“焼失”の輪島朝市で大規模捜索 被害拡大の要因は…消火用水が「なくなっちゃって」【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月10日)
能登半島地震は発生から10日で10日目です。
■8日ぶりにM6以上 新潟で最大震度5弱を観測
9日夕方、新潟県で最大震度5弱を観測する地震が発生しました。マグニチュードは6.0と推定されます。
1日に撮影された、地震発生の瞬間です。立ち上がることができず、へたり込む人々。
この日に起きた地震は、マグニチュード7.6とマグニチュード6.1。これ以降、マグニチュード6以上の地震は、8日ぶりのことです。
9日の地震は石川県ではなく、新潟県で最も揺れました。
東京大学 地震学 平田直名誉教授
「一連のものです。最初に起きた地震は非常に大きな地震なので、この数日、起きている地震活動も1日からの地震活動の一連のものが引き続き起きている」
9日の震源地は、能登半島から離れた新潟の佐渡付近でしたが、すべて同じ地震活動だといいます。
震源地は、能登半島を中心に東は佐渡付近まで広い範囲に拡大しています。
平田名誉教授
「この範囲は、多少は広がっていく。たくさん地震が起きている所の周辺部、能登半島の少し南側でも今まで強い揺れを感じてない場所でも揺れる可能性はある」
■輪島朝市の火災 「水がなかったことが一番悔しい」
能登半島地震は今なお、甚大な被害の全容が把握できていません。
石川県は9日午後、死者数が202人になったと発表しました。午前の発表から22人増えました。
すすのにおいが立ち込める輪島朝市では、一斉捜索が始まりました。
連絡の取れていない安否不明者は、石川県全体で102人に上りますが、そのうち86人が輪島市に集中しています。
朝市の近くにあった自宅が燃えた85歳の女性。知り合い2人の安否が分かっていません。
住民
「ただ涙だけが出る。悲しくてね。本当に火事を恨みます。火事さえなければ…。消防車の人が『水がないから消火できない』と言うから、ぼうぜんと見ているだけ」
被害を拡大させた、消火用の水不足。その実態を、最初に消火活動にあたった消防団に聞きました。
輪島市消防団 川端卓団長(76)
「放水しようと思ったら、水がなくなっちゃって。川の水が引いてしまって、水を供給できなかった」
地震による断水に加え、津波の引き潮により、川にも消火する水がなかったといいます。
川端団長
「水がなかったことが一番悔しい」
■「罹災証明書」の申請はじまる
珠洲市では、建物の被害を証明する「罹災(りさい)証明書」の申請が始まりました。これからの生活で、様々な公的支援を受けるために欠かせません。
さっそく申請を行った大石雄三郎さん(68)が、自宅に案内してくれました。
大石さん
「(Q.家の窓が閉まらなくなっていますね)外れて、倒れて、割れて。雨が入ってきたらまずいので、シートでふさいでいる」
先月中旬に、この家に引っ越してきました。ついのすみかにしようと、リフォームを続けていたところでした。
大石さん
「死ぬまで珠洲市に住みたい。時間をかけてやっていくしかない」
■孤立状態の避難所 「集団感染に注意」
9日は、自衛隊の医官らを中心としたチームが被災地の巡回に出発しました。
地震発生から1週間を超えましたが、被害の大きかった輪島市や能登町など22の地区で、3000人以上が現在も孤立状態にあります。
自衛隊がやってきたのは、珠洲市の沿岸に位置する大谷小中学校。孤立状態にある地区の避難所になっています。
身を寄せる住民は、200人以上。物資も届き、食糧事情などは改善されつつありますが、喫緊の課題は、衛生面だといいます。
避難所の責任者 川端孝さん
「発熱者も出ているので、感染させないよう注意を払いながら、発熱のあった方は別の階に隔離する形で、今も濃厚接触者で5日間、隔離した状態の方が2人いる。集団感染だけは気を付けてやっている。今は看護師が対応してくれているが、皆さん、寝たか寝ないかぐらいの過重労働。医師に常駐してもらえれば非常に助かる」
被災地によって、被害状況や求める支援の形も様々です。
(「グッド!モーニング」2024年1月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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