「家が買えない」若者の選択は?“第3勢力”に熱狂 台湾総統選【news23】|TBS NEWS DIG

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「家が買えない」若者の選択は?“第3勢力”に熱狂 台湾総統選【news23】|TBS NEWS DIG

街に現れれば記念撮影待ちの行列、街宣車で走ればバイクに乗った若者がついてくる…いま台湾の若い世代の支持を集めているのが民衆党の柯文哲候補。これまで台湾の政治は2つの政党が政権を争っていましたが、今回は「第3勢力」の柯候補が若者たちを熱狂させています。「家を買えない」「働いても希望が無い」と嘆く若者たち。台湾総統選で彼らが未来を託すのは?

終始、優勢に選挙を戦ってきた与党・民進党。

一方、8年ぶりの政権交代を訴える野党・国民党。

これまで台湾の政治は、この2つの政党が政権を争う構図でしたが、今回は違う展開となっています。それは…。

民衆党 柯文哲 候補
「青(国民党)と緑(民進党)は過去のものとなり、民衆党には未来がある!」

「台湾の選択は柯文哲!」
「唯一の選択、柯文哲!」

今回、「台風の目」となったのは民衆党の柯文哲候補。国民党でも、民進党でもない、第3の選択肢を提示し若者を中心に熱狂的な支持を集めています。

記者
「柯文哲候補の街宣車がやってきました。柯文哲候補の後を支援者がバイクで追っています。ほとんどが若い人たちです。若い支援者たちが柯文哲候補の後をついて行っています」

「唯一の選択は柯文哲」

まるでアイドルのような人気ぶり。1時間たっても一緒に写真を撮りたいという若者たちの行列は途切れることはありません。

Q.なぜ若者はあなたを支持するのですか?
“第3勢力”民衆党 柯文哲候補
「彼らは私に希望を見出しているのです。ほか2つの党に希望はありますか?ありませんよ」

銀行で働くこちらの女性(27)。以前は民進党を支持していましたが、今回は柯文哲候補に入れると言います。その理由は。

柯候補に投票予定 姜さん(27)
「台湾では若い人が家を買う余裕がありません。すごく辛いです。昔は一生懸命働けば希望がありましたが、私たちの世代はそうではありません」

彼女の言うように、現在、台湾の住宅価格は上昇し続けていて、2016年に比べ、2022年はおよそ3割も上昇。また、15歳から24歳の失業率は11%に上っており、就職難も若者の不満に拍車をかけています。

柯候補に投票予定 姜さん(27)
「民衆党が台湾の問題を解決してくれることを一番期待しています」

国民党を支持していたこちらの男性(38)もまた、柯文哲候補に投票すると言います。

柯候補に投票予定 李さん(38)
「生活の質は最悪ですよ。若者は苦しいし大変です。希望がありません。若者は家が買えません。だからまだ結婚してないし、子どもを作ろうとは思いません。38歳なのに独身です。国民党も民進党も大差ありません。(中国と)統一だの独立だのと罵り合っているだけです。第3党(民衆党)に任せて変化させるべきです。みんなが公平で若者に希望を与える台湾になってほしいです」

世論調査では、依然として民進党の頼清徳候補がリードしていますが、若者の不満について、どう受け止めているのか、聞いてみました。

Q.若者の生活に対する不満をどう受け止めて、どう解消しますか?
与党 民進党 頼清徳 候補
「住宅・教育・雇用の面で若者の不満が多いことは事実です。政府はこの問題を重く受け止めています。彼らが台湾に希望を見出すことができるように、夢を追い求めることができるようにします」

一方、世論調査で2位につけている国民党の侯友宜候補は、自身の新北市長としての実績や中国との関係を強化することで、台湾経済を浮上させると訴えています。

若者の不満の受け皿となっている柯文哲候補。どこまで票を伸ばすのか注目されています。

Q.取材を続けてきた寺島記者に伝えてもらいます。若者による柯文哲候補の支持は熱狂的でしたが、これは選挙にどのような影響を与えるのでしょうか?

柯文哲候補が若者層の不満の受け皿になった形ですが、ほとんどの世論調査では3番手と苦戦しています。

ただ、民進党も国民党も弱点である若者層を取り込むため、終盤戦は内政面についての主張が増えたように感じます。

総統選と同時に行われる国会議員に相当する立法委員の選挙では、与党・民進党の議席が過半数を割るという予想もあります。

ますます若い世代の票の取り込みが重要になるとみて、各党が取り組みを強化するという見方も出ています。

Q.日本への影響はどうですか?

日本への影響として懸念されるのが台湾有事の可能性です。中国が「独立勢力」とみなす民進党の頼候補が当選しても、急に態度を硬化させるようなことはないという見方が多いように見受けられます。

日台関係については野党の2人が総統となった場合、中国との距離感によっては、今よりはギクシャクする場面が出てくる可能性もあります。

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