1000年続き3年ぶり復活の「蘇民祭」来年で最後…高齢化と担い手不足で 儀式は継続【もっと知りたい!】(2023年12月6日)

1000年続き3年ぶり復活の「蘇民祭」来年で最後…高齢化と担い手不足で 儀式は継続【もっと知りたい!】(2023年12月6日)

1000年続き3年ぶり復活の「蘇民祭」来年で最後…高齢化と担い手不足で 儀式は継続【もっと知りたい!】(2023年12月6日)

 かつてポスターを巡って物議を醸した日本三大奇祭の1つ「蘇民祭」について、来年の開催を最後に中止すると発表されました。一体、何があったのでしょうか。

■1000年続く「蘇民祭」終了へ

 新型コロナを経て、今年3年ぶりに開催された、岩手県奥州市の黒石寺・蘇民祭。しかし復活から一転…。

 妙見山黒石寺 藤波大吾住職:「令和7年以降の黒石寺・蘇民祭は祭り自体行わない」

 来年2月の祭りを最後に、1000年以上続くとされる歴史に幕を下ろすことになりました。

 2020年の取主(祭りの勝者) 阿部光平さん:「正直びっくりしました。本当に熱い男たちが集まる、最高にいい蘇民祭だった」

■過去にポスター掲示拒否騒動も

 日本三大奇祭の一つとも言われる黒石寺・蘇民祭。五穀豊穣(ほうじょう)などを願い、ふんどし姿の男たちが、真冬の凍えるような川の水で身を清めたり、火の粉を浴びたりしながら気勢をあげます。

 祭りの目玉は、「蘇民袋」と呼ばれる麻袋の争奪戦。男たちは夜を徹して、激しい奪い合いを繰り広げます。

 蘇民祭の名が全国的に知られるようになったきっかけは、2008年の告知ポスターです。

 胸毛の濃いひげ面男性が吠える、目を引くデザインで、後ろにはふんどし姿の男性が密着して並んでいます。これが、利用客に不快感を与える恐れがあるとして、JR東日本が駅への掲示を拒否し、物議を醸したのです。

 阿部さん:「歴史ある祭りがなくなるのは、残念な気持ちでいっぱいなんですが、続けていくのは難しいなという実感はありました」

■高齢化と担い手不足…祭りの維持困難に

 歴史ある「蘇民祭」を存続できない理由とは…。

 藤波住職:「祭りの中心を担っている関係者の高齢化、将来的な担い手不足によりまして、祭り自体をこれまで通り維持していくことがかなり困難な状況になっております」

 祭りの中心部分を支える檀家の高齢化と担い手不足が深刻さを増しているといいます。

 藤波住職:「外から来ていただいて手伝ってもらえば、できる部分もあるんですが。寺としては、外から人を入れるのではなく、役割をする人がいるうちは、その人にやってもらう。その役割をする人が途絶えたならば、そこまでという考え方」

 祭りの肝心要の部分を外部の人に手伝ってもらったのでは、本来の祭りではなくなってしまうと判断したそうです。

 祭りは例年、夜から明け方まで行われますが、来年2月17日に行われる最後の祭りは、午後11時までとして、再来年以降は祭りは行なわず、儀式などのみ継続していくということです。

(「グッド!モーニング」2023年12月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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