自衛隊 バケツリレーで物資輸送、700人以上“孤立”の町へ、能登半島地震【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

自衛隊 バケツリレーで物資輸送、700人以上“孤立”の町へ、能登半島地震【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

自衛隊 バケツリレーで物資輸送、700人以上“孤立”の町へ、能登半島地震【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

能登半島地震の震源となり、津波に襲われた石川県・珠洲市内の小学校で、きょう始業式が行われました。

再開の動きがある一方で、「Nスタ」は、自衛隊が行う支援物資の輸送に密着しました。

■「孤立状態」なぜ解消しない?

井上貴博キャスター:
東日本大震災のときも孤立集落はありましたが、今回はそのとき以上に孤立解消が進んでいきません。まずは今、確認できるデータからみていきます。

孤立集落は
輪島市 ▼14地区
珠洲市 ▼6地区
能登町 ▼2地区

22地点で2562人(11日時点)となっています。10日までで3000人強だったので、少しずつ解消に向かいつつあります。

国土交通省によると集落の孤立解消が進まない理由は、大きく3つあると言われています。

【陸路】
・大量輸送できる幹線道路に被害
・半島のため南側しか移動できない

【空路】
・山地が多く着陸できる場所が少ない

【海路】
・沿岸部は断崖絶壁が多い
・海底隆起の被害も

道路状況についてです。
今、通れる道路は青色で示してあります。本来、沿岸部に1周できる道路がありますが、ここは全く通ることができません。

私たち取材班も、金沢の方から富山湾サイドに時間をかけて行くことができましたが、山を越えるため(日本海側に行く)には、徒歩しか手段がありません。

ですので自衛隊の皆さんも、徒歩で孤立集落に入っているような状況です。このように寸断されていると、孤立集落解消に向かうことができないということです。

■孤立集落は今… 「ライフライン全く通じず」「衛生用品が不足」 

輪島市・鵠巣地区では、320人が孤立状態にあります。(11日午後2時時点)

名古屋市在住の山下加南子さんは、帰省中に被災し、鵠巣で避難所の運営をしています。
現在、電気・ガス・水道のライフラインは全く通じず、電波はかろうじて海の方に行くと少し通るということです。

水や食料などの物資は確保できていますが、かなり栄養に偏りが出てきているそうです。タンパク質、例えばプロテインのようなもの、あとはビタミン剤などがあれば、というところかもしれません。

また、手や体を拭くシートなど衛生用品が不足しているという話がありました。

■気持ちが「孤立」してしまったら、どう向き合えばいい?

ホラン千秋キャスター:
自衛隊・自治体の皆さんが支援を必要としている方に届けようと思っていても、物理的な要因などで、どうしても届けることができない背景があります。そうすると取り残されたような気持ちになってしまう人もいるかもしれません。そういった心の部分は、どういうふうに向き合えば良いでしょうか?

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
いろいろな研究でわかっていることは、例えば孤立している状態、特にそれが劣悪な環境、例えば災害や戦争で、本当に孤立をしてしまったときに、もちろん社会支援が立ち上がってしっかりヘルプするということはもちろん大事なのですが、本人に何ができるか、ということです。

本当に誰もいなくなってしまって、自分が頑張らなきゃいけないというようなときに何ができるかというと、自分の頭の中で、もう1人の自分を味方にするというような研究があります。

例えば「もう駄目だ」という独り言を「今日の自分はこんなことをやって、それはすごく良かった」とか言い換える。当たり前に聞こえるかもしれませんが、実はどんな環境でも、自分を生き延ばすために重要なのは「独り言の調整」だというようなこともあります。

簡単にできますが、とても難しい。ただ、それだけのことで心の健康は保てて、希望すら持てることはあるので、難しいかもしれないですけど、自分がどれだけできたかということをちゃんと確認したり、「今日は片付けを少しやろう」「手を洗うことはいつもやれている、私はすごい」というように一生懸命、言葉を作るということは大事です。

井上キャスター:
「“自分”が頑張っている」という独り言ではなく、自分という主語を「名前」に変えて、ちょっと距離を置くと良いという話もありますね。

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
主語が少ない日本語ですが、「京は頑張った」と言っただけで、誰かに褒められてるように感じるというような脳のシステムがあります。

なので「私は」というよりは、自分の名前を言って「〇〇はすごく頑張ってるよね、偉い偉い」というように褒めることも、実は脳の中ではとても良い影響が出るということがわかってます。

■孤立集落の支援にドローンを活用

井上キャスター:
今、自衛隊として力を入れているのがドローンです。というのも、住民の皆さんが徒歩で運搬しているような状況を何とか解消したいということです。

ヘリコプターよりドローンの方が土地が狭くても輸送することができ、時間短縮もできます。

▼徒歩 約1時間
▼ドローン 約10分

日本UAS産業振興協議会総合危機管理士の嶋本学さんによると
・輸送にかかる人員削減
・危険な道での二次災害防止に有効

だということです。

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