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「うまい棒ケース」誕生秘話…孫を思う職人の本気 ふるさと納税“珍しい”返礼品 (2023年11月21日)
17日から、大阪・枚方市でふるさと納税のすごく珍しい新たな返礼品が登場した。子どもが好きな、あるもの専用に作られたケースの誕生には、孫を思う職人の思いがあった。
■救世主?返礼品は「うまい棒ケース」
年々激しさを増す「ふるさと納税」の争奪戦。大阪府枚方市は、厳しい戦いを強いられている自治体だという。
枚方市 市長公室 広報プロモーション課 松元利樹主任:「正直、苦戦しているというのが実情でして…。流出額は約14億円」
昨年度の寄付金額はおよそ1億5300万円。これに対し、枚方市民が他の自治体に寄付したのがおよそ14億円と大幅な流出超過が問題となっているのだ。さらに10月からは「返礼品は地場産品に限る」というルールになり、頭を悩ませていた。
そこに、救世主となるかもしれない返礼品が地元企業から誕生した。
それが「うまい棒ケース」。縦20センチ、横10センチ、厚さ4センチのアルミ製ケース。高級感あふれるビロード張りの内側は、スナック菓子のうまい棒1本がシンデレラフィットする作りに。職人技が光る逸品だ。
■「孫のうまい棒を守りたい」職人の本記
開発したのは、枚方市内でアルミケースなどを製造するアクテック株式会社だ。
アクテック株式会社 製造部 設計一課 南英司さん:「私も長年アルミケースの設計から、いろいろな仕事をしていましたけどね。作ってみようかなということで」
開発のきっかけは、去年10月、製造部門の南さんの孫の身に起きた“ある事件”だった。
幼稚園のお楽しみ会でもらったうまい棒を大切にカバンにしまい、家で食べるのを楽しみに帰ってきたという。しかし、南さんの孫がうまい棒を食べようとした、その時…。
南さん:「うまい棒。さあ食べようかと思ったら、外から触ったら分かるの。ぐちゃぐちゃとなってる」
大事にしまっていたが、帰ってくるまでに、カバンをあちこちぶつけてしまい、うまい棒は粉々になった。当然、孫は…。
南さん:「ちょっと泣き顔みたいな、バラバラやねという。ショボーンというあれですね」
その様子を目の当たりにした南さんは「孫のうまい棒を守りたい。そうだ!うまい棒が割れないケースを作ろう」と立ち上がった。
商品の設計を担当する南さんは、ケースの製作を提案したという。提案を聞いたアクテック株式会社代表取締役・芦田知之社長は、次のように話す。
芦田社長:「(うまい棒が)バラバラになったって、よくある話なんで。うちの息子も(うまい棒が)バキバキになって帰って来てたなと思ったので。それを何とかして守ってあげたいという…」
■運命の受付初日 申し込みはあるのか?
社員全員の職人魂に火がついた。熟練の技を結集し、わずか2週間で、うまい棒ケースを完成させたのだ。その本気度は、度を超えていた。なんと、車が踏んでも壊れない超頑丈なケースだった。
南さん:「(Q.実際、お孫さんが使ってみて、なんと?)うれしいですね。誰も持っていない。私だけのもの。おじいちゃんが作った。おじいちゃん、ありがとう」
うまい棒ケースの寄付金額は9万9000円と11万円の返礼品だという。はたして、申し込みはあるのか。
運命の受付初日…。
芦田社長:「来ました」「(Q.何が起きたんですか?)金色のケース、一応、注文が入ったという情報が枚方市から今、入りました。第1号、来たみたいです。ありがとうございます」
■「ものづくりのまち」枚方 名物不在
うまい棒ケースが枚方市の返礼品に採用されたのには、次のような背景があった。大阪・枚方市は、中小企業や町工場が立ち並ぶ「ものづくりのまち」である。
主要産業は生産用機器、家具などでも有名で、「家具団地」と呼ばれる場所もあるそうだ。ただ、返礼品といえば、食べ物のイメージがあるうえに、枚方市には名物というものがなかった。
枚方市の担当者は「枚方市には多くの製造業者がいます。企業と協力してものづくり分野を開拓して、特色ある返礼品をこれからも生み出していきたい」と述べ、うまい棒ケースをきっかけに、枚方市がものづくりのまちだと知ってもらいたいとしている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年11月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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