中国で“子ども肺炎” 謎の急増…病院に一日1万2000人殺到 WHOが詳細報告求める【もっと知りたい!】(2023年11月24日)

中国で“子ども肺炎” 謎の急増…病院に一日1万2000人殺到 WHOが詳細報告求める【もっと知りたい!】(2023年11月24日)

中国で“子ども肺炎” 謎の急増…病院に一日1万2000人殺到 WHOが詳細報告求める【もっと知りたい!】(2023年11月24日)

 中国で子どもの肺炎が急増し、病院に1万人以上が殺到するほどの異例の事態となっています。WHO(世界保健機関)は、中国に情報の提供を求めています。

■点滴受けるところない…1000番以上の番号札

 まるでターミナル駅のように大勢の人でごった返しているのは、中国・北京にある小児科専門の病院です。

 狭い通路では、人が行き来するのも難しい状況となっています。

 男性:「すみません、ちょっと通してください」

 男性:「押さないで!ちゃんと並んで!」

 動画撮影者:「座るところもなければ、点滴を受けるところもない」

 動画では、父親と思われる男性が子どもの点滴を持って、病院内を歩く様子が映っています。

 こうした状況は病院の外でも…。

 中国のSNSから:「入り口にも風邪をひいた、たくさんの子どもがいて、せきをしている」

 別の動画には「受付で1000番以上の番号札を取り、採血でまた1000番以上。これはどういうこと?」と、文章が記されています。

 現地メディアによると、北京市の病院には一日平均7000人の患者が訪れ、天津市の病院では1万2000人を超えた日もあったと、伝えています。

■9月以降、子どもの呼吸器疾患が急増

 北京市内にある別の病院を取材すると、建物から出てくる親がCT検査の結果が入った同じ袋を持っていることが確認できます。

 中国では9月以降、マイコプラズマ肺炎など子どもの呼吸器疾患が急増しているのです。

 母親:「せきと熱があります」

 父親:「薬を飲んだら良くなりましたが、また症状が出ました。せきがひどくなり、肺炎になりました」

■マイコプラズマ肺炎はどんな病気?

 中国で子どもたちに広まっているマイコプラズマ肺炎とは、どのような病気なのでしょうか。

 国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授:「マイコプラズマというのは、もともと細菌よりも小さい病原体。飛沫(ひまつ)で人から人にうつっていって、肺炎とはいいながらも重症化することは少ない。ただ症状は、かなりしつこくせきが続くので、夜も眠れないというくらい、しつこいせきで悩まれる人は多いと思う」

 日本では患者の80%が14歳以下とされているマイコプラズマ肺炎。子どもや若い人がかかりやすいのは、マイコプラズマに対する免疫がないためだといいます。

■日本で感染拡大の可能性は?

 なぜ今、中国で感染拡大しているのでしょうか。背景には、新型コロナウイルスが関係しているのではないかと専門家は指摘します。

 松本主任教授:「ここ数年、世界的に新型コロナの影響でマスクを着用してなるべく人との接触を避けるということで、新型コロナ以外の呼吸器系の感染症というのはだいぶ抑え込まれてきた。そうすると逆に、それ(新型コロナ以外)に対する免疫を持たなくなってくる人の割合が増えてきた」

 こうした状況で、マスクを外した子どもたちが学校生活などを送るようになったため、一気に感染が拡大したというのです。

 今後、日本でも同じようなことが起きる可能性はあるのでしょうか。

 松本主任教授:「日本もマイコプラズマの流行は抑えられてきた。そうすると小さい子どもは免疫を持っていない人も多いので、国内に持ち込まれて流行が起こってしまう可能性はあると思う」

 WHOは子どもの呼吸器疾患に関する、さらなる情報提供を中国に求め、人との距離を保つなどの対策をとるよう推奨しています。

(「グッド!モーニング」2023年11月24日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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