3人組を“さすまた”で撃退…強盗事件多発する背景に「海外の転売ルート」(2023年11月27日)

3人組を“さすまた”で撃退…強盗事件多発する背景に「海外の転売ルート」(2023年11月27日)

3人組を“さすまた”で撃退…強盗事件多発する背景に「海外の転売ルート」(2023年11月27日)

東京・御徒町にある貴金属店に26日、3人組が押し入りましたが、店の関係者が応戦し、何も取らずに逃走しました。

フルフェースをかぶった1人が懐からバールのようなものを取り出し、店内へ。すると、同じような風貌をした仲間が2人、飛び出してきました。店の関係者が、反撃に出たからです。その手に握られていたのは『さすまた』。3人組を追い立てます。バールのようなものを構え、応戦する素振りを見せましたが、勢いに気圧されたようです。

被害に遭った店の関係者:「(Q.さすまたは元々?)用意しておいた、去年。いろいろ事件があったから、社長と相談して用意した。(Q.日頃から警戒は?)強めていた」

3人組に抵抗したのは、さすまたの男性だけではありません。もう1人の店の関係者は、犯人が乗って来たバイク2台を倒しました。原付バイクの方はハンドル周りのカラーリングが白なのに、ボディーカウルは青色。よく見ると、青い紙のようなもので覆って偽装しているように見えます。

被害に遭った店の関係者:「(Q.不審車両は?)情報ではきのう、下見に来ているみたい。(Q.まったく同じバイク)同じバイク。(Q.店員が見ていた?)同じ時間帯。きょうの犯行と」

捜査関係者がバイクの所有者に連絡を取ったところ、盗難車の可能性が高いことが新たに判明。1台は埼玉の所沢ナンバーでした。3人組は昭和通りの方から、2台のバイクに分乗して現場にやってきたとの情報もあります。詳しい逃走経路は分かっていませんが、こんな目撃情報もあります。

“3人組”を見た人:「この辺にいた。3人組が。そこにいて、フルフェースをかぶって。なんだろうなと、ちょっと見ていた」

3人組を不審に思った男性が、離れて見ていると…。

“3人組”を見た人:「ここを曲がって、この辺でフルフェースを取って、着替えたところを見た。銀髪のやつが目出し帽をかぶっていたかな。目出し帽を取って銀髪だった。1人が脱いだ時に、黄緑色のTシャツを着ていた。とにかく焦っていた」

貴金属店などを狙った強盗事件は、今年だけで少なくとも3件起きています。3月には、被害額1億円に迫る高級腕時計が。5月は、5500万円相当のネックレスなどが奪われました。ただ、これらの事件の実行役は、次々と逮捕されています。それでも犯罪が相次ぐ現状に、同業者は対策の強化を図っています。

井澤健太朗アナウンサー:「現場近くの宝飾店には『防犯上のため完全予約制』と書かれた張り紙が張られています。さらに現在、営業中ですが、自動ドアの電源が切られています」

店側の許可がなければ、入店できないシステムです。また、別の店では…。

現場近くの宝飾店オーナー:「スタンガンです。体に付けたら卒倒しますよ」

さらに、ショーケースに並ぶ指輪の見本は、ダイヤを模造ダイヤに。リングもプラチナではなく、シルバーに変えています。

現場近くの宝飾店オーナー:「価格が安いから、盗んだって金にならない。それが一番の防犯対策。そういう人たちが来なければいいけど、来る来ないは相手次第だから、油断はできない」

警視庁によると、今回、盗まれたものはなかったものの、下見をするなど計画的に犯行に及んだとみています。

◆“貴金属強盗”多発 背景は?

犯人たちを撃退した『さすまた』の長さは約2メートル。アルミ製で、両手で持てば、そこまで重さは感じません。江戸時代からある、防犯用具です。基本的な使い方について、警備の専門家に聞くと、胴回りを壁に押さえつけたり、袈裟懸けにして脇・肩を押さえつける方法もあります。刃物などを持った相手に対して、距離を保ちながら、押さえつけることができます。複数で使うことが、警備の基本だということです。

(Q.犯人を刺激するため、危険な面もありますか?)

護身用品の専門点担当者:「さすまたは、相手を捕獲するためではなく、警察が来るまでの“時間稼ぎ”として使う。あくまで最優先は『避難』。対応が困難な時は、無理に取り押さえようとせず、タイミングをみて安全な場所に避難することが重要」

(Q.色んな自衛策を講じなければならないほど、強盗が多発している背景には何があるのでしょうか?)

元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:「強盗事件が多発する背景には、コロナが明けて、海外への行き来が自由になり“海外の転売ルート”が増えたことがポイント。高級腕時計や宝石は、品物ごとに識別番号が登録され、日本の買取店では識別番号で『盗難品であるか』を判断し、買い取りません。しかし、中国や東南アジアなどでは“日本の盗難品でも買い取る組織”があり、そこを転売先に現金化している」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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