深刻な介護業界の「人材不足」 解消のカギは…デジタル化 業務効率化や人材確保にも(2023年11月30日)

深刻な介護業界の「人材不足」 解消のカギは…デジタル化 業務効率化や人材確保にも(2023年11月30日)

深刻な介護業界の「人材不足」 解消のカギは…デジタル化 業務効率化や人材確保にも(2023年11月30日)

 様々な業界で人材不足が叫ばれているが、介護の現場でも深刻だ。その事態を打開するために注目されているのが、介護現場のデジタル化。その実態を取材した。

■人手不足を補うため…ロボット導入が注目

 2年に1度開かれる世界最大規模のロボット展示会が29日から始まり、様々な分野のロボットが出展された。

 加速する高齢化社会においてロボット導入が注目されているのは、人手不足を補うためだ。

 先月23日、河野太郎デジタル大臣は、介護分野でのデジタル技術の活用による業務の効率化を加速させる考えを強調した。

■「過去は一人ひとり手書きで記録」

 実際、どれほどの効果が得られるのか?番組では、すでに最新のデジタル技術を導入している介護施設を取材した。

 東京・江戸川区にある介護施設「アズハイム一之江」。入居者の様々なライフスタイルに応じたケアを提供している。

 ここでは、夜間の定時巡視などで入居者のケアに多くの手間を掛けていたという。

 アズハイム一之江 ホーム長 谷藤宏樹さん:「過去、デジタル化していない時代は、一人ひとり手書きで記録を書いていた。夜間帯の巡視だったら、その方がどういう状態かを、例えば30人だったら30人分の記録を書いていたんですけど」

■マットレスの下に…センサーで体の動き測定

 業務の効率化のため、積極的に最新デジタル技術を取り入れたというが、一体どんなものなのか?

 アズハイム一之江(入社3年目) ケアリーダー 細谷有梨さん:「このマットレスの下にある眠りSCANの上に寝ていただくことで、入居者の健康状態の変化が分かるようになります」

 パラマウントベッドが開発した「眠りSCAN」は、センサーによって体の動きを測定し、入居者の睡眠状態を把握できるという。

 測定しているデータを見せてもらうと、青いマークが眠っている状態、黄色いマークがベット上で起きている状態。グレーのマークが離床している状態ということ。さらに、心拍数や呼吸数、眠ってからの経過時間などのデータが自動で記録され、パソコンやスマートフォンで、いつでも確認できるようになっている。

 谷藤さん:「タイムリーに入居者の状態が分かるので、入居者に合わせたタイミングで巡視を行う。スタッフが効率的に動けるようになったというのがメリットですね」

 実際にこのベッドを使用している入居者は、次のように話す。

 80歳(今年1月入居):「皆さんもよく寝られているんじゃないかな。私は外出が許されているので、そういうところもちゃんと見てくれている」

■夜間勤務の人員2人削減

 この眠りSCANの測定データが最も生かされるのは、深夜の時間帯だという。夜も深まった午前2時。ケアスタッフがモニターをチェックしていると…。

 アズハイム一之江(入社2年目) ケアスタッフ 大沼明日香さん:「ちょっと今、黄色くなって起きられたので、様子を見に行きたいと思います」「(Q.どうですか?)よく寝ていらっしゃいました」

 このように眠りSCANの測定データを活用することで定時での巡視をなくし、夜間勤務の人員を2人削減できたという。

■「やりがいを実感」 新卒採用増加も

 さらに、予想外のメリットがあった。

 アズパートナーズ 執行役員兼事業推進部部長 山本皇自さん:「2017年に新卒採用50人だったのが、今年は178人まで増えた。やりがいを実感できるような環境を整備していくことがすごく大事だと思っている。人材に投資できるか、経営陣がそういう発想になっていくことが重要」

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年11月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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