社が開発された、ボールペンがゆっくりと収納されていくこの商品が今大人気だということなんです。詳しく見てみますとミャクミャクがあしらわれたバージョンは1つ2万2千円。これがSNSなどで注目されてオンラインサイトで売り切れも出ているということです。世界的な企業から金属加工の依頼も他にもあり、ミャクミャク効果に驚きを持っていらっしゃいます。

 そもそも黒字見込みの運営費の方ですが、1160億円という運営費かかるという言われていましたが、この黒字の部分が230から280億円になりました。ただ、万博協会の小野副事務総長は、本来は収支均衡ギリギリなんですということです。どういうことかと言いますと、当初は『警備費が運営費に含まれる予定』でしたが、人件費が上がったり要人が多く来るようになって、『国が負担しますよ』ということになりました。つまり、今回『黒字』と言われていますが、『収支均衡は実はギリギリなんだ』という指摘もあるんです。

 その他にも、・会場建設費・日本館の建設・大阪ヘルスケアパビリオン・機運情勢費など、諸々かかっているので、こう考えますと今後レガシーをどう残していくのかもこれだけかかっているわけですから、問われてくるわけですよね。

 ■髙橋解説デスク
 忘れてはいけないのは、運営収支という意味では黒字になるかもしれないという話だが、会場建設費が何回も改定されてすごく跳ね上がったので、この辺をトータル分に見て果たして万博良かったのかどうかという検証は必要かもしれません。
 
 ■中谷キャスター
 これから議論を深めていきたいと思います。

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