障がい者3人“AIピアノ”で演奏 オーケストラや合唱団と「第九」【スーパーJチャンネル】(2023年12月23日)
障害のある女性3人がAI(人工知能)による自動伴奏機能付きのピアノでオーケストラや合唱団とベートーベンの「第九」を奏でました。
■障がい者3人“AIピアノ”演奏
21日、東京のサントリーホールで開かれた年末の風物詩、ベートーベンの“交響曲第九”のコンサート。オーケストラとともにピアノを弾いているのは東野寛子さん(39)。生まれつき右手の指にハンデを抱えています。
「だれでも第九」と名付けられたこのコンサート。プロデューサーは…。
音楽プロデュース・編曲 高橋幸代さん
「音楽の本質というか正解って何だろうとすごく考えさせられて、正解なんてもちろんないんですけれども、障害があったり寝たきりだったり、手が思うように動かないからピアノは弾けないよねとか、プロとは共演できないよねとか、そういうことを覆したい」
障害のあるピアニストがオーケストラや合唱団と共演したいという“長年の夢”を叶えるために行われたコンサート。ピアノを弾くのに合わせ、伴奏とペダルが自動で追従する“AI”技術を搭載した「だれでもピアノ」を使って演奏しています。
宇佐美希和さん(24)は脳性まひで、両手足を自由に動かすことができません。8年前、学校でピアノを演奏していた希和さんの姿を見た東京藝術大学の高橋さん。
音楽プロデュース・編曲 高橋幸代さん
「希和さんが指1本で奏でるショパンの『ノクターン』を初めて聴いた時の衝撃は忘れられません。頬を真っ赤にして顔が鍵盤にくっ付きそうになりながら、1本1本の指で懸命に紡ぎ出すメロディーは途切れ途切れになるけれども、そこにはまぎれもない希和さんの音楽がありました」
希和さんが奏でるピアノでひらめいたことから、だれでもピアノプロジェクトが始まりました。
宇佐美希和さん
「私はピアノで『第九』が弾きたいです」
9カ月の猛練習を経て、オーケストラや合唱団と一緒に第九の演奏をするという夢が叶った希和さん。AIは鍵盤を弾くタイミングや強度、速度に合わせて伴奏音が自動的に演奏され、希和さんをサポート。
第3楽章でステージに登場していたのは、先天性の筋肉の難病で普段から寝たきりで生活している古川結莉奈さん(10)。小さいころから音楽が大好きで、右手の親指で電子キーボードを弾いていたそうです。
「だれでも第九」ピアニスト 古川結莉奈さん
「プロと共演したい。ピアニストになれるかな」
音楽への熱い気持ちを語っていた結莉奈さん。
「だれでも第九」ピアニスト 古川結莉奈さん
「最初、難しいと思ったの。でも練習をたくさんやって」
コンサートを終えた3人のピアニスト。その感想は…。
古川結莉奈さん
「楽しめてうれしいです」
宇佐美希和さん
「楽しかったです。本番には魔物が住んでいる」
古川結莉奈さん
「その通り」
「だれでも第九」ピアニスト 東野寛子さん
「『その通り』って言っている。楽しかったです。やっと楽しめました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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