「荒れた道でも行かないと…」“生命線”車にトラブル相次ぐ 被災地覆う今季最強寒波【報道ステーション】(2024年1月24日)

「荒れた道でも行かないと…」“生命線”車にトラブル相次ぐ 被災地覆う今季最強寒波【報道ステーション】(2024年1月24日)

「荒れた道でも行かないと…」“生命線”車にトラブル相次ぐ 被災地覆う今季最強寒波【報道ステーション】(2024年1月24日)

今季最強の寒波が列島を襲い、石川県の被災地も大雪となりました。雪で覆われた道路には、大きな亀裂が残ったままで、除雪車が出動できないなど、通常とは全く異なる道路状況が、被災者の生活にも影響を与えています。

◆“液状化”消雪パイプも破損

小林綾乃記者
「液状化の被害に見舞われた内灘町です。23日夜から断続的に雪が降り続いています。このあたり、倒壊寸前の家屋が多いのですが、その上から雪が降りつもっています」

水で雪を溶かす、消雪パイプも破損して使えません。液状化で傾いた道路に、路面凍結の危険が加わっています。

穴水町の役場では、降りしきる雪の中に行列ができていました。牛丼チェーン『松屋』による、炊き出しです。穴水に限らず、能登半島に松屋の店舗は1つもありません。埼玉から駆け付け、用意した400杯は全てなくなったといいます。

23日夜から降り始めた雪によって、各地で除雪車が出動しました。幹線道路を優先的に除雪したといいます。地域によっては、除雪車が来られないところも出てきます。積雪が平年の1.8倍になった七尾市で、町内会長が除雪を要請した江曽町もその1つです。

七尾市江曽町の町内会長 竹森誠一さん
「中心部の被災地や、道路の損傷が多い所を考えると、『今回は見送らせていただきたい』という七尾市からの連絡に、それ以上、強く言えない。『そうですよね。今回はね』ってことで引き下がった」

今回、被災地に来ているのは“寒波”です。寒気との違いは、長く居座り、影響が長時間に及ぶこと。その間、緊急車両が入ってこられない状況だけは避けたいという思いが、住民たちにはあります。

七尾市江曽町の町内会長 竹森誠一さん
「何が起きるか分からない。朝、たくさん積もって、さらに余震が来たらどうしようと皆思う。この辺の道路は特に狭いので。あれだけ大きな地震を体験したのは、この辺の住民は初めて。なおさら敏感になっています」

氷点下のなか、車中泊を続ける人も少なくありません。

3週間の“車中泊”上野玉樹さん(45)
「寒かったですね。ストーブ消すと冷えこんできますので。ゆっくり足伸ばして、屋根の下で休みたいですけど」

大雪の影響で、動けなくなった車も相次ぎました。対応するJAFも多忙を極めます。30センチを超える積雪が観測された白山市では、雪で見えなくなった縁石に車が乗りあげました。

無事、車を助け出したその1時間後、別の救援要請が入ります。ネジを踏んで、後輪がパンクしていました。ドライバーは能登町から来た女性。自宅が断水しているため、片道4時間かけて、別の町へお風呂に行った帰りだといいます。

ドライバーの女性
「日に日に道は良くなっていて。道路を一生懸命直してくれているので、本当に走りやすくなって、こんなに遠くまで来ることができて、すごく感謝していたら、帰りにパンクして。不慣れな土地ですけど、タイヤを直してもらえて感謝しています」

一息つく間もなく、また次の現場へ。今度の要請は、七尾市の住宅から。バッテリーがあがってしまったようです。

自宅が被災した 大根俊彦さん(70)
「(車を)動かさないと、水をもらいに行けないし、支援物資もいただけない。大変申し訳ないな、本当に」

大根さんの家は、いまだ水道が復旧していません。被災者にとって、車は生命線です。

自宅が被災した 大根俊彦さん
「生活するうえでは、なくてはならないものなので。多少(道が)荒れていても行かないといけない。行かないと、どうしようもない。水をもらいに行くにしても、途中(道が)こんなになっている」

JAFは、今回の地震直後に特別部隊を組織し、被災地での対応を拡充してきました。

JAF中部石川支部 南出雄基隊員
「災害があった時や、雪が降って依頼が殺到した場合に、他県の支部から支援隊を集結させて、稼働台数を増やして対応することで、待ち時間の緩和に努めています。“こんなことで呼んで申し訳ない”と言う方もいますが、遠慮せず、誠心誠意対応するのでご利用いただきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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