「私人逮捕」とは? 私人逮捕系ユーチューバー逮捕 撮影した動画を投稿などすると『名誉棄損』になる可能性も【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

「私人逮捕」とは? 私人逮捕系ユーチューバー逮捕 撮影した動画を投稿などすると『名誉棄損』になる可能性も【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

「私人逮捕」とは? 私人逮捕系ユーチューバー逮捕 撮影した動画を投稿などすると『名誉棄損』になる可能性も【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

逮捕された私人逮捕系ユーチューバーについて。この「私人逮捕」とは何か?スタジオで詳しく見ていきます。

■私人逮捕で、罪に問われる場合も

小笠原亘キャスター:
“私人逮捕”とは、一般人が逮捕状なしに、容疑者を現行犯(原則)で取り押さえることです。
例えば、ひったくりの現場に遭遇したとか、痴漢の現場に遭遇したとかいう場合などに、警察ではなくても容疑者を逮捕、強制的に拘束することができるというものです。

ただし、ネット上の法律などに詳しい牧野和夫 弁護士によれば、私人逮捕の場合に気をつけなければいけないこととして、「必要以上に乱暴すると暴行罪にあたる。さらに、逮捕、あるいは逃げた場面を撮影した動画を投稿などすると、名誉毀損になる可能性がある」ということです。行き過ぎた対応をすると、私人逮捕した本人自身が、罪に問われる可能性もあります。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
私人逮捕は、助けに入る方にも、勇気がいる行為だと思いますし、冤罪を生み出してしまったら、それを受けた人が大きなダメージを受けてしまいます。やはり簡単にはできないことだと思う。それを動画でどんどん拡散しているところには、大きな問題がある。

■コロナ禍に増えた“世直し系動画”

小笠原キャスター:
ネットリテラシーに詳しい、成蹊大学の高橋暁子 客員教授によれば、「過激な“世直し系動画”が数多く投稿され、再生回数を稼いでいる現状がある」といいます。
どんな動画かといえば、▼たばこのポイ捨ての現場を注意する、▼盗撮犯などを物色する、▼違法薬物の取引現場に潜入する、▼“ぼったくり”バーの現場に突撃するなど、偶発的な場面ではなく、自ら犯罪現場などに出向いていって、撮ったものです。

成蹊大学の高橋 客員教授は、動画を見る側の心理として、「社会正義という建前があるので、過激で攻撃的な内容でも、受け入れられてしまう。動画を見て、日頃のうっぷんを晴らそうとしている人も多い」と話します。
コロナ禍で、なかなか外に出られなかった2020年ぐらいから、こういった動画が増えてきて、再生回数も上がっているということです。

こうした動画を投稿する規制はないのか。牧野弁護士によれば、「動画投稿などを取り締まる、明確な法律は日本にはない。投稿者のモラルに委ねられている部分が多い」ということです。動画投稿に関する法整備が、今後必要になってくるのだろうと。

成蹊大学の高橋 客員教授は、「動画投稿自体は自由なので、規制するのは難しいだろう。規制しても、再生数を稼ぐためのイタチごっこになる可能性もある」としています。

日比麻音子キャスター:
小さな子どもも見る可能性が大いにあるわけで、見る側のリテラシーも問われます。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
法整備は難しいという意見もありますけれども、僕はぜひ法整備していただいて、SNSというメディアを、誰もが心地よく使える環境にしていってほしいなと思います。

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