「政治資金規正法」はザルか…「政策活動費」として“キックバック”?使途・入手先不明のカネとは【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG
広がる自民党の裏金疑惑。東京地検特捜部は、政治資金規正法違反の疑いで安倍派と二階派の強制捜査に踏み切りましたが、この法律には抜け穴があり、「ザルだ」という指摘もあります。
何を“規正”できていないのか。手作り解説でお伝えします。
■“ヤミ献金”5億の処分が罰金20万
これまで「政治とカネ」の疑惑が浮上するたびに改正されてきた「政治資金規正法」ですが、きっかけの1つが1992年の東京佐川急便事件です。自民党副総裁(当時)の金丸信氏に東京佐川急便の社長からの、5億円の“ヤミ献金”が明らかとなり、検察は取り調べも行わず、罰金刑20万円で事件を収束させました。
世間の不満は噴出し、検察庁の看板には、黄色いペンキが投げつけられました。
■大規模改正で「企業団体献金禁止」、新たに「政党交付金制度」も
そして“政治改革”を求める声が高まり、1994年に規正法は大きく改正されます。まず、企業・団体から“議員個人”への寄付が禁止。有罪が確定した際には、議員の資格を失うことに。そして寄付に代わり政治活動を支えるため「政党交付金制度」が始まります。国民一人あたり250円を負担し、議員数などに応じて各政党に交付金が配られます。
この制度で少しでも変わるかと思われましたが…
■まだまだ“ザル”? 使途・入手先不明のカネ
いまも“抜け穴”が多く「ザル」だという指摘も。
ザルから抜け落ちるモノの一つは、企業や団体から「議員個人への寄付」が禁止される一方、「政党や政党支部への寄付」は可能となっていること。
このカネを政党は各議員に渡すことができます。
自民党ではこれを「政策活動費」と呼んでいます。
政党側は、誰に幾ら支払ったかなどを公開する必要があり、自民党は去年2022年、茂木幹事長ら幹部15人にあわせておよそ14億円を支払いました。
ところが、議員側は使い道を報告する義務がありません。
ザルから抜け落ちるもう一つは、政治資金パーティー。
パーティー券の購入は企業や団体など誰でも可能です。寄付の場合は年間5万円を超えると名前が公開されますが、パーティー券は20万円を超えなければ、“匿名”で購入できるのです。
いま問題となっている自民党の派閥パーティーですが、パーティ券を各議員がいくら売りさばいたのかも自己申告で、過少申告があっても、派閥から議員へのキックバックがあっても、外からチェックするのは困難です。
■専門家「抜本的な見直しが必要」
こうした中、規正法改正の動きも出ています。立憲民主党は
「企業や団体のパーティー券購入禁止」や「すべての収支報告書をひも付け、オンラインで閲覧できる」ことなどを柱とした改正案を提出。
政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信名誉教授は
「法改正でザルの目が細かくなるたびに、政治家は新たな抜け穴を利用する。抜本的な見直しが必要だ」と話していますが、果たして“ザル”の目をふさぐことはできるのでしょうか?
(「サンデーモーニング」2023年12月24日放送より)
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