安倍派幹部の『離党』浮上?“政治とカネ”実態解明は…自民党“中間とりまとめ”【報道ステーション】(2024年1月25日)

安倍派幹部の『離党』浮上?“政治とカネ”実態解明は…自民党“中間とりまとめ”【報道ステーション】(2024年1月25日)

安倍派幹部の『離党』浮上?“政治とカネ”実態解明は…自民党“中間とりまとめ”【報道ステーション】(2024年1月25日)

派閥の政治資金パーティーの問題を受け、自民党は党改革の中間とりまとめを行いました。ただ、事の発端となった安倍派の幹部をめぐり、党内からは、離党などの処分を求める声が上がっています。果たして、その責任の取り方は。

◆「森山派」解散…小渕氏「茂木派」離脱

了承された中間とりまとめでは、派閥の全廃には踏み込まず、“政策集団”として存続を認めました。一方で、政治資金パーティーや、人事での働き掛けは禁止しました。

“森山派”森山裕会長
「まさに断腸の思いでありますけれども、自民党に国民の信頼をお寄せいただくためには、大事なことだろう」

25日に解散を表明した森山派。安倍派・二階派・岸田派に続いて4つめとなります。一方、解散しなかった茂木派から、総裁候補とも言われた、小渕優子選対委員長が離脱を表明しました。

◆党内からも…幹事長「けじめ考えて」

派閥の在り方ばかりが焦点となるなか、党内でくすぶるのは、安倍派幹部の政治責任を問う声です。しかし…。

“安倍派”西村康稔前経産大臣
「離党・議員辞職は考えておりません」

“安倍派”萩生田光一前政調会長
「仕事をもって、皆さんに評価してもらえるよう頑張りたいと思いますので、現時点で議員辞職の考えはありません」

改めて安倍派議員の“責任の取り方”を確認してみます。逮捕された池田佳隆氏は、党を「除名」。起訴された大野泰正氏・谷川弥一氏は、自ら「離党」。一方、幹部をみると、閣僚や党役員をやめたものの、まだ記者会見すらしてしない人もいます。

岸田派閣僚経験者
「刷新本部でも、安倍派幹部の離党や責任を問う声は、相当数あったのは間違いない。党内の声と世論を聞くのであれば、幹部は離党という流れになるんじゃないか」

茂木幹事長は安倍派の幹部にこう伝えたといいます。

茂木敏充幹事長
「何らかのけじめは、自らで考えてほしい」

安倍派幹部の「離党」を念頭においた発言とみられます。ただ、離党しない場合に、党として「除名」や「離党勧告」などの処分に踏み切るかは分かりません。中間とりまとめでも「あるべき政治責任についても結論を得る」とあいまいな表現です。

“無派閥”石破茂元幹事長
「(Q.政治責任は各自に任せられている)そうじゃないんじゃないか。最大派閥の幹部を務め、多くは政権の中枢にあった人。そういうことは当然、(政治責任の取り方を)自覚している。(本人に)任せておいて、いい加減にやられても(党は)知りません。そんないい加減なことにはならないと思う」

“無派閥”逢沢一郎衆院議員
「党員や国民がはなはだ納得できない状況が、不幸にして残されるとすれば、党として一定の判断(処分など)をするということは、公党として考え、実行に移すことも、場合によっては必要」

岸田総理の責任を問う声も上がっています。

岸田文雄総理大臣
「(Q.岸田派を率いた自身の政治責任は)政治刷新本部の本部長として努力し、議論をリードして結果を導く。こうしたことを通じて、政治責任を果たしていきたい」

26日に幹部会合が開かれる安倍派では、ある人物の責任論が浮上していました。

◆“座長の離党”“役職停止”で調整か

茂木幹事長は安倍派幹部に対し“自発的な判断”を求めています。こうしたなか、党の執行部内では『離党勧告処分』とする案も出ています。

党の処分規定は8段階になっていて、『離党勧告処分』は、上から2番目に重い処分となります。

政治部の山本志門デスクに聞きます。

(Q.なぜ離党勧告の案が出ているのでしょうか)

山本志門デスク
「かつてコロナ緊急事態宣言中に、自民党議員3人が深夜まで、銀座のクラブに滞在していたことが問題になりました。この時に下された処分が離党勧告でした。今回、少なくともこれより軽くするわけにはいかないということで、離党勧告の案が出てきました。ただ、離党勧告の案は急速にしぼんでいます。安倍派幹部“5人衆”と言われる議員はそれぞれ、役職を辞めるなど“責任は取った”ということで、安倍派から猛反発が出ています。離党勧告に変わって、落としどころとして浮上しているのが、安倍派の座長を務める、塩谷立氏が自主的に離党することです。26日に行われる安倍派の幹部会議で決まる可能性も出てきています」

(Q.安倍派は会長を決められず、塩谷氏が座長になりました。塩谷氏の離党で納得感は得られますか)

山本志門デスク
「なかなか難しいと思います。自民党内からは、安倍派幹部が離党するのであれば、国民の受けは良いという見方も出ていますが、やはりどこかで“トカゲの尻尾切り”じゃないかという印象を持つ人は多いと思います。ただ、塩谷氏以外の他の幹部に対しては、一定期間、党や政府の役職につけないなどの対応が現在検討されています。自民党としては、これで理解を得たい考えです」

(Q.安倍派以外でも会計責任者が立件されました。安倍派幹部のみに処分が要求されているのはなぜですか)

山本志門デスク
「安倍派は議員1人が逮捕、2人が起訴されました。一番、問題が根深いと言えます。安倍派の中からも幹部が責任を取る必要があるといった声が多いです。そして、他の派閥にまで広げてしまうと、二階派なら二階氏が、岸田派なら岸田総理への責任論が広がる可能性があるため、慎重なんだと思います」

山本志門デスク
「この処分については、今のところ、岸田総理の顔はあまり見えてきません。25日の会見でも『関係者に明確な説明責任を促していく』と述べるにとどめています。安倍派幹部の処分が『政局になる』という見方も党内には多く、安倍派を敵に回すという選択肢には慎重になっていると思います」

◆“政治とカネ”実態解明は?

(Q.今回の中間とりまとめと、塩谷座長の離党。これで“幕引き”となりますか)

山本志門デスク
「まだまだ幕引きにはならないと思います。裏金がどう使われていたのか。本質的なことは分かっていません。26日から始まる国会では“政治とカネの問題”が最大のテーマになります。実態解明に加えて、関係者の処分はどうするのか。議員本人まで責任が及ぶ、連座制を導入するのかどうか。国民の納得感が得られる答えが出てくるかが今後のポイントになると思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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