【安倍派議員に任意聴取開始】裏金問題で4閣僚交代“人事刷新”岸田総理の政権運営は【日曜スクープ】(2023年12月17日)
自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金問題で、東京地検特捜部は16日、同派議員への任意聴取を開始したことが、関係者への取材で明らかとなった。安倍派の政治団体「清和政策研究会」には、パーティー券の販売ノルマを超過した収入が議員側にキックバックされ、政治資金収支報告書に記載していない疑いがある。特捜部は使途確認と実態解明を目指す。不記載の金額は昨年までの5年間で約5億円に上ると見られている。特捜部は、議員秘書への任意による事情聴取を実施しており、「不記載は派閥の指示だった」との供述を得ている。
岸田総理は14日、松野博一官房長官の後任に林芳正前外務大臣(岸田派)を、西村康稔経産大臣の後任に齋藤健前法務大臣(無派閥)を、鈴木淳司総務大臣の後任に松本剛明前総務大臣(麻生派)を、また、宮下一郎農水大臣の後任に坂本哲志元地方創生担当大臣(森山派)を起用した。安倍派に所属する副大臣5人も交代した。松野博一前官房長官、高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長については、「5年間で1000万円以上」のキックバックを派閥から受けていたとも報じられている。安倍派に所属する自民の萩生田光一政調会長は14日、岸田総理に辞表を提出した。萩生田氏は11日、「閣僚や副大臣が辞めなければならない事態になるとすれば、政調会長の責任も同等かそれ以上に大きいと思う。出処進退については自分で決めたい」と語っていた。2024年度予算案の閣議決定が予定されている22日に交代となると見られる。
所属議員99人を擁する自民党最大派閥の清和政策研究会(清和会)は、福田赳夫元総理が1979年に結成した。同会の名称は「まつりごと清ければ人おのずから和す」という意味を示す「政清人和」という言葉に由来するとされている。森喜朗氏が総理に就任した2000年以降は森、小泉、安倍、福田と、4代連続で総理・総裁の出身派閥となり、この間2005年の衆院選、いわゆる「郵政選挙」で大勝するなどして最大派閥に躍り出た。2009年の民主党政権を経て、自民党が政権に返り咲いた後には、安倍元総理が憲政史上最長の在任日数を記録した。安倍派は、岸田内閣の発足以降も影響力は健在だったが、昨年7月以降、安倍元総理亡き後は派閥の執行部による集団指導体制となっていた。
安倍派に所属する宮澤博行前防衛副大臣が、3年間で140万円のキックバックと政治資金収支報告書の不記載を認めた。宮澤氏の「記載しなくてよいと、派閥の指示があった」と証言し、派閥内で緘口令が出されていたことを明言した。裏金捻出は、ノルマを超えてパーティー券を売り上げた所属議員に超過分をキックバックするスキームと見られている。キックバックを受けた議員秘書らは、特捜部の任意聴取に対して、「政策活動費であり、政治資金収支報告書に記載する必要がないと派閥から指示された」と供述している。
★ゲスト:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)、久江雅彦(共同通信社編集委員兼論説委員/杏林大学客員教授)
★アンカー:木内登英(野村総研エグゼクティブエコノミスト)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く