時速160キロの事故で夫の命を奪われた妻「過失で終わらせたくない」 きのうが夫の誕生日 “危険運転”適用求めるもハードルの高さとは 宇都宮市 | TBS NEWS DIG #shorts
今年2月、法定速度60キロの道で160キロ出していた車が追突事故を起こし、男性が死亡しました。「法定速度を100キロも超えているのに、過失運転で終わらせたくない」、遺族の悲痛な訴えです。
佐々木多恵子さん
「主人が追突されて、亡くなった事故現場です」
佐々木多恵子さん。10か月前、この場所で夫を亡くしました。きのうが夫の64歳の誕生日でした。
佐々木多恵子さん
「悲しいですね、一緒に祝えないっていうことは。当たり前のようにずっと一緒にいられると思っていたことが、こんなにもあっけなく終わっちゃうっていう」
夫の一匡さん(当時63)は時速160キロで走る車に追突され、命を落としました。
佐々木多恵子さん
「すごく慎重に運転するので、必ずスピードとかそんな出さないし、もう慎重に慎重に運転するので」
一匡さんは、自動車メーカーで働いていたという職業柄、人一倍、運転に気を配っていました。
佐々木多恵子さん
「車で出かける時は必ず外まで出てきて、『いってらっしゃい』って言ってくれるんですよ。それが毎日そうだったので、嬉しかったですね」
事故は、一匡さんの仕事帰りに起きました。
佐々木多恵子さん
「(一匡さんから)会社出る時に『帰るよ』っていう連絡が入った、午後9時くらい。気がついたら10時すぎていたりとかして、あれ、遅いなと考え出して」
多恵子さんは「何かあった?」と連絡をしましたが、返事が来ることはありませんでした。
これは、一匡さんが事故当日に乗っていたバイクです。後方部分が跡形もなくなっています。
起訴状などによりますと、車を運転していた石田颯汰被告は、2月14日午後9時半ごろ、法定速度60キロの宇都宮市の国道を友人のバイク2台を追いかける形で走行。前方を走っていた、一匡さんのバイクにおよそ160キロで追突したということです。そして、事故から2週間後…
佐々木多恵子さん
「警察の人から初めて想定160キロと言われたんです。何なんだろうって、ちょっともう本当に怒りが沸いてきました、その時は」
時速160キロだったと認定されたものの、宇都宮地検はより罪の重い危険運転致死罪ではなく、過失運転致死の罪で起訴。検察は、その理由について…
佐々木多恵子さん
「(検察は)まっすぐ走れているので、それは運転を制御できているということにあたる。危険運転にはなりません、過失運転です、ということだったんですね。もう私は許せないなと思って」
“運転を制御できていて死亡事故が起きるのか?”
検察側の説明に納得できなかった多恵子さんは、危険運転の適用を求め、今年6月から先月までに、およそ7万3000人分の署名を宇都宮地検に提出。検察側は現場の実況見分を行うなど追加の捜査を行っています。
危険運転が適用されるかどうか、専門家は現在の法律と市民感覚にずれがあると指摘します。
交通事故に詳しい 丹羽洋典弁護士
「高速度であるためにハンドルがぶれて、まっすぐ走れずに対向車線に逸脱したとか、カーブを曲がりきれずに車線を逸脱したとか、制御困難な高速度運転で認定されている。しっかりと車線に沿って、まっすぐ運転できるという状況であれば、制御困難と言われないとされているのが、この条文の大きな問題点」
遺族は…
佐々木多恵子さん
「過失として裁くという簡単な事故で終わらせてほしくない、それだけの思い。主人のことを考えると、もう、そうしてあげなくちゃいけない」
遺族の思いは届くのでしょうか。
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