“異様に丁寧な詐欺”「介護保険料を返金したい」リアルな犯行電話を公開(2023年12月5日)

“異様に丁寧な詐欺”「介護保険料を返金したい」リアルな犯行電話を公開(2023年12月5日)

“異様に丁寧な詐欺”「介護保険料を返金したい」リアルな犯行電話を公開(2023年12月5日)

 とても丁寧な言葉づかいで電話を掛けてきたのは「介護福祉課のエンドウ」と名乗る男でした。嘘の話を持ち掛けてキャッシュカードをだまし取る、その犯人の実際の電話の声です。

■介護福祉課エンドウ名乗る“詐欺”

 行政職員役:「お世話になっております。私、介護福祉課のエンドウと申します」
 被害者(80代):「はい」

 80代の女性に掛かってきた電話です。あくまでも優しく、あくまでも丁寧な口ぶりが女性の警戒心を解いていきます。

 行政職員役:「今年の4月に私どもの介護福祉課の方から後期高齢者の介護保険料に関するお知らせという重要書類をお送りしたんですけども」
 被害者:「はー」
 行政職員役:「まだね、申請書出してなくて忘れてると思うんですよ」
 被害者:「ごめんなさい、もう」
 行政職員役:「いーえ、とんでもないです」

 電話の男は保険料の過払い金があるので返金したいと切り出します。
 
 行政職員役:「2万9800円も5年間で多くお納めしてましたので、お戻しさせていただきますよ。お振込先どちらの銀行さんが良いですか?この後ね(金融機関)担当者の者からご本人様確認のお電話だけがどうしても入りますので」
 被害者:「わざわざ、ご丁寧にありがとうございます」
 行政職員役:「いえいえ、とんでもないことです」

 そして数分後、今度は金融機関の職員を名乗る電話が…。

 金融職員役:「もしもし、お世話になっております。私、入金管理部長を務めております。本日担当のイイダでございます」

 やはり、優しく丁寧な声色。

 金融職員役:「先ほどですね、市役所様より介護保険料の払い戻しのご依頼を受けまして、お電話の方させていただいております。本日、お振り込みさせていただく金額が2万9800円となっております。何も問題がなければ明日の午前10時にご入金されておりますので」
 被害者:「はい、ご丁寧にすみません。ありがとうございました」

 しかし、ここまでは信用を醸成するための土台作りにすぎません。本題はここからです。

 金融職員役:「キャッシュカードの方が何度行っても確認取れなくて、当行の方でエラーが起きていると思いますのでキャッシュカードのご本人様確認のため、4桁の暗証番号をお願いいたします。恐れ入ります」

 女性が促されるままに暗証番号を伝えると、犯人グループは直ちにカードの現物を入手する体制に移行。

 金融職員役:「今回、ちょっとキャッシュカード現物見てご説明しないと分かりづらい部分あると思うので、たまたま当行の行員が営業の関係でご自宅一帯回ってるみたいなので」
 被害者:「はい」
 金融職員役:「すぐに伺えますので、当行のタナカという行員なんでお待ちしていて下さい」
 被害者:「どうも、ご丁寧にすみません」

 女性はその後、カードをだまし取られ、警察が現在、犯人の特定を進めています。特殊詐欺の被害は去年1年間で約370億円。今月は要注意月間です。

 警察庁担当 石塚翔記者:「親族が集まる1月の犯行を避け、12月に仕事を集中するイメージで犯行に及んでいる状況がうかがえる。警察は知らない電話には出ないことを頭に入れ、年末を迎えてもらいたいと話しています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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