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“岸田派解散”の真意は? 専門家「総理のクーデター」「先手必勝」 総裁選も意識か【スーパーJチャンネル】(2024年1月19日)
岸田文雄総理大臣から“派閥解散”発言が飛び出しましたが、この発言は一体何を意味するのでしょうか?ジャーナリスト・後藤謙次さんの解説をまとめていきます。
■狙い(1)「総理のクーデター」 重鎮へ圧力か
長年、政治の世界を取材する後藤さんも思い切った発言だと話す“派閥解散宣言”ですが、後藤さんは、大きく“2つの狙い”があるのではないかと分析しています。1つは「総理のクーデター」、そして「先手必勝」です。
まずは「総理のクーデター」をみていきます。
現在の自民党派閥の人数を確認します。岸田派は、安倍派、そして派閥の解散に慎重な麻生派・茂木派に次ぐ「第4派閥」です。
そのため岸田総理は、さまざまな決定に派閥の意向が働く政治の世界で、これまでも麻生太郎氏や茂木敏充氏といった大きな派閥の重鎮に気を使い続けてきました。
そんななか“派閥解散”を打ち出すことで世論は岸田総理に傾き、慎重姿勢の麻生氏や茂木氏に“逆風”が吹くかもしれません。
そうなると、麻生派・茂木派も派閥解散を含めた対応を迫られるかもしれません。岸田総理にとっては“してやったり”というわけだそうです。
■狙い(2)「先手必勝」 国民へのアピールか
そして、もう1つの狙いが「先手必勝」です。
現在“政治とカネ”の問題を巡っては、自民党が「政治刷新本部」を立ち上げて「派閥のパーティーの禁止」などを検討しています。
ただ、国民からの「パーティーを廃止するだけでいいのか」といった声が、当然、懸念されるわけです。そこで岸田総理は、国民へのアピールのためにも他の派閥に先駆けて「解散」を打ち出したわけです。
それにしても、岸田総理は「政治の世界で派閥はいらないもの」と本心で思っているのでしょうか。
後藤さんによりますと、派閥では「政策の議論」などが行われるといいますが、事務所を借りたりスタッフを雇ったりと、「資金」がないと維持できないといいます。その多くは「パーティー」で集められます。
つまり「パーティー禁止」となりますと、資金が集められない派閥は維持できない。ならばいっそ、アピールにもなるし「派閥を解散した方がいいのでは」と考えたのではないかということでした。
■総裁選を意識? 派閥解散で幕引き?
さらに岸田総理の今回の発言、後藤さんは「“先”を見据えているのではないか」と指摘します。
それが今年9月の「総裁選」です。改めて派閥の勢力図を見ますと、一番多い安倍派が96人、麻生派が56人、茂木派が53人、岸田派が46人、二階派が38人、森山派が8人とあって、無派閥が77人います。
後藤さんによりますと、今回、岸田総理がいち早く“派閥解散”を表明したことで、岸田総理を評価した無派閥の議員が“岸田支持”に回る可能性が高まるといいます。さらに、派閥解散を訴える安倍派の若手議員なども“岸田支持”に流れる可能性があります。
そうなると、数としては麻生派や茂木派よりもはるかに多くなり、総裁選を優位に進められるわけだそうです。
もともとは“政治とカネ”の問題だと思いますが、岸田総理は派閥の解散で“幕引き”と考えているのでしょうか。
後藤さんに聞いたところ、「刑事処分は受けなくても極めて大きな道義的・政治的な責任がある」と指摘しています。
国民からすれば、派閥の解消で「臭いものにフタをしている」とも受け取られるかもしれない。ですから“どういうことが行われたか”というのを洗いざらい、政治家側が説明するべきだと話します。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月18日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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