「子牛にヒーター」10年に一度“最強寒波”対策急ぐ現場 海のサーモン養殖にも影響(2023年1月22日)

「子牛にヒーター」10年に一度“最強寒波”対策急ぐ現場 海のサーモン養殖にも影響(2023年1月22日)

「子牛にヒーター」10年に一度“最強寒波”対策急ぐ現場 海のサーモン養殖にも影響(2023年1月22日)

大雪をもたらした先月のクリスマス寒波よりも強い今シーズン最強の寒波が迫っています。
大きな影響が懸念される中、対策に追われる現場を取材しました。

▽“10年に一度” 最強寒波に列島警戒
真っ白な吹雪の中、着陸する旅客機。10年に1度と言われる“最強寒波”の襲来を前に、小樽市では、住民が除雪作業に追われていました。屋根に積もった雪を捨てに来た男性は…
(雪を捨てに来た男性)「まだ何回か来ると思います。来週すごくまた降るっていうので」
24日の火曜から木曜にかけて日本列島に襲来し、日本海側ばかりか太平洋側も大雪のおそれがある寒波。
きのう秋田では、雪を伴った非常に強い風に見舞われていました。
(若月愛実ディレクター)「かなりの雪とそして車の中まで風の音が聞こえてきます。視界がかなり悪い状態です。」
県内有数の豪雪地帯、横手市を取材。この日の気温は-4.4℃。一見、寒々しい池ですがサーモカメラの映像で見ると…一面赤く熱反応を示す池。手を入れてみると…
「外気のせいもあってか水の中は暖かく感じますね。」
実はこの池、観賞用コイの養殖池で寒さ対策がされているといいます。
(コイの養殖業者 首藤俊行さん)「これは地下水、(水温は)12.5℃。0℃以下になると魚が凍傷になる。すると病気になって死んでしまう。」
およそ15℃の地下水を池にひき、水温を上げる工夫がされていて池全体の水温は4℃程に保たれています。この地で100年以上養鯉業を営んでいるという首藤さん。しかしこれから来る“最強寒波”には不安も…
(コイの養殖業者 首藤俊行さん)「春まで無傷で残ってくれるように祈るしかない…」

▽子牛は寒いと「肺炎に」一日中ヒーター暖房
秋田市内の酪農農家でも寒さに備えた対策が取られていました。
(殖産雄和牧場 加藤政人さん)「子牛は生まれたばっかりのやつは弱いので注意が必要です。」
こちらの農場では5頭の子牛を飼育。気温がマイナスになる日には一日中ヒーターをつけ暖めるといいます。
(加藤政人さん)「(気温が低いと)肺炎になってしまい回復せずに亡くなってしまう場合もある」
床からの寒さも、おがくずを敷き対策。成牛も寒さで乳量が減るため普段より多くエサを与えるといいます。おがくずやエサ代、光熱費の高騰に負担は重くのしかかります。
(加藤政人さん)「コストカットも限界がある…」
Q. そこにこの寒さがあるが
「切ないですね…・」

▽「サーモン養殖」去年の失敗を踏まえ対策
最強寒波の影響は、海にも及んでいました。
(若月愛実ディレクター)「今、いけすが見えてきました。1000匹ほどのトラウトサーモンを養殖しているそうです」
秋田県八峰町では、冬場、漁に出られない漁師のため、2年前からサーモンの試験養殖を始めました。
(サーモン養殖に取り組む 小林優大さん)「町の産業として漁師の人たちがこの時期、出漁できないような日が続くので、安定した収入を得られるような事業になっていってほしい」
いけすの中にカメラを入れてみると…体長50cmほどのサーモンが縦横無尽に泳いでいました。このいけすで70cm程まで育て、5月頃には出荷したい考えです。しかし募るのは、到来する“最強寒波”への不安です。
(小林優大さん)「去年、大きいしけで(いけすを支えていた)ロープが切れてしまった。そのせいで(サーモンが)網に衝突して20匹ほど1日で殺してしまった」
こうしたことから、今年はロープの本数を増やしつつ、小林さん自らが潜水してロープの点検をしました。さらに気を付けねばならないのがエサやりです。しかし、このエサが悪影響を及ぼすこともあると言います。
(小林優大さん)「エサをまいてしまうとどうしても魚のテンションが上がって動き回ってしまう。しけが来ると(海水が)濁って見えずに網に衝突して死んでしまうおそれがある。今年は去年の失敗を踏まえてしけ前に給餌を止めて対策していきたい」
小林さんらは、明日もロープの点検などを行い、最強寒波を乗り切りたいと言います。
(小林優大さん)「将来はもっと大型のいけすで養殖しようと思っているので、自分たちが育成できるかどうか占うために、なんとか天候には荒れないでいただいて、無事に春の取り上げまで成長してほしいと思っています」

1月22日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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