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【独自】石川 孤立地域“全住民避難”すでに始まっていた“集団”移動の現実【報道ステーション】(2024年1月12日)
道路やインフラの復旧が進まず“孤立の長期化”が避けられないなかで、石川県はついに、集落の“全住民避難”という対応に踏み切りました。ふるさとに残りたいという住民の葛藤もあるなかで、異例の対応に踏み切った一部始終を、当事者が報道ステーションの取材に語りました。
◆2日で255人移送…その時何が?
大きな被害を免れた金沢市は、輪島市・南志見地区からの被災者255人を受け入れました。ほぼ全ての住民が2次避難したことになります。なぜ、そのようなことができたのでしょうか。
輪島市南志見から避難 堂前知恵子さん(71)
「議員さんが南志見出身の人と話して『きょうのうちに貴重品を取りに家に戻り、12時までに帰って来い』と(避難所にいる)みんなの前で言った。(Q.持ち出してきた荷物は?)これとリュックサックだけ。時間も1時間で限られているから、その範囲にしないといけなく必死で。ブレーカー下ろせと言われて、水の栓も閉めろと言われて」
◆県議が説得するも…割れる意見
どうやら議員の発案だったようです。思いがけず、その本人がやってきました。石川県議会の吉田修議員です。
石川県議会 吉田修議員
「自衛隊でも警察でも消防でもないけど、1人の人間として(南志見地区の)避難所の環境を見た限り、あと3日でも1週間でも10日でも、あの状態で置いておくことができない」
吉田県議の親族が、南志見地区出身だといいます。現地入りしたのは8日の夜。避難所で被災者の説得にあたりました。
輪島市南志見から避難した男性
「『ライフラインの復旧は、GWが過ぎてもお盆が過ぎても分からない。確約できるか分からないから“全員避難”にふみ切りますよ。県庁での話し合いがそうなった』という言い方。『県庁で』と強調しましたので」
輪島市南志見から避難した男性
「『絶対行かない』という人はいて『自分の財産があるのに』『家がある』とか、『俺はここに生まれたから、ここにいる』『建てて間もない立派な家がある』そういう理由を言う」
◆県は「検討」の5時間後に「方針決定」
被災者のなかでも意見が割れたという、集落単位の丸ごと避難。石川県としての動きが明らかになったのは、11日の災害対策本部会議でのこと。
石川県 馳浩知事
「道路の復旧のめどが立たず、集落の孤立状態が長期化することが判明した以上、災害関連死を防ぐためには、集落の避難者を丸ごと、金沢市以南の避難所に移送することも考えなければならない時期にきているのではないか」
この5時間後、石川県の公式アカウントには…。
石川県公式X
「孤立の長期化が判明した地区では、集落単位で丸ごと避難いただく方針としました」
◆すでに始まっていた“集団”移動
この投稿があったのが、11日午後9時過ぎです。ところが、被災者の移動は10日から始まっていました。10日に南志見地区からヘリで移動した夫婦は、こう話します。
輪島市南志見から避難 濱高悦朗さん(83)
「ペースメーカーを入れているので、色んな機材でキュッと痛くて。だけど、そんなふりはできないと思って頑張りました」
輪島市南志見から避難 濱高泰子さん(81)
「もう南志見には来られないと思って出てきました」
こういう流れだったようです。孤立した南志見地区から、まずは自衛隊の輸送拠点となっている輪島市の中心部へ。そこからは大型ヘリで金沢に移動します。10日も11日も、この動きが繰り返されました。
石川県議会 吉田修議員
「(Q.どういう言葉で説得を?)『最終的には、個人の判断で決めてください。でも、私の立場から、金沢から能登を見た状況では、これ以上ここでお住まいになっても、生きていける保障はありません。ある意味、命がかかっている状況下で、協力をお願いできませんか』と」
◆「命令に近い」避難者の本音
ただ、こう受け止めた人もいます。
輪島市南志見から避難 今寺四郎さん(70)
「『この地区は閉鎖して、金沢へ引っ越すよ』と。これはある種、選ぶのではなくて“移動する命令”に近いものが、9日の夜にありました」
輪島市南志見から避難 堂前知恵子さん(71)
「水も電気も出ないところにおっても、ひと月ふた月なら我慢できるけど、1年も2年も我慢できない。“避難が正しい”と思ったから従いました。20歳で嫁に来たからね。50年いました。離れるのはつらいけど、仕方ないです」
◆別の地区でも…近く移送開始へ
孤立は徐々に解消されていますが、輪島市では10地区1616人と突出しています。南志見地区だけではなく、西保地区のまるごと避難も決まりました。
石川県 馳浩知事
「毎日、自衛隊が水物資を担いで坂道を登って来てもらってるけど、何十カ所どころではない。いつまで自衛隊の皆さんにお願いしなければいけないのか。それを考えたら、2次避難所に集落ごと移ってもらいたい」
受け入れを決めたのは、輪島市から直線距離で100キロほど離れた、白山市です。早ければ13日から順次、受け入れを始めるそうで、準備を急ぎます。
白山市危機管理課 大西隆之課長
「県から『地域コミュニティー丸ごと避難させたい』と要望・要請がありましたので、我々としても対応したい」
◆“中学生のみ”集団避難の動きも
大規模な避難は他にも。輪島市は、中学生の“集団避難”も検討しています。市内の全中学生、約400人が対象で、2カ月ほどふるさとを離れて、白山市で学ぶことになりそうです。
中学生の母親
「もどかしいですね。ちょうど受験の間近なので。離れ離れになるのは寂しいけれど、仕方ないことかなと」
中学3年生
「正直、輪島に残りたいんですが、地震が来て何もできないので。白山市に行って、いっぱい勉強しようと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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