ガザ地区の今 一時帰宅の人も…4日間の戦闘休止が始まる 間もなく人質解放か(2023年11月24日)
日本時間24日午後2時からパレスチナのガザ地区では、戦争の一時休止が発効されました。今回の休戦期間は4日間です。
約束の時刻は、現地時間の朝7時です。
西橋拓輝記者:「一時休戦の時間から8分ほどが過ぎました。黒煙が上がっているのはガザの中心部です。いまもまだ大きな音が聞こえてきています」
ただ、20分ほど経つと、大きな砲撃音は聞こえなくなってきました。数十万人が、南部への避難を余儀なくされている北部の住民。一時休戦のタイミングで戻ろうという人も少なくありません。
北部に向かう男性:「家を見に行きたいです。みんな服もお金も持っていません」
ただ、北部へ向かう街では、イスラエル軍がにらみをきかせています。ガザ南部にビラをまき、こう警告していました。
イスラエル軍:「戦争はまだ終わっていない。北部への帰還は、非常に危険であり、禁止する。警告はした」
ただの脅しではありませんでした。北部に戻ろうとした複数の住民が、イスラエル軍に撃たれています。死者も出ました。
住民:「検問所にいたら、突然、戦車が動いて撃ってきた」
今回、解放が約束されている人質の女性と子ども50人のうち、13人が日本時間24日午後11時から解放されることになっています。
交換条件の一つであるガザ地区への物資搬入は、すでに始まりました。
戦闘休止になったとはいえ、イスラエル軍は、ガザ地区から部隊を退かせたわけではありません。
イスラエル軍・ハレビ参謀総長:「この戦争は終わらない。勝利するまで継続し、ハマスがいることろまで進撃する」
※衝突から1カ月半たったタイミングでの人質解放となりますが、なぜ、このタイミングなのでしょうか。
中東情勢に詳しい東京大学・中東地域研究センターの鈴木啓之特任准教授に聞きます。
鈴木さんは「長引く戦闘で、ガザの状況は限界を越えている。ハマス側は、休戦で住民の支持を得たい。一方のイスラエル側は、これまでの攻撃で人質を救出できず、焦りがある。“人質と収監者の交換”という政治交渉に方針転換せざるを得なくなったのでは」としています。
今回の休戦期間は4日間。この期間になった理由について、鈴木さんは「当初、ハマスは5日間、イスラエルは3日間を求めていたが、休戦を求めるハマスと、人質救出を実現させたいイスラエルの双方が歩み寄った形。ただ、ハマスは、イスラエルに“譲歩”させたことを“勝利”と捉えている」といいます。
今回、休戦と人質解放がうまくいったとして、今後はどうなるのでしょうか。
鈴木さんは「休戦期間が終われば、イスラエルは戦闘を再開させるが、大規模に行うと、ヒズボラなどが本格的に参戦する可能性があるので、これまでと同規模の攻撃になるのでは。ただ、戦闘で人質が帰ってくるわけではないので、人質交渉は今後も続くだろう」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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