「親としては成人式みたい」「自分だけ安全所に行くのは嫌」あす中学生“集団避難”【報道ステーション】(2024年1月16日)

「親としては成人式みたい」「自分だけ安全所に行くのは嫌」あす中学生“集団避難”【報道ステーション】(2024年1月16日)

「親としては成人式みたい」「自分だけ安全所に行くのは嫌」あす中学生“集団避難”【報道ステーション】(2024年1月16日)

石川県輪島市では、いまなお、6000人以上が避難生活を強いられています。極めて異例となる中学生の集団避難が17日から始まります。

輪島市内の3つの中学校は、避難所となっているため、授業が再開できない状態が続いています。

坂口さんは、家族で避難しています。
こころさんの父親・坂口政昭さん:「ここは娘が通う(中学校の)避難所なんですけども、この状況見てると、ここでの授業というのは難しいなって、目の当たりに感じます」

市の教育委員会によりますと、中学生401人のうち、集団避難を希望し、保護者の同意が得られた約250人が、17日、白山市の2つの施設に集団避難します。期間は、2カ月程度を想定しています。

坂口さんの娘・3年生のこころさんは、集団避難を選びました。
坂口こころさん(中3):「(勉強を)人に見られながらするのも嫌なので。やっぱ友だちがいるので、楽しみな方が大きいです」
こころさんの父親・坂口政昭さん:「親としては、ちょっと早い成人式みたいな感じ。いずれ親離れをしていくわけですから。いろんなことをたぶん考えてると思うんですよ。そのなかでの決断ですから、娘の意見はやっぱり尊重したい。みんな、それぞれ寂しい思い、つらい思いをしています。ぶつけ合っている暇もないくらい状況が変わっていくので、そのなかで、あとから来るかもしれませんね。その寂しさとか、そういうのね」

自宅で在宅避難を続ける家族。1年生の娘が集団避難することに決めました。
杉木穂華さん(中1):「家族たちと離れて、楽しいこととかできなくなって、不安はあります。(Q.集団避難を決心した理由は)友だちと会えてなくて、会いたいっていう気持ちと、前の学校生活に少しでも戻れたらいいなって思いました」

送り出す親の不安は消えません。
穂華さんの母親:「あっちでちゃんと生活できるの不安。何も内容がわからなくて不安。寂しいです。『携帯も持って行っていい』と言っているが、避難先のルールに従って使えるだけ。連絡もとれるかもわからないし、あっちの状況がわからない。本当はこっちにいてほしい。(Q.そんななか送り出す理由は)娘の意思です。強い意思。あっちに行きたいっていう、その思いだけで送り出す。本当は反対」

一方で、避難しないことを決めた家族もいます。
3年生の船本美優さんは、両親と兄の4人で、避難所生活を続けています。
船本美優さん(中3):「いつ大きな地震が来るかわからないので、2カ月も親と離れるのが、ちょっと不安だったからです。自分だけ安全な所に行くって、ちょっと嫌だなって思いました」

4月から通う予定の高校は市外にあるため、家族と離れることになりますが、今の状況でははっきりしません。
美優さんの父親・船本貴宏さん:「本人の好きなところに行けばいいかなと思っていたが、本人が(残ると)。残された3カ月、有意義な生活というか、しっかりと娘をサポートしたいと思っております」

※輪島市の中学生約250人の集団避難先ですが、普段は自然体験学習などで使う場所です。白山市によりますと、1、2年生は主に『白山ろく少年自然の家』、3年生は『白山青年の家』に宿泊し、食事が提供されるといいます。

1、2年生は約150人で、白山市内の中学校で場所を借りて授業をする予定で、3年生は約100人で、施設の学習スペースで授業予定だということです。

3年生は受験シーズン。輪島市によりますと、輪島市の教員が同行して対応予定だといいます。教科書や筆記用具などがそろわない生徒は支援を行います。受験生のために、夜は“自習部屋”を開放して、勉強ができるようにする予定です。また、輪島市に残る生徒については、白山市とリモートでつなぎ、同じ授業を受けられる様にするか検討中です。異例の集団避難のため、17日に生徒が来てから細かい対応を決めていくといいます。

環境が大きく変わることから、スクールカウンセラーの配置も検討されていて、また、家族との面会については、土日はもちろん、平日も家族が会いに来るのは制限がないそうです。ただ、家族が迎えに来られないなど、生徒単身での一時帰宅は、難しいだろうとのことでした。

隣の珠洲市や能登町でも集団避難が検討されています。珠洲市には約200人、能登町には約250人の中学生がいます。現在、珠洲市、能登町とも希望する生徒がいて、聞き取りを集計中で、避難先は県の施設を想定して検討中だといいます。どちらの教育委員会の担当者も「学習の機会に差が出るといけないので、できるだけ早く決めたい」と話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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