九州に全国初の「線状降水帯」の予測情報|TBS NEWS DIG

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気象庁は15日、線状降水帯の予測情報を、全国で初めて九州北部・南部に発表しました。

3連休を目前に、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があり、気象庁は厳重な警戒を呼びかけています。

■15日夜から16日午前中にかけて九州に線状降水帯発生のおそれ

ホラン千秋キャスター:
キーワードは線状降水帯。その中でも予測情報というところに注目します。

15日午前10時半、九州北部・南部に線状降水帯予測情報が初めて発表されました。これまでも発生情報は発表されたことがありますが、予測という情報は初めてです。

では、線状降水帯とはそもそもどういったものなのでしょうか。
2020年7月豪雨の雨雲レーダーです。赤くなっているところが線状降水帯です。レーダーで見ると、赤いところが帯のように連なっているのがわかります。

線状降水帯というのは、大気が不安定になると発達した雨雲が次々と発生します。これが緩やかに風で少しずつ流されることによって、そこに雨雲が次々と発生して線のように連なって線状降水帯になっていくということです。
結果的に数時間ほぼ同じ場所にこの発達した雨雲が停滞し続けるような状況になります。そうしますと局地的な豪雨をもたらすということになるのです。

■全国初「線状降水帯予測情報」が発表 要“厳重警戒”

ではこの線状降水帯は、どういった被害を過去にもたらしたことがあるのか。

2020年の7月4日、熊本の球磨川が氾濫しました。その際、老人ホームが孤立・水没するなどの被害がありまして、最終的に死者は67人、2年経った現在約2600人が仮の住まいで生活をしているということで、この線状降水帯が発端となって大きな被害・災害をもたらすということがあるわけです。非常に危険な現象です。

“あらかじめ皆さんにお伝えできたらいいですよね”ということで、2022年の6月から運用が始まりました『線状降水帯予測情報』というものですが、線状降水帯が発生する半日~6時間前までに発表する予測情報です。全国11の地方単位で発表されますが、15日初めて発表されました。

その場所というのが、山口県を含む九州北部と九州南部です。15日の夜から16日の午前中にかけて大雨の危険度が急激に高まる可能性があるということです。

どうやって予測するのかという点ですが、スーパーコンピューター「富岳」や、気象庁が初めて導入したマイクロ波放射計など、こういったものを使って“世界最高レベル”の技術で予測するということですが、世界最高レベルでも的中率は4分の1程度。これは精度が低いというというよりも、非常にこの予測が難しいということです。

4分の1ならそんなに当たらないじゃないかというふうに思ってしまうかもしれませんが、気象庁によりますと「仮に線状降水帯にならなかったとしても災害級の大雨になる可能性もあるため、厳重に警戒してください。この予測情報が出た段階で厳重な警戒をお願いします」というふうに話していました。

井上貴博キャスター:
気象予報士の皆さんとしてもかなり“不気味な状況になってきた”というふうに話しますね。

國本未華気象予報士:
特に今回暗くなってから(雨が)強まる見通しですので、これからまだ日没まで時間があるのでその間に避難、安全な場所に移動するっていうことをお願いしたいですね。

井上キャスター:
振り返ってみますと、2017年から5年連続で毎年7月か8月に大雨災害が起きているんですよね。しかも九州が多い。今年もまたかという。

■3連休のスタートは激しい雨に注意 予想を上回る雨量の恐れも

國本気象予報士:
15日の午後4時ごろは、関東周辺に雨雲があって、南からまた次々に来そうなので、この後も激しい雨に注意です。それから既に九州では雨が繰り返し激しく降っている状況です。この九州の西側にまだ活発な雨雲を控えているので、これが次々とかかってきそうです。

雲の動きです。今回この原因が日本海に中心を持つ低気圧ですけれども、上空に寒気を伴っているため、激しい雨があちこちで起きているということです。前線があるんですけれども、この前線が16日にかけてゆっくり南下していきます。この前線が南に下がるときというのが、災害に結びつく大雨になることが多いんです。今回もまさにそのパターンが予想されていまして、16日にかけて九州は次々に非常に激しい雨が降る恐れが出てきています。

15日の夜、関東も雨がピークですけれども、一段と雲が発達してくるのが夜中です。長崎周辺に激しい雨雲が予想されてはいるんですが、これが多少南北にずれることがありますので、九州北部に限らず南部の方も警戒を続けてください。夜の間が雨のピークです。

16日になると、日中、四国から紀伊半島、さらに16日のお昼頃には東海地方へと活発な雨雲が移動していきます。また、関東で夜になって雨のピークになりそうです。

16日昼までの予想雨量のまとめです。▼九州南部・九州北部は多いところで250ミリですが、予想を上回る量になる恐れがあるので災害に警戒をお願いします。

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