“異例残暑”各地で夏日続出 “涼しい街”勝浦で暑い秋…カギは「海水温」(2023年11月6日)
3連休が明けた6日も全国的に夏日が続出して異例の残暑となっています。東京都心でも気温が25℃を超えました。11月に2回も夏日を記録するのは44年ぶりのことです。なぜ、こんなにも暑いのでしょうか。
■富山で今年一番の強風 倒木被害
台風のような風が吹き荒れた富山市内。前を向くのがつらいほどです。富山市の最大瞬間風速は今年一番となる25メートルを超え、柳の木が倒れてしまいました。車1台と接触しましたが、けが人はないということです。
発達中の低気圧の影響で全国的に荒れた天気となった6日。普段は鳴門海峡を見渡すカメラも午前9時半ごろには風速20メートルを観測し、大きく揺れているのが分かります。
近くの土産物店:「きょうは珍しい。上(展望台)に行ったら傘はさせません」
ただ、季節外れの“残暑”は続いています。6日、11月史上最高の暑さとなった愛媛。29.2度と真夏日に迫る暑さです。
地元の小学生:「本当に11月なのかなというくらい暑い」
■季節外れの残暑 セミの声まで…
残暑の影響かは分かりませんが、こんな現象も。香川県内の公園では季節外れのセミの声が聞こえます。さぬき市周辺では26.9℃の夏日となっています。
撮影した人:「耳を疑ったが、どう聞いてもセミの鳴き声だったので録画した。この時期なので…。半世紀ほど生きているが(セミの鳴き声を)初めて11月に聞いた」
東京都心も夏日となりました。11月に2回の夏日となるのは実に44年ぶりのこと。本来ならそろそろ焼き芋が恋しい季節ですが…。
スタッフ:「本日、暖かかったのでアイスの商品がよく売れました」「(Q.この時期としては珍しい?)そうですね。珍しいです」
芋ぴっぴ。浅草店の売れ筋はホックホクの焼き芋にアイスが乗ったスイーツ。まだ冷たいものが恋しい季節は続きます。
残暑は四季の移ろいにも影響を及ぼしています。昭和記念公園では紅葉が徐々に始まりましたが、去年の11月に撮影したイチョウ並木。木々は黄色く色付いていますが、6日のイチョウ並木、木々はまだ緑が目立ちます。
来園者:「ちょっと早いかな。もうちょっと黄色くてもいい」「もうちょっと黄葉していたらもっと良かったかな」
平年より2、3日遅く、この暑さで来週以降には見頃を迎えるそうです。
季節外れの暑さで“夏でも涼しい街”にも異変が。
■“涼しい街”勝浦にも異例の暑さ
海に来た人:「暑いんですよね。早く水着になりたいです」
客:「この時期にしてみればちょっと暖かい」
猛暑知らずの街なのに夏日に迫る暑さに。涼しさを運ぶ海にただならぬ事態が起きていました。太平洋に面した千葉県勝浦市。“夏でも涼しい街”と言われています。ただ、街の人は異変を感じていました。
勝浦市地域おこし協力隊 倉橋定良さん:「今年は特別だと思う。(去年より)6、7℃高い」
犬を散歩させる女性も夏の装いです。
海から涼しい風が吹き込む勝浦は観測史上一度も35℃以上の猛暑日を記録したことがありません。今年8月、隣の鴨川市が37℃を観測した日も、勝浦は28.6℃と10℃近い気温差がありました。ところが6日は鴨川の25.5℃に対して勝浦は24.4℃。わずか1℃ほどしか差がありません。
先月15日以降の勝浦の最高気温も平年より極端に高い日が目立ちます。
異例の暑さのせいか、11月になっても冷たい食べ物が売れ続けているといいます。
夢てらす・みよまつ 池田素子さん:「真夏と同じように出ていますね、土日は。(ソフトクリームは)80本くらい。普通だと温かいおいしい甘酒になるんですけど、なかなかやれない」
勝浦名物のタンタンメンが自慢の飲食店。厨房(ちゅうぼう)は暑さとの戦いが続いていました。
まんまる亭 矢代徳雄店長:「(Q.厨房に立っててどう?)今年は今でもまだ暑いですね。毎日、半袖で外に買い出しに行く時も半袖」
醤油ベースのスープにラー油をたっぷり。そこに玉ねぎとひき肉を乗せた勝浦のタンタンメン。海で冷えた漁師の体を温めようと定着しました。
■カギは「海水温」 例年の2℃上昇
“夏でも涼しい街”に何が起きているのでしょうか。海に行くと、その理由が見えてきました。
港町の勝浦は、海の水で冷やされた空気が街に吹き込むことで涼しくなっていました。今年は暑さの影響で海水温は平年より2℃前後上昇。そのため吹き込む風も暖かくなり、気温が高くなったのです。
海に来た人:「(Q.最近の海水温は?)いつもと比べて温かいと思います」
かつてない暖かい秋が訪れた勝浦。ただ、街の人は前を向いています。
勝浦市地域おこし協力隊 倉橋定良さん:「冬は実は温かい、勝浦は。地形的な問題。冬は守られているのか暖かい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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