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【百貨店トップに聞いてみた】松屋・秋田正紀社長(2023年1月6日)
■今年の初売り、店頭に立って感じた売り場の変化
(Q.初売り初日に秋田社長自ら店頭に立って感じたことは)
まだまだコロナの影響があるので「どうなるかな?」と思っていたが、開店前お客様にお並び頂いた列を見てるとコロナ前、あるいはそれ以上じゃないかというぐらい。たくさんのお客様に並んでいただいたのは恐縮ですが、お越し頂いたということで非常に力強くうれしく思った。
(Q.物価高の影響は)
もちろん物価高というのはお客様に大きく響くところ。例えばこれまでの福袋は内容的に洋服や雑貨などが売り上げの中心だった。今回は「生活応援」ということもあって食品の福袋を増やしたところ、非常にお客様から好評で売り上げも特に好調に推移した。そういう生活応援ができるような商品をまた提供していきたい。
■物価高のなかで大事なことは「価値に見合った価格」
(Q.物価高で客の需要に変化は?)
もちろん物価高も大きく影響していると思うが、コロナを経てお客様の『買い物をしたい』という内容が変わってきている。『より価値のあるもの、長く使えるものを買いたい』という方が非常に増えてるんじゃないかと感じる。実際、売り上げもラグジュアリー商品だったり、宝飾・時計などが非常に好調で(高額品の)ニーズが高まっている。おせちやクリスマス需要もお客様一人あたりの単価がこれまで以上に上がってきている。いままでだったら旅行、特に海外旅行にお金を使っていた部分を買い物で満たそうという方が多かったのではないか。百貨店は良いものを買いたいお客様に来ていただいているので、必ずしも『価格第一』というよりは『価値に見合った価格』の商品をおいて満足してもらえるようにしたい。そのうえで物価高に対抗するようなイベントや商品を揃えていく。
■“円安効果”で免税売り上げがコロナ前超え「適度な円安が百貨店には非常に良い」
(Q.為替の影響は)
為替も円高になってきているが、海外からのお客様においては円安効果で積極的な買い物が続いている。適度な円安が続いてくれれば百貨店業界にとっては非常に良い。一方で日本のお客様がだんだんと海外旅行に行く機会が増えると思うが、この為替レートであれば海外で買い物をしようという気にはあまりならないと思う。
(Q.現在はどの国からの客が多い?)
買い物の金額ベースでいくと香港、あとは台湾とか東南アジアも。めずらしいのはアメリカのお客様の売上が上位に上がってきていること。これはもう明らかに円安の効果だと思っている。(インバウンドの)客数というのはまだまだ少ないが、1人あたりの単価が非常に高額なので、12月においてはコロナ前を上回るという結果になった。
(Q.免税売り上げが?)
コロナ前の2019年の12月を2022年の12月が上回った。
■今年のインバウンド客見通しは?
(Q.中国本土からの客がまだ戻らないなかでどうやって売り上げを伸ばしたのか)
今は為替の影響で日本で買い物をすると非常に利点があると認知されている。日本に来たいというお客様の理由の一つに「買い物をしたい」というニーズが非常に強い。
(Q.今後インバウンド客は増えるのか)
確実に増えるとみている。特に中国本土からの客が今後回復すると、化粧品や食品などの売上に大きく貢献してもらえると期待している。中国に関しては元との関係が重要で、ここについてはまだまだ円安なのでお買い得感は当分続く。
(Q.早く規制緩和してほしい?)
もちろん早く緩和して頂きたいと思うが、一方でまた感染が拡大してしまっては元も子もない。そのあたりは慎重におこなって頂くことが我々もいいと思う。
■コロナ乗り越え…百貨店が目指す今後の姿「支えてくれた日本のお客様に向き合っていきたい」
(Q.今後百貨店はコロナ前に戻るのか、それとも「アフターコロナ」の新たな道を目指すのか)
あくまで我々は日本のお客様を中心に店作りをしてきたし、日本のお客様に支持されるデパートになっていきたいと考えている。そしてそれに共感してもらえるような海外からのお客様にも楽しく買い物をしてもらいたい。コロナで改めて日本のお客様の重要性を再認識した。150年あまり松屋銀座を支えてくれた日本のお客様にしっかり向き合っていきたい強い思いは、従業員皆が共感共有している。我々の最大の財産は銀座にある百貨店だということ。銀座の快適さ心地よさを体現できるような店づくりをして、お客様に買い物を楽しんでもらいたい。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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