東日本大震災発生から11年 岩手・宮城・福島…被災各地で追悼

東日本大震災発生から11年 岩手・宮城・福島…被災各地で追悼

東日本大震災発生から11年 岩手・宮城・福島…被災各地で追悼

岩手、宮城、福島から中継でお伝えします。

岩手県沿岸南部・陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園です。震災前、およそ7万本の松林があった場所に作られた献花台には朝から多くの人が花を手向けに訪れています。

東日本大震災の発生から11年。被災地は大変穏やかな朝を迎えました。そんな中、宮古市では午前6時から巨大地震を想定した避難訓練が市内およそ130か所で行われました。

震災による岩手県内の犠牲者は、先月末現在、関連死を含めて5145人、いまだに1110人の行方がわかっていません。

今年1月、トンガ沖で発生した海底火山の噴火で岩手県沿岸に震災以来初めて津波警報が出されましたが、その際に避難した人の割合は4.39%にとどまりました。11年の歳月とともに復興は進みましたが、震災の教訓をどのように次の世代に継承していくかが新たな課題となっています。

宮城県石巻市の震災遺構大川小学校です。大川小学校では震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲となり、児童4人については今も行方不明のままとなっています。

東日本大震災の爪痕が色濃く残る教室の内部をこちらから見ることができます。去年7月に震災遺構として一般公開が始まっていて、きょうは訪れた人が手を合わせ、犠牲者の冥福を祈る姿が見られました。

訪れた人
「水の威力ってすごいなと思って。ここのお子さんはお子さんはどんな思いだったのかと思った」
「毎年、景色が変わってくるので、忘れられない形で風景とか事実を伝えられれば」

きょうは午後5時半から、犠牲者の鎮魂と復興・防災への願いを込め、竹あかりが灯されます。

震災で宮城県では関連死も含めると1万568人が亡くなり、行方不明者は1215人となっています。

地震が起きた午後2時46分には各地で黙とうが捧げられ、宮城県内もきょう一日、祈りに包まれます。

福島県の双葉町産業交流センターの屋上です。きょうは、津波で甚大な被害を受けた浪江町の請戸地区で警察などが行方不明者の捜索を行っています。

福島県県内では震災関連死を含む3931人が亡くなり、224人の行方がわかっていません。また、県のまとめでは、少なくとも3万3000人あまりが避難を続けています。

帰還に向けた動きも始まっています。双葉町は県内で唯一、全ての住民の避難が続いていますが、今年1月から準備宿泊が始まり、早ければ6月にも復興再生拠点で避難指示が解除される見通しです。

一方、福島第一原発では「燃料デブリ」の取り出しや、およそ1年後に迫っている「処理水」の海洋放出など課題が山積みで、廃炉の完了の見通しは不透明なままです。

きょうは県主催の式典に岸田総理が出席するほか、産業交流センターでも追悼式典が開かれる予定です。
(11日11:38)

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