七尾市で長引く断水 復興の妨げに…温泉旅館が嘆き「水は3月いっぱい来ない」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月26日)

七尾市で長引く断水 復興の妨げに…温泉旅館が嘆き「水は3月いっぱい来ない」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月26日)

七尾市で長引く断水 復興の妨げに…温泉旅館が嘆き「水は3月いっぱい来ない」【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月26日)

 25日も北日本を中心に今シーズン最強の寒波の影響が出て、雪による事故も起きています。そして能登半島では、冷たい雪に加えて、長引く断水が復興の妨げとなっています。

■今季最強寒波…被災地では交通のメドも

 数メートル先が見えないほど、強烈なホワイトアウトが発生した北海道。最大瞬間風速28.5メートルを観測した稚内市内では、ゴーグルを着用して通勤する人の姿がありました。

通勤する男性
「メガネの内側も曇るんですよね」

 札幌市内では、事故も発生しました。鉄パイプで組まれた5階建ての足場。なぎ倒され歪んでしまった足場が、暴風雪の強さを物語っています。

 24日から猛威を振るった今季最強寒波。被災地・輪島市では雪が降り続くなか、1台のバスが到着しました。

自宅に一時帰宅 避難生活者
「(Q.発災してから初めて?)そうです。交通手段がなかったもんですから」

 金沢で避難生活をする人らが一時帰宅するための特急バスを、1カ月無料で運行しています。

北陸鉄道株式会社 宮岸武司代表取締役
「我々ができる支援の一環といたしまして、無料で毎日決まった時間に走ることが我々の務めだと思ってます」

 七尾駅では、3週間ぶりに電車の到着を知らせる旋律が鳴り響きます。

JR西日本七尾鉄道部 江下喜久夫部長
「グッとくるものがありますね。20日間、お客様がこの駅中に1人もいませんでした。それがこうやって戻ってきていただいて、私はやっぱり鉄道人としてうれしいところがあります」

 交通のめどがついたことで、七尾市長はこう話します。

七尾市 茶谷義隆市長
「災害支援者の宿泊場所として受け入れられるようになれば、加賀地方や富山県から来ている支援者が七尾から奥能登の復旧に向かえ、時間的にも短縮されるので、中長期的には七尾市が災害(復興)の拠点になる必要がある」

 ただ実現するには、まだハードルが残っていました。

 各地で続けられているのは、水道の復旧作業です。

水が出て喜ぶ輪島市の住民
「うれしい!ありがとう。助かりました」

 輪島市では、喜びの声が上がる一方…。

水道調査業者
「管の中をカメラで調査しています」

 七尾市内では、いまだおよそ1万5400戸が断水していて、水道の復旧が最も遅くなるとみられています。

 愛知から水道管の調査に訪れた作業員らが寝泊まりしているのは、石川県ではなく隣の富山県です。およそ1時間かけ、七尾市内に来ているといいます。

水道調査業者
「(泊まる場所が七尾に)近すぎると、トイレやお風呂が使えないのかと心配」

■長引く断水…七尾市・和倉温泉の苦悩

 七尾市にある、和倉温泉。いつもはにぎわう街並みもひと気がなく、静まり返っています。

 震災後、建設業者や電力会社などの復旧作業員を受け入れてきたのが、温泉宿「花ごよみ」です。

花ごよみ 北村金次主人
「2月1日から何名何泊で泊まりたいって言われるんですけど。必ず僕説明するんですけど、水は3月いっぱいきませんから。お泊めできますけど、ご迷惑かけますと言ったら、また連絡しますという限り、連絡来ませんね」

 しかし、建設業者などから宿泊の問い合わせは入りますが、いまだ水道が通っていないことを告げると、水が来ている地域に行ってしまうといいます。

北村主人
「通常はここまでお湯が来て、ここから流れて出るんですけど」

 宿自慢の源泉かけ流しの温泉の供給は止まり、浴槽はほとんど空になった状態になっています。震災前にたまっていた温泉は、トイレなどに使用しました。

 試験的に源泉を流してもらいましたが…。

北村主人
「途中でパイプが破損していまして、そこで温泉が漏れたもんで、修理しないことには来ないんですよ。(修理業者からは)2月いっぱいは約束できないと言われたので」

 生活用水は近所の人と共同でためている湧き水を、女将がくんできて使っています。

花ごよみ 北村良子女将
「(Q.1回でどれくらい運んでいる?)18リットルのポリタンクを2つと、2リットルのペットボトルを30本ほど」
「(Q.30本?)えぇ」

 この旅館では水道と浴槽は使えませんが、建物自体には問題なく、電気も通っています。

 しかし、道路が復旧し始めていることで、少し遠くても水道が通っている場所に宿泊する作業員たちが増えているといいます。

北村主人
「最初のころは12、3人以上泊まっていたんですけども、今はもう3、4人になってしまいましたね。お風呂も入りたいから、どうしても水道がないというのは、お客さんにとっては苦痛」

■井戸水使用のコインランドリーに市民殺到

 水道の復旧が最も遅くなる見込みの七尾市。水がないことで市民生活の苦しみも続いています。

 大きなかごや袋を手に住民たちが出入りするのは、コインランドリーです。駐車場にも多くの車が止まっています。

 この辺りも断水が続いていますが、井戸水を使い先週から営業を再開しました。

 5台ある洗濯機はフル稼働。店内も混み合っています。

利用客
「ここはまだ空いていますけど、(他の所は)大体1時間から1時間半待ちくらいで。金額も生活費プラスそれ(洗濯代)になるので。そういうものがいろいろ負担かかる」

ほっとらんどNANAO 和田内幸江総支配人
「うちも結構建物の被害とかもありまして、コインランドリーの方も一時休止をしていたんですけども、少しでもお力になれればなという思いで」

 敷地内にある温泉施設は配管やポンプなどが壊れてしまい、再開のめどは立っていないといいます。

 それでもコインランドリーだけでもと営業を再開。洗濯に来た男性は、こう話します。

コインランドリー利用客
「(Q.これで何日分?)2日分ぐらい」

 店内の混雑に、ここでの洗濯はあきらめ、隣町のコインランドリーまで移動することにしました。店内の様子を聞いてみました。

コインランドリー利用客
「(Q.どうでした?)2、30分待てば空きそうなので」
「(Q.ここで待ちます?)待ちます」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年1月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事