「選挙妨害だ」トランプ氏法廷でも“独演会” 裁判するたび…なぜ支持率が伸びる?(2023年11月8日)
度重なる裁判でも支持率が上がる、アメリカのトランプ前大統領の存在感が増しています。現地時間6日に出廷した裁判でも、驚くべき主張を繰り広げました。
■法廷でも“独演会”…裁判官「壊れたレコード」
トランプ前大統領:「非常に不公平な状況だ。これは選挙妨害だ。馬鹿げている」
アメリカ大統領選まで1年を切るなか、トランプ氏は入廷前、報道陣に「司法を使った妨害工作だ」と訴えました。
裁判ではトランプ氏や一族が所有する資産価値を偽り、不正な利益を得たとして、ニューヨーク州の司法長官が2億5000万ドル、およそ375億円の返還などを求めています。
すでに不正行為はあったと認定されていて、今回の出廷は、罰金額などを決めるためのものです。
トランプ氏は、およそ4時間にわたって証言を行いましたが、法廷内は大いに荒れました。
トランプ前大統領(CNNによると):「これは政治的な魔女狩りだ。彼女(原告)は恥を知るべきだ」
トランプ前大統領(ロイターによると):「詐欺を行っているのは法廷の方だ」
批判を繰り返すトランプ氏に対して裁判官は何度も注意。それでも、改める様子はなかったとのことです。
エンゴロン裁判官(CNNによると):「弁護人は依頼人をコントロールしてください。ここは政治集会の場ではなく法廷です」
トランプ前大統領(BBCによると):「この判事はきっと私に不利な判決を出すだろう。いつも私に不利な判決を出すから」
エンゴロン裁判官(BBCによると):「私を好きなように攻撃しても構いませんが、どうか質問に答えてくれませんか?」
裁判官も「壊れたレコード」だとあきれたトランプ氏の法廷での発言でしたが、退廷後、報道陣の前では口にチャックをするようなしぐさをして、何も語らずに去っていきました。
数々の裁判にもかかわらず、共和党内の支持率を上げ続けているトランプ氏。選挙を左右する激戦州ではバイデン大統領よりも、トランプ氏が支持されているほどです。
その理由は何なのでしょうか?
■専門家「バイデン氏が支持基盤の支持を失っている」
来年に迫ったアメリカ大統領選挙で、「復権」を狙うトランプ氏。
共和党内でライバルに圧倒的な差を付けていますが、トランプ氏の支持率は、アリゾナ、ネバダ、ジョージア、ミシガン、ペンシルべニア州ではバイデン氏に対しても4~10ポイント上回っています。
この5つの州は前回の大統領選で、バイデン氏が僅差で勝利を収めた激戦州です。
この世論調査の結果について、専門家は次のように話します。
明治大学 海野素央教授:「これはトランプ氏が支持層を拡大したという意味ではないんです。バイデン氏が支持基盤の支持を失っているという意味なんです」
ではなぜ、バイデン大統領は支持を失っているのでしょうか?
海野教授:「高齢というのが大きな問題で、バイデン氏は今月の20日に81歳になります。(大統領選で)どれが一番懸念する問題ですかと米国民に聞いたところ、普通だったらトランプの4回の起訴じゃないですか。(ところが)高齢がやっぱり一番なんですよ」
年齢の他にも、要因があると指摘します。
海野教授:「どの層を失ったかというと、若者・アラブ系・ヒスパニック系です。今回のイスラエルとハマスの“戦争”に関わっているわけです」
これまであった「年齢的な問題」や「経済」「ヒスパニック系離れ」という3つの問題に加え、さらに「アラブ系離れ」と「若者離れ」が進んだというのです。
海野教授:「トランプ氏は黙ってても、(支持率が)キープできるわけです」
(「グッド!モーニング」2023年11月8日放送分より) (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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