「役所に恨み」2つの役所に暴走車が突っ込む 運転していた男(53)逮捕(2023年12月6日)

「役所に恨み」2つの役所に暴走車が突っ込む 運転していた男(53)逮捕(2023年12月6日)

「役所に恨み」2つの役所に暴走車が突っ込む 運転していた男(53)逮捕(2023年12月6日)

茨城県の日立市役所で開かれていた屋外イベントに、53歳の男が車で突っ込み、男女3人に重軽傷を負わせました。男は別の車に乗り換えて、今度は15キロ離れた東海村役場に突っ込み、逮捕されました。車を凶器に、わずか30分の間に連続して起こした凶暴な事件。男は「恨みがあった」などと供述しているということです。

現場は茨城の日立市役所。大屋根広場と呼ばれる、本庁舎前のスペースでした。普段は車が入れない市民の憩いの場として使われています。

目撃者:「車が入ってくるのが見えた。黒いのが。ガシャガシャンとなって悲鳴がなった時は、何?という感じで。(Q.道路の反対側にいても音や声が聞こえた?)悲鳴がキャーって。ミカンとか、その辺にばらまきながら。下に挟まっていたから、車の下に。ガーって音を立てながら」

午後1時ごろ、「イベント会場に車が侵入して、複数の人に接触したようだ」と通報が入ります。6日は、市が主催するイベントが行われていました。障害者週間に合わせ、4日から開かれていたイベントで、障害のある人が、それぞれ11の事業所で作った品物を販売したり、作品の展示をしたりしていました。

市役所のイベントに参加した、就労支援施設の職員:「通、常車が入ってこない場所。急加速した車が入ってきて、どうしたんだろうと。出展者の机などをなぎ倒し、駐車場の車にぶつかって止まったので、高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違えた事故なのかと」

この事故で、40代の女性が足を骨折する重傷。30代の男性と20代の男性が打撲などの軽傷を負いました。暴走した車の運転手は、現場から逃走しました。

市役所のイベントに参加した、就労支援施設の職員:「車が急バックをして方向転換。どこに人がいるのかを見るような、逃げる場所を探しているのか分からなかったが、目が合って。急発進をして、出店の人の中を抜けて、道路に逃げてしまって。止まる様子はなく、間違って事故を起こした感じではなかった」

車の動きを整理します。大屋根広場で2つのテントをなぎ倒し北側駐車場にまで暴走。駐車場では3台の車に衝突して、向きを変えます。するとまた、広場でテントをなぎ倒しながら、国道を南の水戸方面に向かったといいます。逃げた車の色は黒。その車が走り去った南の方では、もう1件の暴走事故が起きます。

日立市役所での事故から約30分後のこと。今度は、東海村の役場に乗用車が突っ込みました。この2地点、直線距離で15キロほどしか離れていません。車を運転していたのは、日立市に住む、自称・運転手の益子泰容疑者(53)。6日夜、建造物損壊の疑いで逮捕されました。

事故現場を見た人:「職員もびっくりしている様子で、緊迫した状況。自動ドアがぐしゃぐしゃになって、ガラスも粉々に割れていました。多分、運転手とみられる方が救急車に乗っていたと思います」

東海村議会 江田五六議員:「前の部分が大幅に損傷して、フロントが持ち上がっていました。(Q.役場でのトラブルを聞いたことは?)一切、聞いていません。住民と行政が、色々な面であつれきがあったりは、色々な問題点を抱えているとは、議員としても感じていませんでした」

役場の職員からは、こんな話も出ていたとか。

役場職員の知人:「入り口の周りに、コンクリートでできた柱が何本もあるので、それを避けて来るには、ちゃんと計画的に迂回(うかい)したり、ハンドル切ってわざと突っ込んできたというのを、皆で話していたと聞きました」

30分ほどの間に起きた、2つの暴走事故。益子容疑者は警察に「2件とも自分がやった」と話しています。ただ、東海村役場に残されていた車は白色。日立市役所から逃走した車は黒色でした。捜査関係者によると、益子容疑者は、市役所から逃走後、村役場に向かう途中で車を乗り換えていたといいいます。黒い車は、益子容疑者の自宅のすぐ近くで見つかりました。白と黒、2台とも家族名義の車だったといいます。理由は分かっていませんが、1件目の日立市役所では、助手席に母親が同乗したことが分かりました。

近隣住民:「(Q.車はあったか)一時期なかったと思います。最近見かけるようになって。白の車です。(Q.最後に見たのは)先週の日曜日。顔を見ただけ。(Q.その時の様子は)普通でした」

益子容疑者は「日立市役所と東海村役場に恨みがあった」という内容の話をしているといいます。

現場で男と「目が合った」という、イベント参加者は…。

市役所のイベントに参加した、就労支援施設の職員:「怖い感じでした。怒りを持っているのかなと。(Q.運転手の特徴は)40~50代ぐらいの短髪。坊主みたいな。(Q.車は水戸ナンバー?)皆さんの話を聞くと、水戸ナンバーだったよう」

1件目の日立市役所でけがをした3人は、イベント運営者と参加者でした。

市役所のイベントに参加した、就労支援施設の職員:「障害のある子たちは驚いて、泣いている子もいて。不安定な子もいるので、薬を飲んだり。私ですら震えていた。(Q.イベントの参加人数は)30~40人はいたと思います。昼休みが終わるぐらいのタイミングだったので、利用している人は少なかった」

病院に搬送された3人のけが人は全員、意識があるといいます。

日立市長のコメント:「市が主催した障害者のための善意のイベントにおいて、突如の危険行為により、負傷者が発生するなど、多くの参加者が恐怖にさいなまれたことは、言語道断で許されるものではない。(Q.予兆はあった)本庁舎に関しては、そういったものはございません。今回、車が急に入って来たので、侵入対策を考えたいと思う。早い時期に対策を取りたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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